8月を31日にしたい
では話をローマに戻します。
カエサルの後継者であり初代ローマ皇帝であるアウグスタスは、
自分の名前を月の名前に残したい、と考えていました。
アウグスタスは「我が生まれたのは8月だから、8月はアウグスタス(英語読みでオーガスト)にしてしまおう」と画策し、その通り改名してしまったのです。
これが8月がAugustになった由来です。
月の名前に自分の名前をあててしまう、とは面白い発想ですね。
もし日本において山本さんが名付けていたら、
一月、二月、三月、山本、五月…
というようになっていったかもしれません。
しかし8月はカエサルが決めた通り30日しかない月でした。
他の月と比べて1日短いとなると、せっかく自分の名前を付けた月が比較的早く終わってしまいます。
アウグスタスは「我が生まれた月が30日しかない?不遜な…我の月を1日多くするぞ」と、
8月を31日まで存在する月にしようとしたのです。
結果、8月を31日にしたことで
9月を30日、10月を31日、11月を30日、12月を31日…と偶数と奇数の月をずらしていきました。
つまり1月から7月まではカエサルが決めた「偶数月は30日、奇数月は31日」の法則で、
8月から12月まではアウグスタスが決めた「奇数月は30日、偶数月は31日」とあべこべになったわけですね。
本当に色々な変化があるのが面白いところです。
8月を1日増やすということは…
しかし、30日と31日の月があべこべになっただけでは1年の日数は366日のまま。
1年は365日なのに8月を1日増やしてしまったとなると、どこかの月を1日減らす必要があります。
……もうお判りでしょう。
またまた調整のために2月は1日取られてしまった、というわけです。
こうして
・1月、3月、5月、7月、8月、10月、12月は31日まで
・4月、6月、9月、11月は30日まで
・そして2月は28日まで(うるう年は29日まで)
と現在の暦になったわけですね。
2月が短くなっていったのは、
歴史上の人物たちが暦を変えていく中で、カレンダーの他の月のしわ寄せを受けた、
という側面が少なからずあります。
ただその結果、2月は他の月よりも短い、という唯一無二の特徴を持ち合わせることになり、
むしろ他の月よりも印象に残りやすいというのは面白いところ。
はい、
というわけで今回の記事はこの辺りで締めます。
また次回お会いしましょう、さようなら。
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