【ネタバレ注意】劇場版 #名探偵コナン「#緋色の弾丸」の個人的感想…ネットでは「面白い」「微妙」「ひどい」と分かれる結果に【小五郎?赤井さん?】

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※記事内容につきましては、作品に触れた個人の主観に基づく感想・考察になります。

みなさんこんにちはこんばんは。
今回は緋色の弾丸を鑑賞した感想について。

緋色の弾丸

良かった点とそうでなかった点、それぞれを見ていきます。
ネタバレを含む点もあります、ご注意ください。

感想に移る前に、私のこの作品に対する感想は「観終わって楽しかった!ただ気になるところも色々ある」という感じ。
コナンが大好きな私としては無条件で好き、なのは大前提として、
ただやはり劇場版の各作品にはクオリティの優劣はあると思っています。
で、その中でも本作は色々な要素から評価にブレが生まれやすいのではないかなぁと。

私はまだ一度しか本作を見ていないので細かいところが違うかもしれません。
ご了承ください。

はい、まずは良かった点!

良かった点

リニアを舞台に

リニアを舞台に使ったのは面白い発想だと思いました。
実際リニアであることを存分に活かしており、これは本作の強みだと思います。

赤井さんの精密な狙撃(銀の弾丸)も、リニア関連の理屈によるうまいハッタリもあって、しっかり「赤井さんすごい」になりました。

後述することにも繋がりますが、
活躍キャラを絞って赤井さん(&羽田さん)映画に特化してもよかったんじゃないかなぁと。

OP

あとOPでの赤井一家の詰め込み方!
これはコナン映画のOPファンである私としても歴代最高クラスに詰め込まれていてびっくりしました。

「コナンに詳しくない一般客に対して赤井一家の紹介どうするんだろ…って普通にめちゃくちゃ詰め込むんかい!」的な。

でもあれが多分正解で、
これをすることによって鑑賞前に赤井一家を知らずに怯えていた全国のお客さんを少し安堵させたところだと思います。
「なるほど、この4人を覚えておけばいいのね!」的な。
あれだけ詰め込んだことで、お客さんも前のめりになった人が少なくないのでは。

灰原さんと園子

そして灰原さんの活躍の比重が大きかったのは個人的に嬉しいポイント。
私個人が灰原さんが好き、ということもあるのですが、
「劇場版でスポットライトを当てられているキャラクター(今回の場合は赤井一家)」以外のメインキャラにしっかり活躍の描写があると安心しますね。

あと園子が可愛い。
個人的には紺青の拳の時よりも可愛いと感じました。

犯人の慟哭

犯人については色々と言いたいことがありますがその前に、
ラスト犯人が慟哭する場面があるのですが、ここで電車の音が被るのは一歩引いて事態を見ることが出来る良い演出。

「赤井一家」だけでなくFBIにも見せ場が用意されていたことも、あの場面に関して良かったところだと思います。




五輪とのリンク

あと五輪とのリンク!
これはリアルの方がコロナはじめ色々な課題で五輪がわたわたしているものの、
現実における五輪とリンクさせつつ、本来ならもっと盛り上がることができた部分でしょうし、
そういう意味ではナイスチャレンジだと思います。
活躍キャラの多さともあわさり、“お祭り感”のある作品になったことは確か。
物語全般、基本的にポップに進むのでパッケージが楽しいお祭り作品としておすすめです。

パラシュート

あとパラシュートの伏線。
あれ自体は登場時点で誰もが「ああ、この後このパラシュートが何らかの意味を持つんだろうな」と思ったでしょうが、
群像劇やら謎やらでかなり寝かせた後のアクションシーンであれが出てきたのは良かった点。
他の人はどうかはわかりませんが、私は「なるほど!」となりました。

このパラシュートは、
登場時点ではとあるキャラクターの性格を示すアイテムとして、
次に登場した時はアクションシーンでのキーアイテムとして、
担う役割が変わってくるのは伏線として工夫した点だと思います。

テーマ曲

はい、そしてテーマ曲がいい。これ重要。
ショップでCD買って帰りました。

では続いては「色々言いたいこと」へ。
先に言っておきますが、私はコナン映画が大好きです。
その上で気になった箇所をあげていきます。

気になった点

色々と分散した印象

まず今回の作品は場面がかなりあっちこっち転換していた印象。
「今は施設内シーン!」「次は屋外シーン!」「次はリニア内シーン!」的な感じで、いわゆる群像劇的な描かれ方がしていましたね。
これ自体がまずいわけではなくて、ただ私なりに思った点としては、
群像劇にしては、個々のストーリーに引き込むパワーに少し欠けるのかなぁと感じました。

群像劇なら群像劇で、それぞれのシーンが独立して一本の作品に昇華できるくらいにもうちょっとブラッシュアップできたんじゃないかなぁという。
「群像劇だから」各シーンが弱くていいわけではないかなと。

ラブコメパート

例えばラブコメパート、羽田さんとその彼女さんがきゃっきゃしていたのですが、
私としては見ている間「これ、こんなに長い尺使う必要ある?」という思考が巡っていました。

ラブコメがだめ、とは言いません。
ただ日常パートにしてもかなりテンプレの、停滞した日常ラブコメ描写が続くので、
私からするとちょっと平板な感じに受け取ってしまうわけです。
事件パートの合間に挟まれるのですが、実際このパートは箸休め以上でも以下でも無いように感じられました。

