みなさんこんにちはこんばんはゆきるりです。
今回はM-1グランプリについて。
個人的な総評はリアルタイムで掲載しましたが、そちらはリアルタイムで時間が足りなかったため、ここで補足していきます。
改めて各組のネタの出来や、審査員の点数についても触れていくため、よければお付き合いください。
1組目:ニューヨーク
個人的な点数:85点
M-12019のトップバッターに選ばれたニューヨーク。
トップバッターに向いているコンビと向いていないコンビというのはやはり存在します。
例えば今回の場合はインディアンス辺りは王道でわかりやすい芸風であることから、トップで客席を温める意味でもわかりやすく適性があるでしょう。
そういう意味ではニューヨークは微妙なところですし、
それを踏まえてキャッチーさのある歌ネタでの勝負になったのかもしれませんが、
正直中途半端に終わった感は否めませんでした。
後半出番で、なおかつもっと彼らの「世間を馬鹿にしたような」毒を出していれば、
630点台には届いたのだろうなぁという印象。彼らにとっては残念な結果に終わりました。
毒が足りなかったが故に、屋敷さんの「笑い」も変に目立った所はあったと思います。
ただ滑っていたわけでは断じてありませんし、特に平場でのトークを含めれば、
タレントとしてはかなり結果を出したコンビだと思います。
特にあの敗退時コメントはお見事でした。
2組目:かまいたち
個人的な点数:95点
もうこのコンビに関しては始まる前から最終決戦に進む最有力候補と目される中で、非常に早い段階での出番となりました。
が、もうこのコンビには順番は関係なかったですね。
2番手としては歴代最高の660点、要するに完璧なネタということでしょう。
仮に更に後の出番順になっていた場合、更に高得点をつけやすくなっていたでしょうから、
ミルクボーイと一緒に歴代最高を塗り替えていたかもしれません。
ネタに関しては、個人的に去年まで感じていた「欠点は無いし技術も凄いけど、それ故に粗が無くM-1の最上位陣と比べて目立ったポイントが少ない」という(ものすごく偉そうですが)、
去年までのかまいたちに対する私の感想を一蹴するかのような今年の出来でした。
「技術が上手いけど目立ったポイントがない?じゃあもっと技術を強化して笑わせてやる」的な。
あと単純に今回のネタは過去に何十回と見てきましたが、絶対ウケますよねそりゃ。
このネタをやるということがわかった瞬間、「ああ、これは最終決戦行くな」と確信したほどの強いネタだったので。
そりゃ660点も取るわ、と思いつつ、他のコンビは大変だなー、こんな早い段階でかまいたちという客受け筆頭コンビが出てしまって大会大丈夫かなー、と思っていました。このときは。
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3組目:和牛
個人的な点数:90点
はい、案の定敗者復活を勝ち上がってきた和牛。
今回は客受け的にもネタの出来で言っても、和牛か天竺鼠のどちらかだと思っていたので、
この復活は皆さんも想定していたところでしょう。
不満があるとすれば天竺鼠がベスト4から漏れている点のみです。
さて満を辞して披露されたネタは内見というもの。
ただ正直今年全体で見てもそこまで強いネタではなかったですね…見取り図に負けていてもおかしくない位だったとは思います。
あとここ数年のM-1での和牛は、前半に伏線や展開を詰めて、後半それ一本で一気に爆発させるという傾向にありますが、
たしかにそういうスタイルで前半部分が弱くなるのはわかるんですが、
それでも前半部分をもっとブラッシュアップする事はできるはずで、
もっと序盤からポイントが欲しいなぁというのが正直なところです。
むしろ前半部分だけでもM-1で勝負できるようなネタに仕上がれば、最強の和牛になったのかなぁと。
4組目:すゑひろがりず
個人的な点数:91点
面白い。
まあ相当爆発させないと優勝させてもらえないネタではあるのでしょうが、
正直単純なウケの量は順位以上のものだったと思います。
「漫才としてどうなのか」という意見も見られましたが、
かまいたち和牛の後にこのコンビが高得点を叩き出したからこそ、
「今年のM-1は和牛かまいたちだけじゃないな」と多くの一般視聴者の興味を惹くことになったはず。
中盤ややダレる部分もありましたが、逆にそこさえ詰めれば640〜650点を越え、M-1のイロモノ枠としては初の3位以内も狙えたかもしれません。
5組目:からし蓮根
個人的な点数:86点
点数だけ見るとかなり低めにはなりますが、決して面白くなかった訳ではありません。
最後の人をひいてからのバック覚醒の流れは今大会の瞬間最大風速を記録した場面だと思います。ゲラゲラ笑いました。
とはいえ、かまいたち等と比較した際にボケやツッコミの振れ幅が少なく、やや「テンプレな掛け合い」が多いことが目立ちました。
いわば和牛の「前半」の比率がさらに大きくなったようなネタ。
日常的に行われる舞台などではこちらの方が安定するのでしょうが、
M-1の場合は何か突出した武器を強く見せないと加点が無くなるためそこが響いたかと思われます。
また、トップバッターで最下位のニューヨークとの比較という点もあります。
M-1のトップ出番コンビはどうしても中盤以降の採点インフレや、会場の暖まり方による影響を強く受けるのですが、
その環境下である程度結果を残したニューヨークと比較すると、総合的にそこまでの差はないとの判断です。
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6組目:見取り図
個人的な点数:93点
個人的にもう少し点数が有ってもよかったのでは、というコンビの筆頭。
ウケだけで採点をするわけではありませんが、それにしてもこの日の見取り図は全体を通じてウケていたように思います。
ネタの構成も昨年と比べると非常にM-1用に仕上げてきたことがわかりますし、
ワードセンスも完璧。
噛んだ際の対応も早く、すぐさま元の暖かい空気に戻した点も含め、
この時点ではかまいたちに次ぐ結果を残した、というのが私個人の評価です。
そして誤解されそうなので言っておきたいのが、私は和牛が大好きという点。
しかし、今年のネタの出来やウケ量と比較すると、和牛よりも見取り図の方が洗練されているという印象を受けました。
実は構成もかなり詰められているんですよ、今回の見取り図のネタは。
「嘘紹介+貶し合い+リリー氏の独特な攻撃」のループになっていて、後半に行くほど盛り上がる仕様となっています。
7組目:ミルクボーイ
個人的な点数:99点
今大会の主人公。まさしく完璧な出来でした。
ありそうでなかったスタイルを開発し、それを日本一のレベルまで磨き上げた点も含めて90点台後半の点数を付けられて当然のコンビだったと思います。
個人的には2本目よりも仕上がっていた印象。
8組目:オズワルド
個人的な点数:92点
色々な人が「ミルクボーイの後だから不利だった」という話をしていましたが、私は逆にこの順番だからこそ映えた点もあったと思います。
そしてネタの内容は、過去に出場した東京漫才師のネタをM-1用に調整したかのような素晴らしい出来でした。
つまりローテンポになりすぎず激しくなるところは激しくなり、
また奇をてらいすぎて一般ウケしないボケも採用しない、
おぎやはぎやポイズンガールバンド等、
これまでM-1ではお世辞にも大きな結果を残すことができなかったコンビ達のネタをよりM-1用にカスタマイズしたかのような内容ということですね。
この手の漫才はM-1では不利、という傾向を崩し得るものでした。
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