みなさんこんにちはこんばんは。
今回は
「なぜ賞レースでは手数の多いネタが有利」
「ネタが後半に進むにつれて盛り上がる方が良い」という2つのテーマについての考察。というか結論について。
まずは「なぜ賞レースでは手数の多いネタが有利なのか」について。
手数の多いネタ
手数の多いネタというのはつまり笑いどころが多い、ボケやツッコミが詰め込まれているいわゆる「高速漫才」のことです。
この高速漫才はM-1グランプリがメジャーになるにつれて高い評価を得ており、近年の漫才賞レースでは特にその傾向が顕著です。
ではなぜ手数の多いネタが賞レースでは有利なのか?
根本から考えていきましょう。
賞レースの審査員の立場になって考えてみるとわかりやすいかもしれません、
私たちが審査員になったら一体何を審査すればいいのでしょうか?
構成や演技力?
ネタのセンスや独自性?
もちろんそれらはとても重要です。
そしてそこに追加するならば、「笑いの量」です。
お笑いのコンテストにおいて笑いが多いのは当然評価の対象です。
「①客席からあがる笑い声が少ないコンビ」と、「②客席からあがる笑い声が多いコンビ」のどちらに高い点を与えるかと聞かれると、
よほど自分のツボにハマらなかった、といったことがない限り後者である②により高い点を与えるでしょう。
笑いをとった回数の多いコンビに低い得点はつけにくい
もちろん自分の感性を信じ「よくウケていたけど自分的にこのネタはイマイチ」として点数を低くする審査員も中にはいるかもしれません。
…が、仮にそう思ったとしても客席が受け入れているものを自分ひとりだけが低い得点を付けるのはかなりの勇気が必要です。
「本当は75点くらいまで低くしたいけど客が受け入れてるし80点くらいにしておくか」と本来感じた点数をつけることを諦め妥協するケースもあるでしょう。
更にここはある意味仕方ない点なのですが、「周りの人が笑っているから面白く見える」という感性も関係があるでしょう。
バラエティ番組などでもスタッフやお客さんの笑い声が多いとそれだけ「この番組は盛り上がっている」と感じたり、面白く感じることもありますよね。
手数が多いネタというのはそれだけ「面白そうにみえる」「盛り上がっているようにみえる」ネタでもあるわけです。
手数を増やす
では次は芸人の気持ちになって考えてみましょう。
評価を得るために、笑いをより多く取ろうとするにはどうすればいいでしょうか?
単純明快、ボケとツッコミを増やせばいいのです。
「手数が多いコンビは全員爆笑を取る」という極論を言いたいわけではありませんが、
それでも手数の少ないコンビと比べると、笑いを取れる確率は詰め込んだボケとツッコミの数だけ当然上がります。
後半に盛り上がるネタはなぜ有利?
でほ次になぜ「後半に盛り上がっていくネタの方が有利」なのでしょうか?
理由は簡単、印象度がまるで違うからです。
例えばネタの前半に大きな笑いがあったとしても、
後半に笑いがあまりなければ見ている私たちは「前半面白かったけど、後半はあんまりだったなぁ」との印象を受けます。
最近でいえばM-12018のスーパーマラドーナが典型的でしょう。前半のあの盛り上がりが後半にあれば、印象はだいぶ違ったはずです。
一方で、ネタの前半にあまり笑いがなくても、後半に笑いが多ければ見終えた後に「面白かった」「盛り上がったなぁ」という印象を受けます。
さらに「後半の盛り上がりのためにあえて前半は溜めたんだな」と解釈してもらえる事もあります。
近年でいえば和牛が良い例でしょう、もちろんあちらは意図的に後半に盛り上がりが来るよう構成を工夫していますが。
同じ笑いの量でも、盛り上がるポイントをどこに設定するかによって
ネタを見た後の感想がかなり変わってくる、というわけです。
というわけで今回はこの辺りで記事を締めます。
それではまた次回お会いしましょう、さようなら。
コメント