ねーねー、雨崎さん
どうした？
「反ワク」って言葉をネット上で見かけたんだけど、
どういう意味かわかんなくて……何かの略なの？
鋭いな。
それは「低反発ワクラ」の略だ
低反発ワクラ！？
低反発マクラって！？
低反発マクラの上位互換だ
上位互換なの！？
そうだ。
いつか買うと良い
雨崎さん
なんだ？
本当はどういう意味なの？
……
……
…………
…………
反ワクチン
というわけで、今回は「反ワクチン派」と呼ばれる人達に焦点を当てていきたいと思う
反ワクは、反ワクチンの略だったんだね！
その通りだ。
新型コロナウイルスが流行した辺りで注目を浴びた存在でもある
反ワクチンってことは、
ワクチンを打ちたくない人達ってこと？
うむ。
そうなるな
どうして？
理由は人それぞれあるだろうが、
ワクチンの安全性を懸念する声が特に大きいな
安全性の懸念？
「ワクチン自体が危険なんじゃ」って不安視してるってこと？
ああ。
例えば、ワクチンの副反応だ
あー、確かに。
打ったら身体がだるくなったり、熱っぽくなったりするよね
比較的軽度なものから、重度のアレルギー反応や自己免疫疾患、最も重いものだと死亡リスクを懸念する声もある
死亡リスク？
よく挙げられるデータがこれだ。
迅速な救済を目的とした予防接種健康被害救済制度において、
認定された死亡件数は現時点で867件となっている
そうなんだ…
ちなみに、この867件はどういう基準で認められたの？
①「一般人をして疑問を差し挟まない程度の蓋然性があると認められる場合」
②「厳密な医学的な因果関係までは必要とせず、接種後の症状が予防接種によって起こることを否定できない場合も対象」
ということが発表されている
なるほど。
じゃあ、ワクチンが死因だと診断されたケースはどのくらいあるの？
上記とは異なるデータだが、
医師の死亡診断書をもとに集計したデータでは、
「新型コロナウイルスワクチン」が死因となったものは、2022年は23人、2023年は37人で計60人、とされている。
なお、これはあくまで、個々の医師の判断に基づく、とされている
なるほど…
医学的な観点からワクチンと死亡の関連を調べる厚労省の有識者会議も行われたことがあるが、
新型コロナワクチン接種との因果関係を「否定できない」と評価した死者数は2人だった
そうかー……
さて、他にも、ワクチンの成分が身体に悪影響を与えるのではないか、という声もあるな
ワクチンの成分？
製造や保管、投与を安全かつ効果的に行うため、ワクチンには防腐剤や添加物などが含まれている。
それらが、身体に良くない影響を及ぼすのではないか、ということだ
なるほど……
実際のところはどうなの？
基本的に、どの防腐剤も添加物も、厳しい安全基準に基づき管理されている。せっかくだから、一つずつ見ていくか
おお！
まずは防腐剤だ。
ワクチンには、細菌汚染を防ぐ目的で防腐剤が用いられている
そうなの！？
初めて知ったなぁ……
そして、この防腐剤としてよく用いられているチメロサールは、
有機水銀の「エチル水銀」と「チオサリチレート」に分解されるのだが、
これの安全性を不安視する声も多かった
うーん、水銀だもんなぁ……
だが、体内に蓄積されてしまうために水俣病の原因にもなった「メチル水銀」と違い、
体内から素早く排出される「エチル水銀」は毒性が低く、
皮膚過敏症くらいしか目立ったリスクは見られなかった。
なるほど、エチル水銀は比較的安全なんだね
とはいえ、「極微量であっても有機水銀を添加するのは好ましくない」との判断から、
より安全性の高いワクチンを求め、世界各国、チメロサールを減らす方向で動いているようだが
はえー！
続いて、アジュバントだ
アジュバント？
ラテン語で「促進する」「増強する」という意味を持つ。
ワクチンに含まれる抗原と共に、アジュバントの役割を担う物質(主にアルミニウム)を投与することで、
その抗原に対する免疫原性を増強・加速・延長する作用を持つんだ。
これにより、接種の回数を減らせたり、免疫力の弱い新生児や高齢者への効果を改善することができる
なるほど、ワクチンの効果を高めてくれるんだね！
だが、アジュバントの含まれているワクチンは、副反応が出やすい傾向にある。
アジュバントは免疫細胞を引き寄せ、炎症反応を引き起こすことで免疫応答を強化するのだが、
この炎症反応により痛みや腫れが起きやすいんだ
あ、そうなのか…
実際にそういう傾向があるなら、アジュバントを危惧する声があるのもちょっとわかるかも？
続いて、安定剤。
タンパク質や糖などといった「安定剤」を添加して、凍結や熱、乾燥から抗原を保護したり、低温での結晶化を防ぐことができる
はえー！
かつてはゼラチンを安定剤として使っていたようだが、
アレルギー発症の恐れがあることから、黄熱や狂犬病といった一部ワクチンに限られているようだな
防腐剤も安定剤も、より安全な方向に進化してるんだね
そして、電解質・緩衝剤。
ワクチンが生理的な条件下で働くよう、浸透圧やpHを調整する役割を担う。
主に塩化ナトリウムや塩化カリウムなどが、これに該当する
この辺はあんまり危なそうな物は無さそうだね
そして、その他添加剤だ。
新型コロナワクチンの場合は、mRNAを包んで細胞に届ける役割を担う脂質ナノ粒子が該当するな
あ、なるほど
そういう役割のものもあるんだね
最後に、ワクチンの本体である「有効成分」だ。
有効成分とは、特定の病原体に対する免疫を形成するために必要な生物学的な要素のこと。
……とまあ、堅苦しく言ったが、要するに病原体のことだな
主にこれらが、ワクチンを構成する要素だ
まあ、なんだかんだ有効成分への懸念が一番大きいよね……
それは間違いないな。
さて、反ワクチンを選択する人の中には、「自然免疫の強化を優先すべき」という声もある
ワクチンを使わずに、自然に免疫をつけなさい、ってこと？
体が病気と戦うことで、
より自然で、強力かつ、持続的な免疫が得られる、という考えのようだな
まさしく自然派だね
ワクチンを取り巻く社会のあれこれに反発する人もいるようだ
あれこれ？
例えば、ワクチン接種に対する社会的な圧力だ
あー……確かに
特に新型コロナ流行直後は、ワクチンを接種する人と接種しない人の間に厚い壁があった気がしたね
当時のワクチン接種は、社会全体の免疫強化という側面があったからな。
個人の選択権や自由を侵害している、と感じた人も少なくない
あー、そういう意見も聞いたことあるなぁ
最後に、ワクチンや国への不信感を抱いている層だ
不信感？
「治験は十分なのか？」
「情報は正しく公開しているのか？」
ワクチン及び、それを推奨する国に対する不信感から、反ワクチンの意見を持つに至る人たちも少なくない
なるほど……
……とまあ、長くなったが、
「反ワク」傾向の人は、概ね上記のどれかに該当しているのではないか、という見立てだ
反ワクの人は、色々なことを警戒している印象を持ったなぁ
……あ、そういえば雨崎さんはワクチン反対派？ それとも、ワクチン推進派？
私はたけのこ派だ
戦うしかないか
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