【死の組ではない?毎回?】日本の入ったグループEは「死のグループ」なのか【スペイン、ドイツ】

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“死の組”“死のグループ”とは

まずここで【死の組】という言葉について、なぜ話題となっているかを見ていく。
2022W杯、日本が入ったグループEには、優勝候補と呼ばれる国が2つも入っている。スペインとドイツのことだ。
そしてこの状況を指して、「日本は死の組に入った!」とよく叫ばれる。確かに日本にとっては価値抜けが非常に厳しいことが予想される組だ。スペインかドイツ、どちらかに引き分け以上の結果を出すことが決勝T進出における最低条件。

現在の日本はアジアでは優れた結果を出しているが、そもそもアジアの国が第2ポットにすら入れていないことからもわかるとおり、いわゆる“世界”と呼ばれる国々との差は大きい。
それでも過去6回の参加のうち決勝トーナメントに3度進出しているため、全く波乱が無いというわけではない。
“何が起こるかわからない一発勝負”──────記憶に新しい2018 W杯のコロンビア戦やベルギー戦で、そのことは十分日本人の記憶にも刻み込まれたはずだ。

そういう意味ではスペインやドイツを相手に勝ち抜けの目も全くない訳ではないのだが、
しかしそういった波乱に期待しなければならないほど、グループリーグ敗退が濃厚な組での挑戦となった。

ただ“死の組”と呼ばれるのが妥当かどうか、という点については議論を呼ぶところ。
過去に“死の組”と呼ばれたケースの多くは、有力国が3カ国同じグループに集まってしまった場合だ。優勝候補と呼ばれた国ですらグループリーグ勝ち抜けの2つの椅子に入る計算が出来ない、
他のグループ以上にハイレベルで熾烈な争いが予想される組ということである。

一方で今回日本が入ったグループEはどうか。
既存の“死の組”の条件を満たすには、スペインとドイツ以外にもう一国、強国を食いかねないパワーをもつ国が存在する必要がある。
日本に関しては、決勝トーナメント進出の経験もあるものの、それでもまだ強国にとっての大きな脅威とは言い難い。
大陸間プレーオフを戦うニュージーランドとコスタリカも同様だろう。
このグループ分けが決まってから最もよく言われるのはこんな指摘である。
「【死の組】ではなく【二強二弱】だ」───────

そもそも日本がポット3に入っている以上、日本より格上のポット1・ポット2と戦うことは抽選以前から確定していることでもある。
開催国のカタールは同じ地域枠として日本と同じグループには共存出来ないため、
“格上と二戦やる”ことは回避できないわけだ。

これらの理由から、
「死の組と呼ぶのは妥当ではない」
「そもそも格上の国と2戦やるのは確定してるわけで、グループEだけが特別なわけじゃない」という声がよく上がっている。

それでも“死の組”と呼ぶ理由

ただ、“死の組”と呼びたくなる気持ちもわかる。
日本やニュージーランド、コスタリカからするとグループEは紛れもなく“死の組”だ。
なんなら日本・ニュージーランド・コスタリカからすると同じ“二弱”相手に取りこぼすわけにはいかないため、
“二弱”同士の対戦も壮絶な内容になる可能性すらある。

また「ポット1・ポット2の国と当たるのはそもそも確定している」のはそれはそうなのだが、
それでもやはりポット2の国の中でも特に強力すぎる国を引いてしまった、というのはあるだろう。
スペイン・ドイツと同組…思わず“死の組”という言葉が口をついて出てしまう気持ちもよくわかる。

また、中には
“グループEは単なる二強二弱ではない。弱小国による波乱が起こる可能性のある死の組だ”
と予想する人もいる。
「いやいや、弱小国による波乱の可能性まで含めるなら、グループEに限らずどんなグループでも死の組って呼べちゃうじゃん」
という否定の声も上がるかもしれない。
ただ、日本はその“波乱”を起こす確率が他の弱小国よりも高めである、というのは一つ考慮する点だろう。

日本の決勝トーナメント進出率(50%)はそのまま、これまでグループリーグを5割の確率で突破してきた、ということの証明でもある。

同じアジア勢と比較してみても、日本のグループリーグ突破回数が6回中3回なのに対して、
韓国は10回中2回、イランは5回中0回、オーストラリアは5回中1回、サウジアラビアは5回中1回。
同じ“二弱”と呼ばれるコスタリカは5回中2回、ニュージーランドは2回中0回。

もちろん過去の数字だけで語れることではないが、全くのまぐれだけで積み重ねられる数字でも無い。
少なくともグループリーグ突破に関しては日本は、“弱小国”の中で波乱を起こす確率が高い存在ではあるはずだ。

あるいはコスタリカに関してもそうだ。
W杯2014では、強国ウルグアイ・イタリア・イングランドと同じグループに入るも(まさしく“死の組”)、
下馬評を大きく覆す2勝1分けの快進撃で決勝トーナメントに進出。
さらに決勝トーナメントでもギリシャ・オランダに全く譲らない戦いぶりを披露、
PK戦の末オランダに敗北するという、強国を相手に事実上“失点による負け無し”のまま大会を去ったダークホース的存在であった。

したがってサッカーファンの中には、グループEを二強+波乱を起こす可能性のある国(日本、コスタリカ)と捉えて、
正規の意味での“死の組”と呼ぶ人もいるかもしれない。

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