骨盤臓器脱

最終更新:2026年8月20日

骨盤臓器脱は、骨盤底の筋、筋膜、靱帯が弱くなり、膀胱、子宮、直腸、腟断端などが腟内または腟外へ下降する状態である。[1]

病型と症状

下降する部位により膀胱瘤、直腸瘤、小腸瘤、子宮脱、腟断端脱などに分けられる。無症状の軽度例もあるが、盤圧迫感、腟の膨らみ、排尿排便困難、尿・便失禁、性機能障害を生じることがある。[1]

危険因子

経腟分娩は主要な危険因子で、とくに多産、大きな出生体重鉗子分娩、遷延分娩が骨盤底を損傷し得る。加齢肥満、結合組織疾患、骨盤手術、子宮摘出、慢性咳嗽、便秘、重量物挙上なども関与する。[1]

診断と管理

病歴と骨盤診察を行い、POP-QまたはBaden-Walker分類で部位と重症度を記録する。症状、重症度、本人の目標に応じて、経過観察、骨盤底筋訓練、腟ペッサリー、再建手術または閉鎖手術を選択する。[1]

無症状の場合

骨盤臓器脱は解剖学的な下降があっても無症状のことがあり、臨床的な対応は脱出の程度だけでなく、圧迫感、排尿・排便障害、失禁、性機能への影響など、本人が感じる症状を重視して決める。[1]

治療選択の個別化

保存的治療には骨盤底筋訓練やペッサリーがあり、より重い症状では再建手術や腟閉鎖術などが検討される。どの方法を選ぶかは、脱出している部位、症状の程度、本人の目標などによって異なる。[1]

エビデンス・科学的評価

診察では軽度の下降が多く見つかる一方、腟の膨隆症状を自覚する人は少なく、解剖学的所見と症状は一致しないことがある。治療の必要性は下降の程度だけでなく症状負担と生活上の目標で判断される。[1]

安全性・注意点

排尿障害、膀胱出口閉塞、尿失禁、便失禁などを伴う場合があるため、治療前に関連する骨盤機能を評価する必要がある。手術法は性交継続の希望など個人の目標によって適否が異なる。[1]

参考文献・参考情報

  1. NCBI Bookshelf: Pelvic Organ Prolapse ↩本文

カテゴリ:婦人科 / 症状・疾患

タグ:POP / 骨盤底 / 骨盤臓器脱

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