【かっこいい?変わった?】「進撃の巨人」のフロック・フォルスターが好き過ぎるので語ってみる【嫌い?うざい?なんj?】

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※記事内容につきましては、作品に触れた個人の主観に基づく感想・考察になります。

フロック・フォルスター

進撃の巨人で特に好きなキャラは2人いて、
1人はベルトルト、そしてもう1人がフロックです。

フロックは賛否がハッキリ分かれるキャラだと思います。
好きな人は好きだし、嫌いな人は嫌い。

理由は明快で、
公私の“私”の部分が見えないことによる、共感のしづらさ」だと思います。

獣の巨人による投石辺りまではまだ彼の素の部分が見える場面がありますが、
作品後半では使命感や合理性以外の部分が見えなくなっていき、“キャラとしての魅力を感じづらい”と感じる読者が増えたのだと思います。

また、「彼の思想や言動が強硬で極端に見える」ということも賛否が分かれる要因の一つとしてあります。
もし「投石で命を落としたみんなのためにも…」とか考えるような描写が挟まれたりしていれば、
思想は共感できないけど、フロックも頑張ってるよな”的な感じで、
フロックに対する読者の感情はもっとマイルドだったと思います。

やはり、公私の“私”が消えていったことが、読者からの評価がはっきり分かれる1番の要因でしょう。

なぜ公私の“私”が消えていったのか?

彼が意識的に“私”を消していったのもあると思いますし、
無意識に消えていったのもあると思います。

ではなぜ“私”が消えていったのかと言うと、それは物語中盤に起きたいくつかの出来事をきっかけだと思われます。
その出来事とは、「投石」と「囮作戦」、そして「注射」。

これらの出来事に関してはぜひ物語を読み返すなりして確認していただきたいのですが、
フロックの運命はこの3つの出来事を中心に大きく変化したと思います。

獣の巨人による投石で強い恐怖と無力感を味わい、
その後さらに自分1人だけ生き延びてしまったことで孤独感と絶望感にも襲われてしまう。

マルロ達の犠牲の意味を彼1人で背負うことにもなってしまった、というのも大きなポイント。

囮作戦の直前、エルヴィンが話した「彼らの犠牲は無駄だったのか?」「いいや違う、我々はここで命を落とし、次の生者に意味を託す」という言葉も影響しているのかもしれません。

彼らの犠牲に意味を持たせるためか、
あるいは、生き延びてしまった自分自身を肯定するための理由を求めてか、
それともその両方なのか…

ともかく、フロックは自分1人だけ生き延びてしまったその瞬間から
投石の犠牲者全員の為の生き方”に徹するようになっていったのだろうなぁと思います。

また、その後のフロックの合理的かつ極端とも言える言動。
これには、エルヴィンが指揮した囮作戦の影響もあるような気がします。

「最終的に獣の巨人という目標を突破するためなら、指揮官である自分自身(エルヴィン)ですら捨て駒になる」という特攻作戦に参加したことで、
目的のためなら自己犠牲さえ厭わない”という思想・信条が当たり前のように根付いたのかもしれません。

公私の“私”が消えた結果彼に何が残ったのかというと、
あるのは強い目的意識と、徹底的な合理主義

「島のみんなが生き残るために悪魔が必要」という考え一点で、そのために行動し続けているフロック。
組織を引っ張るのも、それが目標達成のために必要だからやっているだけで、
組織のてっぺんに立ちたいから立っているのではない。

だからこそ、リスクの高い最前線で戦い続け、死の間際ですら自分のことは一切語らず、島のことを案じていました。

フロックの自己認識

当時の描写から、フロックは自分のことを「ただの雑魚」「使い捨てるしか使い道がない」と認識しています。
しかしそんな自分が、エルヴィンやマルロ達を差し置いておめおめと生き残ってしまった。

投石以降のフロックは、自己評価が一貫して高くないキャラだと思います。
決して自分の能力や存在を高く見積もることはしていない。
というか、自分への興味さえ完全に失われてしまっている感じがします。
全く自分を語らない。

投石の時点で価値観は均され、彼の中では美味しい食べ物も権力も色々な感情も、全て等しい価値として感じるようになっていった。
必要なのは島を守ること、そしてそのための悪魔のみ。

もし投石の際にフロック以外にも生き残りがいれば、彼1人で十字架を背負う必要もなく、辛い時には104期のように励まし合うこともできたかもしれません。

モブキャラからメインキャラへ

元々は“駐屯兵団崩れ” として調査兵団入りしたフロックは、実践的な能力も思考も何も持ち合わせてはいませんでした。

また、エレン達と同じ訓練所育ちかはわかりませんが、主人公勢達とはそれほど深い仲ではなく、
互いに一定の距離を取るような会話に見えました。

能力も経験も無ければ主人公達との関係性も薄い、
なんなら名前すら明かされないまま物語が進んでいく、単なるモブキャラです。

リヴァイやハンジ、エレン達メインキャラ以外の“唯一の生き残り”という段階まで話が進んだ時点で初めて、フロックという名前が明かされたのでした。

モブキャラからメインキャラへ転身するようなキャラは他作品にもいるでしょうが、こういうキャラはその過程も含めて面白いと感じます。

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