【週刊少年ジャンプ】トラック?「アメノフル」の良いところとそうでないところについて触れる【打ち切りにならないために】

感想
※記事内容につきましては、作品に触れた個人の主観に基づく感想・考察になります。

みなさんこんにちはこんばんは雨崎です。

みなさんは週刊少年ジャンプで連載されている「アメノフル」という作品を読んでいますか?

私は毎週読んでいますし応援しています。がんばれアメノフル。

さて今回はそんなアメノフルについて現状私が良かったと感じるところと、そうではない点を触れていきたいと思います。

アメノフル

まず簡潔に個人的なまとめから触れると、

まとめ

・推したいはずの「お菓子」「バトル」の2要素が弱い
・作画やカット割りなど、ビジュアル面も気になるところ多し
・ギャグ適性はあるのでそこに期待

こんな感じです。
では細かく見ていきます。

・発想の根本は良い

お菓子の種類だけ戦闘も考えられる。
子供から大人まで理解しやすく明快な「お菓子」を活かした設定。

お菓子による大事件が発生したため、そこからどう復興していくか、というシリアスな話にもつながる。

この発想はこの漫画の最大の武器であり魅力でもあり、
この設定をどう活かすかは作者の腕の見せ所だと思います。
なのですが……

・能力の応用にまではいってくれない

お菓子使い同士の戦いというのは能力バトルに振り切ればかなり斬新なことが出来そうだけど、あまりそういう方向にはいってくれない。

能力の使い方も「それそのお菓子じゃなくて良くね」という内容がほとんどで、
実際お菓子というよりお菓子の形をした鈍器や飛び道具で殴り合ってるように見える。

「何でもかんでも能力バトルにする必要」はないけれど、
この漫画の場合 仮にシリアス方面に行くのであればお菓子の能力利用の見せ方がキモだと思うので、
今後登場するお菓子の使い方をどれだけ魅力的に見せることができるかどうかがカギ。

例えば「お菓子を使ってそんな風にフィールドを操作するの!?」「そのお菓子をバトルに活かすとそんな風に使えるのか」的な驚きは欲しいところです。
お菓子の使い方は多少無茶でも理屈をつけてくれればバトルやジャンプ好きな読者は乗ってくれるところだと思います。

なんにせよお菓子の活用法は工夫が要る。
現時点では「お菓子の恐ろしさ」や「お菓子バトルをしたい」という感情が読者に湧きにくいのは確か。

お菓子である必要性

3話で登場したアイスクリーム使いがトラックを止める場面も、
アイスクリームに関係ないところで冷気でトラックを止めてるので
「これアイスクリーム使いである必要ないのでは?シャーベット使いやフローズン○○でも同じことできそうだし」「なんならバトル漫画によくいる、単なる冷気使いでも良い」という感想を抱いてしまう。
そのお菓子ならではの活用が見たい。
気持ち程度にトラックの周りにアイスクリームを生やしてる場合じゃない。

4話でも「アイスクリーム」というより冷気を操作する能力者になっていて、
これでは「アイスクリーム使い」というよりは、
「ついでにアイスクリームも作れる冷気使い」に見える。冷気メイン。
というか能力発動時点の描写を見るとクリームではなく氷の方が生まれてるので、
本当にそういうことなのかもしれない。
いやそこはまずアイスクリームから生やして、後から冷気が生まれる描写にした方が。
これやっぱり「ついでにアイスクリームも作れる冷気使い」なのでは。
「アイス」がなくても成立するわけで、あくまで「アイス」は“漫画的に読者を惹きつけるためのビジュアル担当”に過ぎないのかもしれない。
実際巨大ペロペロキャンディーや巨大アイスクリームが日常に現れている絵は、確かに面白い。
ただそこからもう一歩、ビジュアルだけにとどまらない活用が見えないと能力モノどうこう以前に、お菓子をテーマとする漫画として弱い。

