遊矢
主人公のユウヤくんについて。
まず第1にストーリーが進む中で具体的なステップを踏んで成長して欲しかったです。
「成長した」と言われても具体的にどこが変わったかも説明されませんし前と同じにしか見えなかったので。
また同じ事で何度も悩まないで欲しいところ。
「前も似たようなことで悩んだし解決した気がするけどまた悩むのかよ」と思うこともしばしば。
それなのに作中では周囲のキャラから「すごいな」「成長したなユウヤ」と言われるものだから
視聴者と作品の意識のズレを感じて視聴者側は更に醒めてしまったように感じます。
エンタメデュエルも花火&煽り一辺倒、変わった箇所はローラースケートくらい。
表ではエンタメを演じながらも裏では苦悩し続ける主人公キャラクターなのだから
成長を具体的に描写してくれればそれだけで魅力のあるキャラ(になっていたハズ)なのに、
「説得力」よりも「物語の進行」を優先したあまりキャラクターの魅力が著しく損なわれた例だと思います。
権現坂
前半までは堅物な性格でユウヤにもビシバシ意見もする、しかし友情には厚いという理想的なキャラクターでした。
残念なのは2年目の後半以降。
遊矢を無条件で支持し始めるのはやめてほしいところ。
最初は遊矢をしっかりと叱る事ができたキャラだったはずなのにいつのまにか「ユウヤはこんなに成長したんだ」「弱っているユウヤを狙うとはこの敵は卑怯な人間だ」ということをセリフで表すだけの記号的な存在になってしまいました。
デュエルも敗北&省略のせいでデュエリストとしての魅力も伝わりません。
古参キャラなのだからこそもっと丁寧に描写すべき存在だったはず。
沢渡
権現坂と言いたいことはだいたい同じです。
本来は万丈目のように「ズレてるけどどこか憎めない」キャラになる予定だったのでしょう。
実際最初の頃は「ウザいけど出てくるだけで楽しい」キャラクターでしたし。
しかしストーリー後半以降、描写が極端に記号的なものへと変わります。
幹となるキャラクターが変わったわけではないのですが、日常描写もデュエル描写もおざなりなものになります。
権現坂と沢渡に関しては代わりに他のキャラクターが登場していてもそんなに変わらないというか…
エクシーズ次元編以降は特にそれが顕著です。
思わず「この役、権現坂や沢渡である必要ある?」と問いかけたくなります。
とはいえ権現坂と比べると性格のブレが無い分、キャラとしての魅力は保たれた方でしょう。
月影
文字通りストーリーを都合よく進めるための役。
せっかくランサーズに加わったのだから月影のキャラクター性を掘り下げてくれれば(特にソラとの絡みなど)、
それだけで1話作れそうなものを物語を動かす舞台装置でしかなかったのは悲しいところ。
退場の仕方も中々雑に感じました。一応ランサーズなんだからもっと数話前からクローズアップして劇的に退場させてあげれば良かったのに
黒咲
ネット上での人気が大きく上がったり下がったりしたキャラクター。
クールでミステリアス、仲間の仇を取る熱く危うい一面、そして度々見せるネタ要素と、少なくとも2年目まではARCVの中でも屈指の人気を誇っていたキャラクター。
甘いことを言っていたユウヤに対し厳しい態度を取ったりと、ユウヤを無条件に支持することもなく
この作品の価値観を広げる役割も担っていました。
しかし彼のキャラが崩れだしたのは2年目後半。
クロウとの対戦あたりから既に描写のカットが始まっていたように思います。
そもそもクロウの仲間の子供達を救う一件だけであそこまで和解するのはさすがに唐突な感じがありますし(敵ではない、と認識するだけならまだしも)、
その後シンクロ次元終盤からエクシーズ次元に入るあたりまでは言わずもがな。
「ユウヤは俺の仲間だ」「アクションカードは仲間の力だ」というような謎キャラへと変化を遂げています。
いやユウヤくんとそこまで親しくなった描写もありませんでしたよね
クロウやユウヤとの関わりこそ丁寧に描写を重ねていけば唐突なキャラ変化に感じなかったものの、
いくらなんでも全てが作り手の都合に依存しすぎです。
そしてこのキャラ変化に伴い、もう一つ黒咲さんが抱える問題がふえました。
元々「無言の腹パン」や「短パンで走る黒咲さん」などがネット上で人気を博していたのですが、おそらくこれが作り手側にも伝わったのでしょう。
そういった意図していない笑いのポイントを、意識的に作られるようになったのです。
具体的にはガレキで倒れたりスタンガンで倒れたり、挙げ句の果てにユートとの思い出の代表例として無言の腹パンを挙げる始末。
ストーリーから完全に気持ちが離れている状態でそういう「こういうのが面白いんでしょ?」とネタをぶち込まれても、
「いやそれ以前にもっとキャラクター描写丁寧に掘り下げてよ」と感じるだけなのでやめてほしかったです。
ネタはこちらが勝手に見つけたもので、彼のキャラの根幹はそんな「浅い笑いを提供するだけのキャラ」では無かったはず。
最後はユウヤくんを無条件で支持するだけの存在となってしまいました。
彼こそユウヤくんとの衝突の中で互いを理解し合うというようなデュエルが必要だったように思うのですが。
赤馬零児
2年目の(意味のある)出番不足。ここに尽きます。
後は特にプラスポイントもマイナスポイントもありません。
レイラ
「レイラは戦場で生き抜くために人の感情をうんぬん」と零児に口で設定を説明された悲しきモンスター。
制作側が明らかに持て余していることは良く伝わりましたが、最終的にアークファイブ次元に平和を取り戻すキーキャラクターとなりました。
あの辺はもはやストーリーから完全に気持ちが離れている状態だった上、
「レイラが笑顔になると〜」と多少無理やり「笑顔」と「平和」をこじつけ繋ぐ役になってしまったかわいそうなキャラクターでもあります。
キャラに罪はない。
素良
はい、このキャラクターは本当に惜しい。
「ユウヤの仲間だけどその正体は実はアカデミアで…」という設定。
しかも1年目の最後にユウヤくんとデュエルで決着がつかないまま離れることになってしまう。
こんなの絶対面白くなるに決まってるじゃないですか。
「アカデミアとスタンダードの双方と関わっている己の立場に苦悩しつつ、次にユウヤとデュエルした時に素良くんなりの答えを出すのだろうなぁ」と誰もが思ったはず。
この予想通りじゃなきゃダメ、とはもちろん言いません。
とはいえ再登場していきなり「ユウヤの仲間になりました」というのはさすがに無いでしょう。
だったらこの前のユウヤくんとのデュエルは何だったんですか。
人間をカード化することをハンティングゲームと称して楽しんでいた人間が唐突に「僕はユウヤの仲間だ」とか言いだしても「お、おう」としか反応できません。
描写の無い間に何があったんだよ
仮に改心したとしても、アカデミアに帰ってからシンクロ次元に来るまでに改心するに至った過程を描いてよ
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