基本的な考え方
ピラティスでは、呼吸、頸部の位置、肋骨と肩甲帯の安定、骨盤の動き、腹横筋の利用が基本要素として重視される。各運動は体幹を安定させたうえで、可動域をコントロールしながら行うことを特徴とする。[1]
運動の方法
運動は比較的単純な動作を少ない回数ずつ繰り返し、姿勢やてこの長さ、抵抗を変えることで負荷を調整する。マットエクササイズでは主に自重と重力を利用し、専用器具のReformerではスプリングや滑走台を用いて抵抗や補助を加える。[1]
体幹への作用
ピラティスでは腹横筋、腹斜筋、多裂筋、殿筋群などの体幹周囲筋の協調を重視する。レビューでは、柔軟性、腹部および腰骨盤部の安定性、筋活動の改善について一定の支持が示されているが、研究数や方法論には限界がある。[1]
腰痛への応用
慢性非特異的腰痛に対してピラティスを用いた研究では、痛みや機能障害の改善を示した報告がある。一方で、当時の研究数は少なく、他の運動療法より明確に優れていると断定できる根拠は十分ではないとされている。[1]
高齢者・バランスへの応用
高齢者を対象とした小規模研究では、姿勢安定性や静的・動的バランスの改善が報告されている。ただし、転倒予防効果を広く一般化するには、転倒リスクの高い人を含む追加研究が必要である。[1]
運動強度の調整
ピラティスは、リハビリテーションで用いる軽い筋力訓練から、熟練者にとって負荷の高い運動まで調整できるとされる。そのため、実施目的、体力、既往、痛みの有無に応じて種目や負荷を選択する必要がある。[1]
研究上の限界
ピラティスは長く利用されてきた一方、レビュー時点では質の高い研究が十分ではなく、特定の疾患や目的に対する効果を確定するには研究方法の改善と追加試験が必要とされている。[1]