今回は、レプリコンワクチンとはどのようなものなのか、そしてどのような危惧がされているのかを見ていきます。
まず、レプリコンワクチンとは、自己増幅型のmRNAワクチンです。
そもそも、mRNAワクチンとは?
mRNAワクチンとは、ウイルスのタンパク質を作るもとになる遺伝情報の一部を注射して、免疫を作る新しいタイプのワクチンです。
ウイルスの一部を体内で作ることが狙い、というわけだね
mRNAワクチンが作用する流れ
①mRNAワクチンは、ウイルスのスパイク蛋白の遺伝情報を含んでいます(※スパイク蛋白とは、ウイルスの一部。細胞に侵入する際の、鍵となる部分)。
この遺伝情報(mRNA)は、細胞に注射されることで、体内に導入されます。
体内にウイルスの設計図を注入!
②注入されたmRNAは、細胞のリボソームによって読み取られ、それを元にスパイク蛋白が合成されます。
設計図をもとに、ウイルスの一部(スパイク蛋白)が作られる!
ちなみに、感染力を持たない部分だけを作るよ!
③合成されたスパイク蛋白は、細胞の表面に提示されます。すると、免疫系はそのスパイク蛋白を異物として認識し、免疫反応を開始します。この過程で、B細胞が抗体を生成し、T細胞が感染した細胞を攻撃します。
ウイルスが出来ると、免疫が反応!
④免疫反応によって生成された抗体やT細胞は、体内に記憶細胞として残ります。これにより、将来同じウイルスが侵入した際に、素早く効果的な免疫反応を示すことが可能になります。
免疫によって生まれた抗体が、体内に記憶!
⑤ワクチン接種後、体内のmRNAは数日から数週間のうちに分解されますが、生成されたスパイク蛋白はしばらくの間体内に留まります。このスパイク蛋白に対する免疫記憶が、長期的な感染防御に寄与します。
記憶した免疫が、感染防御に役立つ!
レプリコンワクチンとは?
レプリコンワクチンとは、自己増幅型ワクチンとも呼ばれます。
基本的な仕組みはmRNAワクチンと同じですが、注射されたmRNAが体内で複製されるという特徴があり、
これにより強力で持続的な免疫反応が引き起こされます。
レプリコンワクチンは、mRNAが増える!
免疫反応もより強く、長く効くように!
また、接種直後に多く複製されるものの、一定期間後にmRNAは分解されるため、体内に長期間残存することもない、とされています。
少ない接種量で、具体的には約10分の1程の量で、従来ワクチンと同等かそれ以上の効果が期待されます。
国内で行われた臨床試験では、接種から半年の時点でのウイルスの中和抗体の値が、従来型のmRNAワクチンの2倍余りとなっていました。
つまりレプリコンワクチンの働きとは、
たくさんのスパイクタンパクを作って、
免疫をより持続的に、より強力にするということだな
よくある懸念の声と、それに対する回答
レプリコンワクチンを巡って、色々な懸念の声と、それに対する有識者の回答がネット上には流れています。
それらをまとめてみました。
日本がいち早く承認してるけど大丈夫なの?
Q1:治験を行ったベトナムも米国も、諸外国も承認はしていないのに、大丈夫なのか?
A:今回承認されたレプリコンワクチン「コスタイベ」は、複数の臨床試験と非臨床試験による有効性と安全性の確認が行われている。
従来のワクチンと比較しても良好な予防効果を持ち、かつ十分な安全性が確保されていることが明らかになったと判断されたことから、日本での承認に至った。
本当に治験は十分なのかな?
①18歳以上の健康な成人16,000名を対象に、ベトナムで実施された治験では、
重症化予防効果:95.3%
発症予防効果:56.6%
という結果を見せた。
また、副反応として注射部位の痛みや倦怠感などが報告されたが、いずれも軽度から中等度であり、心筋炎や心膜炎といった重大な副反応も確認されていない、という結果だ。
(https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/001266060.pdf)
②日本国内で行われた追加免疫の治験では、
すでにCOVID-19ワクチンを3回接種している成人を対象に、「コスタイベ」をブースター接種として使用した場合の免疫反応が調査された。
結果として、オリジナルのウイルスに対する中和抗体価が6か月以上にわたり持続することが確認され、
これは従来のワクチンと比較しても長期間にわたる免疫効果を示すものだった。
また、安全性に関しても、初回接種時と同様に重大な副反応は報告されておらず、従来のワクチンとの比較でも大きな差は見られなかった、という結果だ。
③変異ウイルスに対応するワクチンに関する試験も実施されたが、
オミクロン株のBA.4/5に対する追加免疫効果が検証され、
結果としてコミナティと比較して抗体価の上昇が大きく、かつその効果が長期間持続することが確認された。
また、この試験においても、副反応は軽度から中等度であり、重大な副反応は認められていない、という結果だ。
④マウスを用いた試験では、高い免疫原性を持つことが確認されました。
特に、複数の変異ウイルスに対して高い中和抗体価が誘導され、その効果が長期間持続することが示されている、という結果だ。
ということは、治験は十分と判断して良いの?
厚労省に掲載されている資料には、効果の高さとリスクの低さが主張されてはいるな
日本は、他の国に先駆けて、承認したんだよね?
治験の内容を見て、十分だと判断したんだろう
シェディングが起こったりしないか?
Q2:接種した人からシェディングが起こったりしないのか?
A:mRNAワクチンは生ワクチンなどと異なり、ウイルスの一部(スパイクタンパク)しか使用していないため、感染性のあるウイルス粒子自体を形成することはない。
したがってシェディングは起こらないと考えられており、そのような科学的知見は現在あらゆる先行研究にもない。
(https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=77180)
シェディングは起きないの?
シェディングの定義は、「ウイルス/ベクターが患者の分泌物や排泄物を介して拡散すること」とされている。
感染性のあるウイルスが生まれないなら、シェディングが起こることもない、ということだろう
レプリコンワクチンは遺伝子に影響を与えないか?
Q3:レプリコンワクチンは人間の遺伝情報や遺伝機構に影響を及ぼさないか?
A:ヒト細胞には通常、逆転写酵素が存在しないため、ワクチンのmRNAがDNAに組み込まれることはない。
ヒトの遺伝情報や遺伝機構に悪影響は及ぼすことはない、と考えられる
(https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=77180)
うーん? 難しいな
逆転写酵素とは、RNAからDNAを作る酵素のことだ。
普通、細胞内ではDNAからRNAが作られ、そこからタンパク質ができるという流れ(転写)が一般的だが、
逆転写酵素はその流れを逆にして、RNAの情報をもとにDNAを作る。
今回の場合、そもそも逆転写酵素が存在しないから、
DNAには影響しない、ということだろう
強い副反応は起きないのか?
Q4:強い副反応が起きたりしないのか?
A:国内で行われた臨床試験の結果、接種の副反応として 92.4%の人で接種部位の痛み、 44.8%の人でけん怠感、 39%の人で頭痛、 20%の人で37度5分以上の発熱などが報告されている。
また、添付文書ではアナフィラキシーショックのほか、ほかのmRNAワクチンでは心筋炎や心膜炎が報告されているとして注意を呼びかけている。
少なくとも、上記の副反応に関しては、注意しておいた方が良い
まとめ
うーん……
「レプリコンワクチン、大丈夫なのかな?」っていう気持ちはやっぱりあるなぁ
自分の体内に導入するものだからな、慎重になって然るべきだ
とりわけワクチンに関しては、情報の正誤を判断することの難しさがある
ネットには色々な声が飛び交ってるもんね
この記事もその内の一つということだな
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