【#女芸人No1決定戦THEW2020】個人的な感想と各組への審査&点数【面白い?面白くない?】

お笑い

みなさんこんにちはこんばんは。
今回は、今年も開かれた女芸人No.1決定戦 theWについて、個人的な審査と感想を載せます。
もはや毎年恒例となったこの記事ですが、今年もお付き合いください。

#女芸人No1決定戦THEW2020

1組目:TEAM BANANA「シンデレラ」

点数:86点
感想:
女性芸人としての武器の一つである「空気の読めない美人dis」を妄言的に進めていく内容。
ただ嫌味なあるあるだけでなく、色々な見せ方をするのでトップバッターから場を盛り上げきりました。
わかりやすい童話ネタも挟んで、盤石のウケ量だったと思います。
特に後半のたたみかける展開は賞レース向けに調整された努力も感じました。

2組目:オダウエダ「誘拐」

点数:91点
感想:
かなり絞った世界観で勝負を仕掛けてきましたが、火がつくまで時間がかかった上、人を選ぶ印象。実際視聴者票はTEAM BANANAに軍配でしたしね。

ただハマってはなかったものの天丼で戦う勇気や、「目玉取れました」からの展開が面白かったので91点。取れた目玉をメリッサに載せて真顔で殴りまくるという場面は初見笑いました。
もしこれで前半からハマっていれば94点とかつけたかったのですが…
敗退はしたものの結構好きです。

3組目:にぼしいわし「うんてい」

点数:84点
感想:
2人のキャラクターの空気感が非常に良かったです。
ただ序盤から緊張もあったのでしょうか?間が詰まり過ぎたのか、声色が弾けきらなかったのか、
特に後半、お客さんの笑いが増幅するまでには至らず。
設定やキャラクター、展開の進め方などは一番好きだったので爆発して欲しかったなぁ。




4組目:紅しょうが「美容師」

点数:90点
感想:
M-1でも準々決勝まで勝ち上がるなど正統派漫才師として実力を伸ばしているコンビです。
オーソドックスなネタを本筋に据えたうえで、
「喉が太いからビールが水のように通る」「いきすぎた自虐は笑えない」など細かいアクセサリーを豊富にしていたため、ライト層だけでなくお笑い通の方からもウケを取っていた印象です。また2人のキャラクターの対比が完成している安定感も見逃せません。

5組目:ターリーターキー「仕事」

点数:80点
感想:
声の緩急の付け方や表情の変化の幅、間の空け方が、
緊張の影響なのか本人たちが本来やりたかった出来とは少し異なっていたのかもしれません。
テーマやセリフ等は面白いので、やはり見せ方がウケ量に影響したのかなぁと。

あと手数自体はそこまで多くないので、笑いが起きる時間(つまり突っ込む時間)をもう少し長く見ていたかったなぁと。
せっかく声質やビジュアルが非常に良いので、
例え突っ込みを取り入れたり身振り手振りをめちゃくちゃにしたりして、
今で言うところのハライチやパーパー的な、ツッコミボケみたいになってくれれば、
より笑いが増幅しやすかったのかなぁと思います。

Aブロックまとめ

個人的な点数はこちら。

91点:オダウエダ
90点:紅しょうが(Aブロック勝ち残り)
86点:TEAM BANANA
84点:にぼしいわし
80点:ターリーターキー

前半を終えて、紅しょうがが勝ち残り。
幅広く、洗練された笑いの取れ方ができる紅しょうがが突破するのは頷けるところ。
オーソドックスなスタイルで笑いを取ることは非常に難しく技量が必要なことなのですが、
正面から笑いの範囲と量、そして質で制圧した紅しょうがには感服します。

システム漫才のような印象点を勝ち取れない以上、地肩の強さがないとできませんからねオーソドックスな漫才は。

他のコンビも、かなり賞レース向けに練ったネタで勝負をしてきているなぁという印象。
お笑いコンテストでは後半のたたみかけ、もしくは天丼での笑いの増幅のどちらかで勝負をかせるというのがベースとなってきているため、
あとは本筋に絡まない細かいアクセサリーをどれだけ自然に揃えられるか、という勝負にもなってくるところでしょうか。

そういう意味ではキャラクター、展開、構成、小ボケ、間合い、緩急、ターゲット層の広さなど、色々と充実していた紅しょうがが盤石の態勢で勝ち上がったのかなと。

あと視聴者票はやはり1票だとバランスが良いですね。
たまに「視聴者が面白いと思って選んだ芸人と芸人審査で食い違ってる!芸人は視聴者を笑わせるもの、ならば視聴者が選んだ芸人が優勝じゃないとおかしいのでは」という意見も見られます。
ただそれをやるとすれば「賞レース」ではなく「人気投票」が適性でしょう。