もし凄腕のアイスクリーム使いを描写したいのであれば、
例えば暴走するトラックの周りに急速にアイスクリームを作り出して、アイスクリームでトラックを幽閉するくらいのことをしてくれれば、

「高速で動くトラックを雪だるまにしてしまうほどの速度と精度を持つ能力なのか」的な強キャラ演出になるし、
“さっきまで暴走してたトラックがアイスクリームの中におさまっている”というシリアスともギャグとも取れる印象的なビジュアルも作れた。

あと冷気使いよりもアイスクリーム使いの方が明らかに汎用性が低く能力の使い方が難しいのは読者も理解できるから、
だからこそアイスクリームだけで事態を収束させていれば、
読者の感想は「アイスクリームをこんな使い方できるのか」「面白い発想するなぁこの作品」になるわけで。

少なくとも「冷気で事態に対処していく」というバトル漫画の氷使いがよくやりそうなことよりも、
アイスクリーム“だけ”で事態をおさめている絵の方が、
この作品ならではの一歩踏み込んだビジュアルを生み出せたはず。

とにかく各お菓子の「活用法」が応用の域にまで達してない。
現状「お菓子をまんま生やすだけ」になってしまっている。
あるいはシンプルな使い方をするにしても、力強さや斬新さのビジュアル的な演出が十分でないように思う。

そして何よりの問題点が、「特定のお菓子ならではの活用」や「お菓子の存在感」が上記の理由で希薄になっていくため、

この作品の核であるお菓子の重要性が読者に認識されなくなり、没個性な作品に感じられてしまう点。これは致命的。

もっとお菓子であること、お菓子の素晴らしさを全面に出しつつ、

なんなら作者のお菓子好きが作品に表れてもいい。

今の状態だと「お菓子を題材にしてる割には、作者さんがそこまでお菓子好きな感じに見えない」という認識が読者に生まれ、

結果この作品におけるお菓子に対する見方に作中と作外で乖離が起きてしまう。

これはもったいない。
お菓子使いも「そのお菓子が好きで使っている」という描写が少なく限定的で、
むしろ「武器として使えるから使ってる」に感じられる。

シリアスなストーリーと並行しつつ1話完結で「お菓子バトル」を押し出して、

自分の使用するお菓子を偏愛してる(または嫌悪してる)登場人物を増やしつつ「お菓子漫画」であることをアピールしてもよかったかもしれない。

とにかくお菓子の存在感はもう一段必要。

世界の見せ方

また、お菓子による大事件が発生するほどお菓子が歴史に影響を及ぼす世界なのだったら、
例えばお菓子を利用した襲撃への対応のために、街に巨大オーブンや巨大包丁を用意して機械的に対応できるようにしてある的な、
その作品の世界で独自に育った面白文明や人々の必死さが見たい。
今のところお菓子関連で生まれた新たな概念はルセットくらい。

このルセットに関してもわりとガバガバなのはまあコメディ要素だとして、
一部の人間がトラウマになるほど恐れられているお菓子に対して結局同じお菓子使いのルセットを立ち上げるくらいしか対策を講じてないのは気になるところ。

コメディ要素が多めとはいえ、設定に関連する世界観はある程度ハッタリをきかせて風呂敷を広げてくれないと、
ノれない読者が出てきやすくなるのはもったいない。

ただ個人的には能力バトルやシリアス方面よりも、後述する作風にシフトしていった方が向いてる気はします。詳しくは後ほど。

・絵は磨く余地あり

ここに関しては多くの人が触れている通り。
個性的な絵、というよりはまだまだ伸びしろがありそうな絵といった感じ。
正直絵で「スムーズに作品に入り込めない」という人は一定数居ると思う。
テイスト自体は小綺麗なのだけど、キャラの身体のパーツの遠近感やサイズ感がコマごとに違ったりするので、
「絵が飛び抜けて上手くなる必要はないけれど、バランスが取れた絵にした方が読みやすくはなる」といった感じ。
とはいえ洗練されるのに時間はかかると思うので、
斬新な構図やデザインで積極的に勝負した方がいい気はします。

