オステオパシー

オステオパシー

オステオパシー

概要

オステオパシーは、身体の構造(骨・筋・筋膜・内臓・頭蓋)と機能(循環・神経・呼吸・代謝)の相互関係を重視し、徒手(手技)によって全身の調和を整える医療・療法です。
痛みのある部位だけでなく、身体全体のバランスや緊張パターンを評価し、自己治癒力が働きやすい状態をつくることを目的とします。
単なるマッサージや整体ではなく、医学的解剖・生理に基づく臨床体系として発展してきました。

背景と成り立ち

オステオパシーは1874年、アメリカの医師アンドリュー・テイラー・スティル(A.T. Still)によって創始されました。
彼は当時の薬物中心医療に疑問を持ち、身体の構造と機能の調和こそが健康の基盤であると考え、徒手による診断・治療体系を築きました。
現在、アメリカやイギリスなどでは医師(DO:Doctor of Osteopathy)として認められ、診断・処方・手術を含む医療行為を行う国もあります。一方、日本では主に手技療法として実践されています。

基本理論(コアコンセプト)

1)構造と機能の相関

身体の構造が乱れると機能が低下し、機能が乱れると構造にも影響が及ぶと考えます。
したがって、症状の原因は離れた部位に存在することもあるとされます。

2)全体性(ホリズム)

局所ではなく全身を一つの統合体として評価します。
筋骨格系、内臓、頭蓋、神経系、循環系を横断的に捉えます。

3)自己治癒力の尊重

身体には本来、回復する力が備わっており、オステオパシーはその働きを阻害している緊張や制限を取り除くと考えます。

4)循環の重要性

血液・リンパ・神経の流れがスムーズであることが健康の基盤とされます。

主なアプローチ(手技)

筋骨格系オステオパシー
• 関節可動性の調整
• 筋膜リリース(筋膜の緊張緩和)
• 姿勢・動作パターンの改善

内臓オステオパシー
• 内臓の可動性や位置関係をやさしく調整
• 消化、呼吸、循環のサポートを目的とする

クラニオセイクラル(頭蓋仙骨療法)
• 頭蓋・脊柱・仙骨の微細な動きに着目
• 自律神経やストレス反応の調整を狙うとされる

リンパ・循環アプローチ
• 浮腫や循環不全に対する徒手的サポート

診断の視点

オステオパシーでは、主に次の観点から評価します。
• 姿勢・動作・歩行
• 関節可動域
• 筋緊張・筋膜の状態
• 呼吸パターン
• 内臓の可動性
• 頭蓋・仙骨の微細な動き

適用される場面(一般的な例)

• 慢性的な首・肩・腰の痛み
• 姿勢不良に伴う不調
• 頭痛、顎関節症
• 消化器の不調(機能的問題)
• 呼吸の浅さ、胸郭の硬さ
• ストレス関連症状
• 産後ケア、乳幼児ケア(穏やかな手技)

強み

• 全身を横断的に評価できる
• やさしい手技が多く、身体への負担が比較的少ない
• 痛みだけでなく機能面(動き・呼吸・循環)にアプローチできる
• 予防やメンテナンスとして活用しやすい

限界・注意点

• 急性外傷、骨折、感染症、悪性腫瘍などには適さない
• 神経障害や重度の椎間板ヘルニアでは慎重な評価が必要
• 施術者の教育背景・技術にばらつきがある
• 単独で重篤疾患を治すものではない

標準医療との関係

オステオパシーは補完的アプローチとして用いられることが多く、整形外科や理学療法と併用される場合があります。
急性の痛み、しびれ、脱力、発熱、外傷などがある場合は、医師の診察が優先されます。

関連分野

• カイロプラクティック
• 理学療法(リハビリテーション)
• ヨーガ療法
• キネシオロジー
• 温熱療法

コメント

タイトルとURLをコピーしました