コスタイベは、SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)感染症の予防を目的としたワクチンで、接種方法や対象者について一定の条件があります。
本剤の接種には、特定の健康状態を考慮した注意が必要であり、使用に際しては副作用や管理方法にも細心の注意を払うことが求められます。
コスタイベ(レプリコンワクチン)の効果
コスタイベは、SARS-CoV-2による感染症の予防効果が期待できます(※1)。なお、本剤の予防効果の持続期間は確立していません(※1)。
コスタイベ(レプリコンワクチン)の作用機序
コスタイベの作用は、体内で免疫を強化することです。
コスタイベは脂質ナノ粒子に包まれたmRNAを使います。このmRNAは細胞内に入り、SARS-CoV-2ウイルスのスパイクタンパク質を作るように指示します。
体はこのスパイクタンパク質を異物として認識し、免疫反応を引き起こします。
これにより、もしSARS-CoV-2ウイルスに再び感染した場合、免疫システムはすでにそのウイルスを知っており、早期に防御できるようになります。
コスタイベの有効性
コスタイベの有効性は以下の通りです(※2)。
- 重症化予防率:95.3%
- 発症予防率:56.6%
コスタイベの用法・用量
本剤は日局生理食塩液10mLにて溶解します(※1)。
1回0.5mLを筋肉内に接種します(※1)。
コスタイベの接種条件
18歳以上かつ、前回のSARS-CoV-2ワクチンの接種から少なくとも3ヵ月経過した後に接種することができます(※1)。
過去にSARS-CoV-2ワクチンの接種歴のない方には、およそ4週間の間隔をおいて2回目接種を行うことができます(※1)。
また、医師が必要と認めた場合には、他のワクチンと同時に接種することができます(※1)。
コスタイベを接種してはいけない人
以下に該当する方はコスタイベを接種してはいけません(※1)。
- 明らかな発熱を呈している方
- 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな方
- 本剤の成分に対し重度の過敏症の既往歴のある方
- 上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある方
コスタイベの接種に注意が必要な人
次のいずれかに該当する方は、注意して接種を行う必要があります(※1)。
- 抗凝固療法を受けている者、血小板減少症又は凝固障害を有する者
本剤接種後に出血又は注射部位に血腫があらわれるおそれがあります。
- 過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者
- 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者
- 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者
- 過去に痙攣の既往のある者
- 本剤の成分に対して、アレルギーを呈するおそれのある者
- 腎機能障害や肝機能障害を有する人
- 妊娠中の方
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には予防接種上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ接種します。
- 授乳中の方
予防接種上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討されます。本剤及び本剤に対する抗体のヒト乳汁中への移行は不明です。
- 小児等
18歳未満を対象とした臨床試験は実施していません。
- 高齢者
接種にあたっては、問診等を慎重に行い、被接種者の健康状態を十分に観察することが必要です。一般に、生理機能が低下しています。
コスタイベの注意項目
コスタイベは以下に注意して接種されます(※1)。
- 本剤は「予防接種実施規則」及び「定期接種実施要領」に準拠して使用することが求められます。
- 被接種者について、接種前に必ず問診、検温及び診察によって健康状態を調べることが必要とされます。
- 被接種者又はその保護者に、接種当日は過激な運動は避け、接種部位を清潔に保ち、また、接種後の健康監視に留意し、局所の異常反応や体調の変化、さらに高熱、痙攣等の異常な症状を呈した場合には速やかに医師の診察を受けるよう事前に知らせることが必要です。
- ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるため、接種前に過敏症の既往歴等に関する問診を十分に行い、接種後一定時間、被接種者の状態を観察することが望ましいとされています。また、本剤接種後にショック、アナフィラキシーが認められた被接種者に対しては、以降の本剤の接種を行われません。
- ワクチン接種直後又は接種後に注射による心因性反応を含む血管迷走神経反射を原因とした失神による転倒を避けるため、接種後一定時間は座らせるなどした上で被接種者の状態を観察することが望ましいとされています。
- 心筋炎、心膜炎があらわれることがあるため、被接種者又はその保護者に対しては、心筋炎、心膜炎が疑われる症状(胸痛、動悸、むくみ、呼吸困難、頻呼吸等)が認められた場合には、速やかに医師の診察を受けるよう事前に知らせることが必要です。
- コロナウイルス(SARS-CoV-2)RNAワクチン接種後に、ギラン・バレー症候群が報告されています。被接種者又はその保護者に対しては、ギラン・バレー症候群が疑われる症状(四肢遠位から始まる弛緩性麻痺、腱反射の減弱ないし消失等)が認められた場合には直ちに医師等に相談するよう、あらかじめ説明します。
- 本剤と他のSARS-CoV-2に対するワクチンの互換性に関するデータはありません。
コスタイベの副作用
以下のような重大な副作用が現れることがあるため、注意が必要です(※1)。
- ショック、アナフィラキシー(頻度不明)
- 心筋炎、心膜炎(頻度不明)
また、以下のような症状が特に高い頻度で現れます(※1)。
- 局所症状
圧痛(92.9%)、疼痛(83.8%)、腫脹(14.0%)、硬結(12.4%)、紅斑(12.4%)
- 精神神経系
頭痛(39.0%)、めまい(19.2%)
- 筋・骨格系
筋肉痛(28.8%)、関節痛(26.7%)
- 全身症状
倦怠感(44.8%)、悪寒(30.0%)、発熱(20.1%)
コスタイベの保存上の注意
本剤は冷蔵庫(2〜8℃)で1ヵ月間保存することができます(※1)。なお、冷蔵保存後は再冷凍せずに、有効期間を超えない範囲で1ヵ月間以内に使用されます(※1)。
まとめ
コスタイベは、予防接種の一環として有効な選択肢となる可能性がありますが、その使用には接種前後の観察や医師の指導が重要です。副反応が発生する可能性もあるため、接種を検討する際にはリスクと利益を十分に理解し、必要な予防措置を講じることが大切です。
参考文献
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