視聴者投票の場合、オンエアバトルやM-1でも見られる傾向ですが、
「面白さ」だけでなく「人気」や「好感度」といったものが非常に大きく影響します。

「人気者」「ライト層向けのボケが多い」「シュールなボケを多用しない」「好感度が下がらない」ネタを行うコンビはやはり有利であり、
それらをしないコンビや、知名度で劣るコンビはやはり不利です。

要するに視聴者の多数決で選ばれた芸人が必ずしも一番面白いとは限らない、というわけで…
実際、視聴者審査のオンバトでは常に上位のコンビが、芸人・作家審査のM-1では中々結果を残せない、という事態も多くありました。
視聴者の意見は良くも悪くも1票、という現在のバランスは比較的良いのかなと。




あとこれも毎回言われる点ですが、審査員の意見が審査員ごとに違うのは当然です。
1人の審査員が面白さの基準を設定して決め始めるのは非常に危険。
例えば私が「俺は笑いのセンスがあるし、俺の意見が視聴者の総意だ」と言って、「その通りだ」と頷く方がどれほどおられるでしょうか。
「いやいや、お前が1人で何決めてんねん」「お前以外の視聴者の意見も含めて考えないとアンバランスで不公平な結果になるだろ」という話になりますよね。

その上で、少なくとも視聴者よりも笑いに精通している芸人さんが審査を務めるのは自然な流れではあります。

6組目:Aマッソ「漫才」

点数:90点
感想:

発想が凄く好きでした。
特に後半からはお客さんもシステムに慣れて、次は何が来るかというワクワク感もあったかと思います。
M-1やキングオブコントは漫才やコントという縛りがあるため、theWでこのネタを披露するという挑戦の方向性としては良かったのでは。
特にセンスをそのまま笑いに変換できるこのスタイル自体はAマッソに合ってる部分はあると思います。

ただ縛りがないが故に何をどこまで詰め込むのか、という塩梅は作り手側にとってかなり難しそうですね。

個人的にはさらっと流れる「めるる爪いじりだした」コメントが特に好きでした。

7組目:ゆりやんレトリィバァ「某アニメ」

点数:88点
感想:

過去のゆりやんさんの中で一番好きなタイプのネタでした。
この手の「こんな舞台で何してるんだ…」という裏笑いを含んだネタに弱いんですよね。
国民的アニメのモノマネということでライト層にもヒットしやすい設定です。

天丼と忠実な再現により爆発が起きる箇所もありましたが、
ただ他のコンビも大きなウケを取っていたので評価は割れるところ。
前回よりもわかりやすい設定を持ってきたのはゆりやんさんも考えた部分だと思います。

8組目:吉住「審判」

点数:87点
感想:

女審判という設定の着眼点は非常に良かったと思います。女審判の設定を広げていく中で客ウケしやすいボケも一通り並んでおり、
実際早い段階で客席を掴んでいました。

Bブロックは、
Aマッソの発想力、
ゆりやんレトリィバァの裏笑い、
吉住の設定、
という感じでそれぞれ得意な武器が分かれている状態。これは好みにもよるのかなぁと。




9組目:はなしょー「入院」

点数:92点
感想:

個人的にはこれまでの中で一番良かったです。
最初の笑いまでがやや時間がかかったのと(フリの部分なので仕方ないと言えば仕方ない)、
後半やや落ち着いた部分があった点、
そして演技に力が入った結果セリフが通らない箇所が何点かあったのが悔やまれるところ。

ただ賞レースに向けて練り上げたネタというのがよく伝わる出来だったと思います。
技術点ではBブロックの4組の中で1番良かったのでは。

ネタの質という意味では良かったので、もう一つずば抜けた武器が必要ということなのかもしれません。

10組目:ぼる塾「漫才」

点数:82点
感想:

緩さと激しさ、緩急の付け方は良かったと思います。
一方でネタが少し並列的で後半に向けての曲線が描かれない点、かつテーマが比較的オーソドックスな「(毒舌)あるある」と「自虐」で構成されているため、
ネタのチョイス、及びネタのスタイルが賞レース向きではないのかな、とは思いました。

M-1グランプリ2006の時の変ホ長調のように、一定のリズムで同じ色の花火が上がり続けてネタが終わっていった、的な。

既にテレビでも露出が多い3人なだけに、やや背負うものもあったでしょうか。
あの場を彼女らの空気にできるキャラクター性は大きな武器だと思いますので、
来年以降の活躍も楽しみにしたいところ。




Bブロックまとめ

個人的な点数はこちら。

92点:はなしょー
90点:Aマッソ
88点:ゆりやんレトリィバァ
87点:吉住(Bブロック勝ち抜け)
82点:ぼる塾

ピンのコント芸人ゆえに手数が少なくなりがちな吉住さんが勝ち抜いたのは大きなポイント。
これで紅しょうがvs吉住、という最終決戦の対戦カードが決まりました。
コテコテの漫才コンビvs設定が武器のピンのコント芸人、
と面白い構図になったと思います。
果たして勝つのはどちらになるのか。

では最終決戦へ。

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