ラブコメパートはシリアスな空気の中でも出来るし、実際コナン映画ではこれまでそれをやってきているのだから、
例えば羽田さんや彼女さんが事件に何らかの形で巻き込まれるなりして、
そこからピンチの時に羽田さんがプロポーズに近い言葉とともに卓越した頭脳を発揮して彼女を助ける、というような
ラブコメならラブコメなりの盛り上げポイントは作れたんじゃないかなぁと。

で、実際のラブコメパート中に何を考えるかというと、ラブコメ自体は特に動きも見られないので、
「ああ、わざわざこのパートを入れるってことは、前情報通りどこかで他の赤井一家と集結して、事件に関わっていくんだろうなぁ」とメタ視点から映画の構造を考え出すようになるわけです。

その後、やはり他の赤井一家と羽田さんが合流するので、見ている私は
「まあ合流するよな、そのための群像劇だもんな」と驚きが少ない状態で見続ける結果になるわけですね。
群像劇モノの面白みの一つである、「他のストーリーと交差するところでアガる!」というテンションが薄れてしまう。これは非常にもったいないことだと思います。

たしかに赤井一家が集結するのは鑑賞前からある程度事前に予測できることです。
しかしだからこそ、鑑賞中その点をメタ的に考える暇がないくらい物語に起伏を作ることで、「ああ、ここでこういう形で合流するのかぁ!!」という工夫は必要なことかなぁと感じました。
正直赤井さんと羽田さんの合流の仕方は「んん?」と思ったところではありました。




また、コナンにそこまで明るくない多くのお客さん、いわば「劇場版だけは観に行く層」からすると
「羽田さん」自体にそこまで思い入れはないのも一つポイント。

羽田さんの恋愛だけで物語の一つの枝を牽引していくのは少しパワー不足だったかもしれません。
一般のお客さんに羽田さんという存在の違和感を潰すためにも、
羽田さんが事件に巻き込まれて活躍する描写は序盤に必要だったかなぁと思います。

あるいは前作までに羽田さんをちょい出ししておいて、
認知させておくというのも重要だったかとしれません。

事件パート

事件は事件で色々気になるところはありました。
謎関連の内容に関して触れるとストーリーのネタバレになるので言いません。はい。

ただ後述するように活躍キャラが多く描写が分散されるために、各キャラの掘り下げがやや少ないのは気になる点。
昨今のコナン映画は特にキャラクターに比重を置いた作品が多いためその方向で舵をとるのであれば、
特に赤井さんの活躍パートが少ない(他のキャラに出番が分散されているなどの理由から)のは気になるところ。

また、から紅での平次の「殺すぞ」や安室さんの「この国さ」のような、
いききった演出とぶっ飛んだ台詞回しにより生み出される、
無条件でアガるような“信念”演出は赤井さんにも欲しかったところ。
これがあるだけでキャラクターの魅力の底上げにもなったと思うのですが、
活躍キャラの多さ的に難しかったでしょうか。

銀の弾丸による精密狙撃というところも含めてやっぱり赤井さんがこの作品の顔であることは間違いないと思うので、
後半パートにもうひと狙撃&赤井さんの人間性を表す見せ場があっても良かったかもしれません。

活躍キャラの多さ

活躍キャラが「コナンくん+灰原さん+赤井一家+FBI(+少年探偵団パートも)」とかなり多く描写も分散した印象。
正直「羽田さんとメアリー世良いる?」と思いながら見てました。
特にメアリー世良。
関係性の深まりのようなものもそこまで感じられる展開ではなかったので、そういう部分の淡白さもあったかもしれません。

羽田さんの頭脳凄い描写も最後の最後まで出ないので(それまでは「将棋の六冠王」などがセリフで触れられる程度)、
羽田さんを知らない一般観客は、記号的な頭の良さだけが魅力として示されたまま、
「(中盤までは)乗り切れないなぁ」と感じるリスクを不要に生んでいたかもしれません。

序盤に「六冠王」とかのセリフだけじゃなくて、
羽田さんが卓越した頭脳を見せつける描写なんかがあると、
終盤の活躍の唐突感も無くなって、かつ恋愛パートでの緩い羽田さんとのギャップも生まれてよかったのかなぁと。




頭脳描写

本作で特に残念だったのは犯人が舞台装置になってしまっている点。
例えばリニア内で犯人を特定の位置に誘導するシーン、
コナンくんが「○○さん(犯人が恨んで殺そうとしているキャラ)は射撃の名手だよ」と言って、
○○さんの言うことを犯人に聞かせるくだりがあったのですが…

いや、犯人、もっと相手の言うことを疑えよ!!!
疑わなくても、自分が恨み続けていた○○さんの言うことを鵜呑みにしてすぐ後ずさろうとするなよ!!!
で、コナンくんあらかじめあの場所に誘導させる必要がある計画を把握してるなら、もうちょい確実な誘導の仕方準備してよ!!!
もっと言えば赤井さんの弾丸が何も知らない世良ちゃんに命中してた可能性すらあるよ!!!

あの場面に関しては犯人も感情が昂って、○○さんのいうことやコナンくんの発言を間に受け続けたのかもしれませんが、
じゃああの作戦がうまくいったのは犯人の感情がたかぶったから、ということになって(そもそも口車を挑発と捉えて逆上しながら乱射してくる可能性もあった状況なので)、
「コナンくん頭いい!」というよりは「犯人の行動があれで良かったなぁ」という感想になってしまう。
これは非常にもったいないところ。

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