・キャラや設定の練り込み

メイン以外のキャラの魅力が見えてこない。
敵のモブキャラお菓子使いが単なるやられ役なのはわかるけど、それが露骨すぎてチュートリアル感がすごい。
絵が“磨く余地あり”というのもあいまって、敵やモブキャラがその話限りの重要でないキャラにしか見えないのでそこまで緊迫感がない。

いっそ敵のならず者をめちゃくちゃ異常者にしてしまうのも手だと思う。そっちの方がギャグもやりやすそう。

メインキャラが少ないのはまあ良し悪しだとして、メインキャラの中でしかストーリーや重要な会話が進行していかないため、
あんまり世界や物語が広がっていく気がしないのも気になるところ。

・セリフやカット割り、話の詰め方

「これこのセリフに1コマ使わずに、前のコマに詰め込んだ方が流れとしてスムーズじゃないか」という場面がちょくちょく見られだした。
間延びして見えてしまう要因だと思う。

タイトにして情報量を適性に詰めれば、もう少しエンジンをかけてスタートを切れた気がしないでもない。

あとカット割も微妙に気になるところが多い。
顔のアップが連続したり、逆にシュールめなギャグ描写を入れたのに余韻となるコマがなく次に進んでしまう。

シュールボケを炸裂させた後はすぐ場面転換するんじゃなくて、その後一コマあえて無言の引きの絵を入れて余韻を作った方がクスリとする笑いも生まれやすい気がする。

コマからコマへの移行が急だったりするので、もうちょっと緩急は欲しい。
例えば4話のアイスクリームで生み出した冷気の道を仁王立ちで追いかけるシーンは、
仁王立ちで追いかけるコマと、その前のコマの間に必ず「絵による説明のコマ」が必要。
例えば腕をガッと組みながら冷気で道をパキパキ作る描写をワンカット入れるだけで、一気に読みやすくなる。
その後のコマの「すごい速さで追ってくる…!仁王立ちで…」というセリフが無ければ、何が起きているのかを理解できない読者も少なくはなかったと思う。
このような場面の説明、補助輪となるコマが少ないのでセリフや登場人物のリアクションで事態を察しないといけない部分がちょくちょくあるのは、もったいない点。

あと急に出てくるトラックは心臓に悪い。

・ギャグは個性

ただそれでも個人的にこの漫画で1番の強みはギャグにあると思う。
お菓子をテーマにした日常ギャグ漫画路線にいくのは手だと思うし実際向いてそう。
ジャンプ読者向きかどうかはわからないけれど。

ジャンプで連載されてる他の漫画のギャグと被ってない切り口なのもあいまって、
「この漫画色々気になるところはあるけどギャグは好きだな」と感じる読者は居ると思う。
アイスクリーム先輩の「いやいけるか?」のくだりや、不良に何回も告白された際の「なんで○回目でその熱量保てるんだよ」など、
ちゃんと笑いを取ろうとするセリフや構成の工夫も見られて、
センスがあってなおかつ作者本人もギャグに向いてる人なのだと思う。

現状はバトルとギャグの二足のわらじ的なバランスにあるので、
もうちょっとギャグに振り切れるか、作画を相当補強して能力バトルを頑張るかのどちらかに進むべき、というのがまず考えられる選択肢。

一朝一夕で作画を補強するのは難しく、そもそもバトル漫画が非常に多いジャンプで生き残っていくにしては作画以外の部分も気になる点が多いので、
実質的にはギャグ路線が最も向いててかつ現実的。

最後に

個人的にはギャグパートはポイントになってくると思います。
あとはやはり作画。
絵の力はやっぱり大きいので、かなりギアを上げて頑張ってもらいたいところ。

最初にも言いましたが応援しています。

がんばれアメノフル。

ではまた。

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