代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)

最終更新:2026年8月20日

代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)は、肝臓への脂肪蓄積と、肥満、2型糖尿病、脂質異常症、高血圧など少なくとも1つの心血管代謝リスク因子を伴う脂肪性肝疾患である。旧称の非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)に代わる名称として用いられる。[1]

定義と分類

MASLDは、画像または組織学的に肝脂肪化があり、少なくとも1つの心血管代謝リスク因子を伴う状態を指す。炎症と肝細胞障害を伴う進行型は代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)と呼ばれ、線維化を伴う場合がある。[1]

主なリスク因子

MASLDは肥満2型糖尿病脂質異常症インスリン抵抗性高血圧などと密接に関連する。代謝異常との関連が強く、肝疾患だけでなく心血管疾患のリスクも重要である。[1]

症状と進行

多くは無症状で、症状がある場合は疲労など非特異的なものが中心となる。MASHから線維化、肝硬変、肝細胞癌へ進行する場合があり、進行例では黄疸、腹水、出血しやすさなど肝機能低下に伴う所見がみられることがある。[1]

評価と線維化リスク

肝脂肪化は超音波などの画像検査で評価されることが多い。重要なのは線維化の重症度を見極めることで、FIB-4などの血液検査を用いた指標やエラストグラフィなどの非侵襲的検査が利用され、結果が不明確な場合には肝生検が検討される。[1]

管理

生活習慣の改善と体重管理はMASLD管理の基盤であり、肥満がある場合の減量、バランスのよい食事、運動、糖尿病・脂質異常症・高血圧などの代謝リスク管理が重要となる。進行例では線維化や肝細胞癌の定期評価が必要になる。[1]

予後で重要な点

MASLDでは肝疾患だけでなく心血管疾患のリスク管理が重要で、出典では心血管疾患がこの集団の主要な死因とされている。肥満がある場合の生活習慣介入では、体重の5〜7%程度の減量が目標として示されることがある。[1]

エビデンス・科学的評価

MASLDは代謝異常と強く結び付く脂肪性肝疾患で、予後評価では肝脂肪量だけでなく線維化の程度が重要である。非侵襲的な線維化評価を段階的に用い、高リスク例を専門的評価へつなぐ方法が示されている。[1]

安全性・注意点

MASLDは無症状でも進行していることがあり、肝酵素が正常でも存在し得る。自己判断でサプリメントや薬物を追加するのではなく、代謝リスク、線維化、併存疾患を含めて医療者と管理する必要がある。[1]
MASLDの薬物治療には適応や併用禁忌がある薬剤も含まれるため、治療選択は肝病期と全身状態に基づいて行う。[1]

参考文献・参考情報

  1. NCBI Bookshelf: Metabolic Dysfunction-Associated Steatotic Liver Disease (MASLD) ↩本文

カテゴリ:症状・疾患 / 肝臓

タグ:代謝 / 脂肪肝

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