【ブレグジット(EU離脱)】イギリスの「EUからの合意なき離脱」についてわかりやすく解説【問題点】

世界史

みなさんこんにちはこんばんはゆきるりです。

今回はイギリスとEUについて。

そもそもEUとは

EUとは1992年、EU(欧州連合)の創設を定めたマーストリヒト条約により生まれた国際機構であり、

イギリスを含めた28か国が加盟しています。

主にEEC(欧州経済共同体)、ECSC(欧州石炭鉄鋼共同体)、EURATOM(欧州原子力共同体)という3つの集合共同体であり、

これによりEU圏内は外交、安全保障、経済・通貨などが統合すると同時に域内取引の障壁を撤廃、貿易の自由化が実現しています。

砕けた言い方をすれば

「加盟国間における貿易や人の移動を簡単にするため作った連合」というわけですね。

みなさんもご存知  単一通貨ユーロも2002年に発足し、現在のところEU圏は一大経済圏を形成しています。

イギリスとは

さて一方のイギリスについても見ていきましょう。

イギリスこと正式国名「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」は、

イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドという4つのカントリー(と呼ばれる国)から構成されています。

ちなみに皆さんがよく使われる「イギリス」は元々はポルトガル語でイングランドを指す「lnglez(イングレス)」が語源であり、

元の意味に関わらず、イングランドではなく連合王国全体を指して使われているのが現状です。

なぜEUから離脱するのか?

さてEUやイギリスについては簡易的な説明ではありますが以上です。

ではここからが本題、なぜイギリスはEUから離脱したいのでしょうか。

EUは現在28もの加盟国が存在します。

そしてEUに加盟している以上、それら多くの国と話し合い様々な事を決めていかなければなりません。

仮にイギリスが法律を決めたとしても、それがEUのルールと合致しなかった場合、イギリスの決めた法律は無効となってしまいます。

つまりイギリスにとって不利益と感じる問題があったとしても、それをイギリスだけで解決させてもらえないと感じる問題が出てきたわけです。

この問題が特に顕著となったのが移民問題。

先ほどEUは「金や人が動かしやすくなった」と記載しましたが、

EU圏内は基本的に人の移動は自由であり、ノーチェックで国境を超えることが出来てしまいます。

そしてイギリスはEU圏内で比較的景気がよかったために、イギリスへの移民も増加していったのです。

そして移民が増加するということは行政が行うサービスもそれだけ充実させていく必要が出てきます。

イギリスに対する移民に関する不利益な点を挙げましたが、もちろん移民がいるからこそ利となる点も存在します。



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しかし人が溢れてはそれに応じて学校や病院の数を充実させる必要が出てくる、

移民の数を絞りたくてもEUに加盟していてはイギリスの意思で制限することもできない

この点が大きく問題視されることになっていったのです。

貿易問題も

またもう一つ問題として挙がるのが貿易問題。

EUの中にいては「イギリスとして」ではなく「EUとして」貿易に臨むことになります。

もちろんEUとして貿易する中でもイギリスの意見も反映される部分はあるものの、それでも28か国もの利害を調整するのは非常に時間がかかります。

それならイギリスはGDPも世界で高い水準を誇っているし、EUに合わせず独自に貿易を進めても大丈夫なのでは」とする意見も生まれてきました。

またイギリスはEUに年間1兆円ほどの予算を出していたもののそれはヨーロッパ全体に使われるものでありイギリス自体への恩恵が少ない、という主張もありました。

次第にイギリスは「EUのルールに縛られるのではなく、イギリスのことはイギリスで決めたい」という思いが募っていき、

それ故にEUから離脱すべきという意見が次々と飛び出したのです。

EU離脱を進める上で

さてイギリスがEUを離脱したい事情は概ねわかりました。

しかし未だニュースなどで「合意なき離脱」問題が取り上げられますよね。

なぜ未だ取り上げられ続けているのでしょうか。

イギリスがEUから離脱したいからといって、すぐに離脱できるわけではありません。

離脱後のEUとの関係をどうするか等、話し合いをしておく必要があるのです。

そしてEUとイギリスが話し合う中、ここで一つの問題にぶち当たることになります。



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国境問題

地図をご覧になっていただくとわかる通り、アイルランドという国がイギリスに隣接しています。

このアイルランドは元々イギリスの統治下にあったのですが、現在は独立しています。

さて問題となるのが北アイルランドの存在。

この記事のはじめに「イギリスはスコットランド、イングランド、ウェールズ、北アイルランドから構成されている」と説明しました。

つまり北アイルランドはイギリスに属してはいるもののアイルランド系の国民が多く、

アイルランドは独立したものの北アイルランドはイギリスに帰属しています。

これが原因となり北アイルランドに残されたアイルランド系の人達は差別を受け大きな不満を抱きました。

こうしてイギリスからの分離を求める住民と、それに反対する住民との間で紛争が行われてきた(北アイルランド紛争)、という背景があります。

そしてこの問題を解決するため、「紛争の和平の条件として、北アイルランドとアイルランド間の国境移動の自由を保障する」というルールが決められたのです。

しかし上述の通りイギリスがEUを離脱した場合、

EUとイギリスはそれぞれ独立したルールで貿易を進めることになります。その際にかけられる関税も変わってくるかもしれません。

本来であればEUで関税が10%かかるモノを関税0の状態でイギリスで入れて、

北アイルランドとアイルランドの国境を越えてEU側に持ち込む、といったことができてしまいます。

つまり現状「国境をノーチェックで通れる」状態を維持したままイギリスがEUから離脱した場合、

本来かけられる筈の関税を回避する抜け道が出来上がってしまうのです。

他にもヨーロッパで禁止されているモノもイギリスを経由する形で持ち込むことが可能になります。

ということはやはり国境でモノのやり取りをする際に検問をする必要が出てくる、というわけです。

しかしここで出てくるのが過去の北アイルランド紛争であり、

その反省から国境部分には検問を設けないという点はEUとイギリスで一致しています。

となるとこれはまさに解決する術がなかなか見つからない問題となってきます。

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