定義
世界保健機関(WHO)はセルフケアを、個人、家族、地域社会が、医療・ケア従事者の支援の有無にかかわらず、自らの健康を増進・維持し、疾病を予防し、病気に対処する能力と定義している。セルフケアは、人々を自身の健康管理に関わる能動的な主体として位置づける概念である。[1][2]
範囲
セルフケアには、健康的な食事、身体活動、禁煙、飲酒回避、十分な睡眠、他者とのつながりなどの生活習慣上の行動が含まれる。また、健康増進、疾病予防・管理、要介護者へのケア、リハビリテーション、緩和ケアもセルフケアの範囲に含まれる。[1][2]
セルフケア介入
セルフケア介入には、正式な医療サービスの外で全部または一部を利用できる、科学的根拠に基づく医薬品、医療機器、診断手段などが含まれる。例として、HIVや妊娠の自己検査、糖尿病や高血圧の自己モニタリング機器、市販薬などが挙げられている。[1][2]
介入によっては医療・ケア従事者による導入、説明、フォローアップが必要となる。[1][2]
医療制度との関係
セルフケアは医療制度や医療・ケア従事者を置き換えるものではなく、それらを補完する追加の選択肢として位置づけられる。WHOは、セルフケアをプライマリ・ヘルスケアの強化やユニバーサル・ヘルス・カバレッジの推進に関わる要素としている。[1][2]
安全性・実施条件
個別のセルフケア介入を推奨するには、健康上の利益があり、個人および集団に害を与えず、安全で支援的な環境で提供されることを示す根拠が重要となる。未規制・低品質な製品、不正確な健康情報、合併症や副作用が生じた際に医療従事者へアクセスできないことなどは課題となる。[1]
セルフケアを安全に機能させるためには、製品や介入の質を担保する規制、適切な情報、プライバシーと機密性、保健医療従事者の支援、ヘルスリテラシーなどを含む環境整備が必要とされる。[1][2]