頭を打った後、この症状が見られるときは、病院でみてもらうことが重要!
- 呼びかけてもぼんやりして反応がはっきりしない
- ぐったりして顔色が悪い
- 何度も吐いてしまう
- 痙攣している
- 頭痛がだんだん強くなってくる
- (乳児の場合)ミルクの飲みが悪い
- こぶが非常に大きい(3センチ以上)
- こぶが急激に大きくなってくる
- 出血が止まらない
- 鼻や耳から透明な液体が出たり、鼻血が出る
- 手足の麻痺
- 急な難聴

上記のような症状が見られる場合は、すぐに病院を受診することが重要(※1)!!!
また、頭を打ったあとは、すぐに症状が出なくても、あとから変化が出ることもあります。
症状は6時間以内に現れることが多く、特に3時間以内は注意が必要です(※2)。夜間はすぐそばで眠り、数時間ごとに触れて確認することが重要です。
頭を打ってから最低でも24時間は、いつもと違う様子がないか、注意して見守ってください。48時間が経過しても何も起こらなかった場合、ほぼ大丈夫と判断することができます(※2)。

ただし、3日目以後もごく稀に異常が出る可能性があるため、注意が必要(※2)!!!
少しでも「いつもと違うかも」と感じたら、迷わず病院を受診することが重要です。
心配なときは、症状がなくても一度医師に相談するのも安心につながります。

受診の目安や対応に迷ったら、「♯8000」で相談を!(※3)
「♯8000」は、全国どこからでもかけられる子ども専用の相談ダイヤルです(※3)。
休日や夜間に「この症状、大丈夫かな?」「病院に行くべき?」と迷ったとき、小児科の医師や看護師が電話で相談にのってくれます(※3)。
子供が頭を打って、こぶができた場合の対応
子どもは頭をぶつけると、こぶができやすいです(※1)。これは、頭の骨と皮膚の間の組織が弱いためです。
こぶは時間がたてばほとんどが自然に消えていきます。
こぶが出来たときは、冷たいもので冷やしてあげると、痛みがやわらぎ、こぶも大きくなりにくくなります。

僕もよくこぶが出来てたなぁ

俺は今もよく出来るぞ

大丈夫???
ただし、こぶがとても大きい(3cm以上)ときや、急にどんどん大きくなってくるときは、骨にひびが入っていたり、骨折している可能性があります(※1)。そういう時は、すぐに病院で診てもらってください。
また、頭を打った当日は家の中で安静に過ごすようにしてください。

安静第一!
子供が頭を打って出血した場合の対応
血が出ているときは、ガーゼや清潔なタオルで出血箇所を強く押さえて血を止めてください(※1)。
傷に砂や泥がついているときは、水でよく洗い流してください。
もし血がなかなか止まらないときは、傷を縫う必要があるかもしれません。そんなときは、すぐに病院で診てもらいましょう(※1)。
また、傷がある場合はその日のお風呂は控えましょう(※1)。

よく観察してあげてね!
頭を打った際のレメディ
てとネット会員限定LINEグループでの相談事例

昨日、12歳の子供が転んだ際に頭を打って、その日の夜にアーニカを200ccを一粒摂り、今日「首を動かすと痛い」と言っています。

痛みがだんだん引いてきてるならいいですが、ひどくなるようなら、受診等考えてもいいかもしれません。
アーニカ30cを2回ほど用いられることがあります。外傷にはあまり200Cは効かない可能性があります。
成人を含め、頭を打つことによる統計
厚生労働省の統計(平成22年)によると、不慮の事故で亡くなった人は年間約4万人(※4)。その中で特に多いのが、交通事故や転倒・転落による「頭のケガ」です。交通事故の死亡原因として、頭部損傷が約60%を占めているという報告もあります(※4)。
命が助かっても、多くの人が高次脳機能障害(記憶や思考の障害など)に苦しみ、社会復帰や日常生活が困難になるケースも少なくありません(※4)。
比較的多くみられる、打撲により生じる頭の症状
- 脳震盪(のうしんとう)
頭を強く打ったときに脳が揺さぶられて、一時的にうまく働かなくなる状態です(※4、5)。
記憶があいまいになったり、混乱する、物が二重に見える、光がまぶしく感じる、頭が痛い、吐き気がする、ふらつくなどの症状が出ることがあります。
ほとんどの場合はすぐによくなり、15分以上症状が続くことはまれです(※5)。
- 脳挫傷
脳挫傷は、強い衝撃で脳が頭の中で急に動いたり、逆に動いていた頭が何かにぶつかって急に止まることで起こります(※6)。
このとき、ぶつかった場所だけでなく、反対側の脳にもダメージが広がることがあります。
脳挫傷は、けがをした直後だけでなく、数時間から数日たってから悪化することもあり、脳の働きが弱まってくることがあります。
脳震盪(のうしんとう)よりも重いけがで、意識を失ったり、後遺症が残ることもあります。
主な症状には、意識がなくなる、ひどい眠気や混乱、記憶があいまいになる、興奮したり動きにくくなる、吐き気が出る、考え方や気分のコントロールが難しくなる、などがあります。
- 硬膜下血腫
脳を包む硬膜と脳の表面の間に血液がたまる状態です。
通常、頭を強く打つことで血管が破れ、血液が漏れ出して硬膜の下に血腫ができることによって起こります。
この血腫が脳を圧迫すると、頭痛、眠気、吐き気、混乱、言葉がうまく話せない、記憶があいまいになるなどの症状が現れます(※7)。
まとめ
頭を打った場合、特に子どもでは症状が急変することがあるため、注意が必要です。
心配な場合は、「♯8000」などの相談窓口を活用して、適切な対応を取ることが大切です。

受診をすることが大事だ。迷ったら相談窓口へ!
参考文献
(※2)一般社団法人 大阪小児科医会
病診連携部会救急委員 子どもの頭部打撲 3 日日誌の使い方と対応について マニュアル
(※4)脳震盪およびDAI にみる頭部外傷メカニズムの解明 -その現状と課題- 青村茂,首都大学東京システムデザイン研究科
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