【M-1グランプリ2020】決勝戦の全ネタ、個人的な感想&審査 #M1グランプリ #M1グランプリ2020

お笑い

みなさんこんにちはこんばんは。
今回はM-1グランプリについて!

一夜明けての総評

いやー本当に大興奮しました。
全組面白かったと思います。
今年は特に、ネタの途中で噛んだり、トチりかけたりするコンビが多く、ヒヤヒヤする時間が歴代と比較しても長かったのですが、
それでもあれだけ面白いコンビがたくさん出てくるのは見ていて楽しいところでした。
スタイルが全員違うので視聴者の方も意見は分かれやすいでしょうが、
そうなるとやはり審査員の方の意見というのが尊重されるべきで、結果は異論のないものだと思います。

では1組ずつ振り返っていきます。

インディアンス

個人的な点数:88点

多くの審査員の方が触れた通り、去年よりも良かったです。
インディアンスはハマる層とそうでない層に分かれやすいスタイルだと思いますが、
あの楽しそうにネタをしている姿というのは、
「そうでない層」も見ていて笑いやすくなる土壌を作ったと思います。
去年の「ノンストップ」なインディアンスと比べると、よりファン層を広げるような、楽しいネタでした。

順位はたしかに低めでしたが、ネタを貫き通し去年のリベンジは果たしたのかなと思います。
個人的には、決勝でネタを一本悔いなくやってほしいコンビのうちのひと組だったので、
かつ彼ら向きであるトップバッターで番組を盛り上げる役割も果たしてくれたと思います。

面白いし楽しい、インディアンスここにありというネタでした。

東京ホテイソン

個人的な点数:90点

私は結構好きなタイプで面白かったんですよね。
ワード選びとツッコミの発声が本当に秀逸。
あれだけフリに時間を割いて、きっちりその分の笑いを回収できるのは凄い度胸だと思います。
あのスタイルを楽しませ続ける展開上の工夫もありました。

もっと間を詰めて戦ってもよかったのかなぁというのはありましたが、それも結果論。
本人たちは不服かもしれませんが今回は顔見せ、次が勝負と割り切って勝負してもらいたいと思います。

個人的に驚いたのはあの落ち着き様。
準決勝・準々決勝で散々見てきたのですが、決勝でもあれだけ落ち着いて戦えるとは本当に凄いルーキーだなぁと思います。
今後に大期待。

ニューヨーク

個人的な点数:93点

面白かったです!
尖ったテーマを転がして笑いを取るのはめちゃくちゃ繊細な作業で、
少しでもラインを超えると途端に笑えない内容になってしまうのですが、
物凄く慎重にネタ作りを進めていったのだと思います。
2人のセンスと苦労を感じるネタ運びだったなぁと。

ただ序盤で少し言葉を前後させてしまったりといった緊張が、ちょっとお客さんに伝わってしまったのはあったかもしれません。M-1の怖いところです。

しかしあれだけの高得点。
あのテーマをいじらせたらニューヨークの右に出るものは中々いないですし、
塙さんの言うように実は時事ネタ漫才で何度も戦えるスタイルにもなっているのは大きな発見。
マヂカルラブリーさんやインディアンスさん同様、下位に沈んだ組が今年躍進するという姿を見れて私は非常に幸せです。

見取り図

個人的な点数:94点(1本目)、95点(2本目)

ここの組はポスト和牛、ポストスーパーマラドーナ、とも言いましょうか、
本当にM-1のために仕上げ切ったネタを見せてくれます。

単にボケやツッコミを詰め込むだけではなく彼ららしい、伏線の回収や独特のワードを効果的に発動していました。
私の様な素人にも伝わるくらいの、裏での努力の凄まじさ。

特にワードと動きのバランスは物凄く研究したのだと思います。
M-1用にとにかく調整に調整を繰り返した結果。
今大会の出場者の中で最もステータスが万能に近いコンビだったのではないでしょうか。

最終決戦のネタも、本当に優勝してもおかしくないくらいの素晴らしい出来でした。
面白かったなぁ。

おいでやすこが

個人的な点数:96点(1本目)、95点(2本目)

あの緊張した場に同調した者ほど、色々な笑いを見てきた者ほど、あのシンプルで強いツッコミにハマるというのはあると思います。
特に2018年もこの傾向がありましたが、場が少し停滞したり緊張感が充満している状況では、ミキ然り霜降り明星然り、ツッコミが強いコンビがより輝くんですよね。

もちろんおいでやすこがさんのネタの内容も見事。
この手のうるさいネタというのは本来好き嫌いが半々くらいに分かれるような印象を受けますが、
彼らの「いききったツッコミ」と、実は巧妙な構成で、
本来うるさいネタで笑わない層をも一部取り込むほど、パワフルな漫才でした。

歌を取り込んではいたものの、合間の掛け合いもあり、きちんとしゃべくり漫才をベースにはしてあるんですよね。
彼らの漫才へのリスペクトであり、そして漫才という場で戦おうという勇気が見えます。

マヂカルラブリー

個人的な点数:94点(1本目)、98点(2本目)

1本目は、M-1ファンまたはマヂカルラブリーファンであればもはや展開を暗記しているレベルに見てきたネタでしたが、
ここ1番の勝負で持ってきましたね。
登場シーンを掴みとして使ったのは3年前と変わらず、なんなら紹介VTRの上沼さんとのシーンが映った時点で掴んでいたと思います。

そして優勝を決めた2本目、今田さんはじめ多くの審査員がツボっていました。
王道のコント漫才できましたが、
2008年のオードリーの2本目や、2018年の霜降り明星、2019年のニューヨーク、2020年キングオブコントのニューヨークの1本目、2008から2009年のナイツと笑わせ方の大きな構造としては同じ、
「突っ込まれても意に介さずボケを止めない、そのまま突っ切っていく」という戦い方。

これが賞レースの場でハマるととにかく強い。
「ボケが止まろうとせず進んでいく」という事態そのものにワクワクし、さらに笑ってしまうからです。

ただハマらせるのは物凄く難しい諸刃の剣、
それでもマヂカルラブリーさんが優勝するほど爆笑をかっさらえたのはいくつかの要因があります。

まずは野田さんが声を出すポイントをかなり絞った点。
声を出さないことで笑いを取るというのは非常に難しいこと。例えばあのネタで簡単に笑いを取りたい場合、適当な悲鳴でもあげておけば、ゆるい笑いのツボの人は笑うかもしれません。

ただそれをすれば、それ以上の笑いは取りづらくなります。適当な声を発して笑いを取るのは「ベロベロバー」と同じ、しっかりお笑いを見てきた人からすると少し醒めてしまいますし、
村上さんのツッコミも入りづらくなります。

より笑いを取るために、観客の視線を野田さんの動きと村上さんのツッコミに集中させた。
これは物凄くリスキーで、そして自分たちが培ってきた技術が生半可なものではないと信じれたからこそ出来たこと。

そして村上さんのツッコミも冴え渡っていた点も要因のひとつ。
一本目の序盤は少し緊張もありましたが、
ツッコミのトーンとタイミングは完璧。
2本目は特に「動き」に意識が向きがちですが、やはり村上さんのあのツッコミがあってこそ。

2本目の様にボケの進行にツッコミが淡々と突っ込んでいくスタイルは、タイミングが少しずれるとそれだけで笑いが目減りします。
同様のスタイルとして例に挙げたニューヨークさんや霜降り明星さん、ナイツさんのように、
村上さんも完璧なタイミングでツッコミ続けた結果のマヂカルラブリー優勝だったと思います。
まさしく漫才における技術の勝利、本当におめでとうございます。

オズワルド

個人的な点数:92点

今回のネタは前回よりもさらにM-1用に調整されたものでしたね。
賞レースでの経験も踏まえて、より強くたくましくなった東京スタイルの最新版といった感じ。

審査員コメントでは、
しっとりした展開を見たい松本さんと、もう少し声を張ってもよいのでは、という巨人さんで意見が分かれたように見えますが、
私としてはこれらを両立できるとさらに強くなるのかなと。

つまり松本さんの言うように、少ししっとりした部分を見せつつ、激しい部分ではさらに強く盛り上げる、という展開ですね。

盛り上がっていく漫才が多い中で、間や静かさを笑いに昇華できるのはオズワルドの武器で、
強弱の激しさがより面白い形で浮き彫りになると、もっと点数が上がるのかなと思いました。

まだまだ若いにも関わらず当たり前のように決勝に上がってきて、さらに進化の可能性が秘められていると言う、
凄まじいコンビだと思います。応援しています。

アキナ

個人的な点数:86点

他のコンビが色々と激しい展開や武器を見せていくなかで、アキナさんの技巧派としての強みが少し地味に映った部分はあったかもしれません。
そういう意味ではたしかに順番の不利はあったところ。

とにかく上手いんですよね。
他の人たちが色々雑な部分も含めて漫才をしている中で、
めちゃくちゃ洗練されたドラマを一本演じている雰囲気。
当たり前のように見ていられるため、M-1を見ている感覚ではなくしてしまうような。

表情の変化、豊かな発声、身振り手振り、展開の自然さ、
とにかく持ち得るスキルを磨き上げてきたのだと思います。
技術力は抜群、安定して面白いので、さらに欲を言えば「今度はもっと突き抜けるアキナさんが見たい」というのが私の感想です。
とても応援しています。

錦鯉

個人的な点数:95点

はい、これが1番シンプルに面白かったと思います。
物凄く多くの人に受け入れられやすいスタイルなのは強みですよね。
年齢や経験による深みを感じさせるため、このテイストの芸風が苦手と感じる人をも惹きつける迫力も実はあるというか。

シンプルな笑いではあるものの、「つまらないギャグ」を完全にフリとして、何度も天丼として見せる確かな構成力、
そしてそれらをおじさんたちが全力でやっているところも含めて、
色々な面白がり方があったと思います。

私は今年の優勝予想に錦鯉さんを入れていましたが、
実際ネタの最初から最後までまんべんなく笑いを取り続けたのは本当に実力の賜物だと思います。

松本さんが言われたようにこれからはバラエティにも飛び出していくお二人だと思いますが、
M-1の舞台でも変わらず見たいなぁというのが私の正直な感想です。

ウエストランド

個人的な点数:89点

松本さんの指摘したことと重なるのですが自虐以外の「笑いの柱」も見たかったなぁと。
裏を返せば実はこのコンビは1番展開に頼ることなく、弁舌で笑いを取っているんですよね。
これめちゃくちゃ凄いことで、特別な展開やパワーワードに依存せずに、
言葉とその強弱で笑いを取る、物凄くレベルが高いことをしていると思います。

ここにさらに別の「柱」が加われば優勝候補にも名乗りをあげる存在となるのでは。
多少停滞した空気でも個人のパワーで吹き飛ばすことができるスタイルも大きな強みだと思います。

というわけで個人的な採点はこちら。

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