チープ・トリック
背中を見られた者からから背中を見た者へ、取り憑いた宿主の命を奪いながら移動していく“喋るだけ”のスタンド。
その性質上、取り憑かれた者は背中を隠しながら行動しなければならない。
しかしそんな生活を続けることが出来るわけもなく、ほどなくして他の人や動物に背中を目撃され、背中を剥がされ命を落としてしまうことだろう。
チープ・トリック本体を武力行使で取り除き解決を図ろうにも、
チープ・トリック本体が傷つくことは決して無い…どころか、あらゆる攻撃は宿主へのダメージとなってしまう。
さらにスタンド自体に自我が芽生えているため、“喋ることができる”という性質を生かし、周りの人間を煽って宿主の背中を見られるリスクを高めるなど、その能力は厄介極まりない。
空間を削り取るスタンドなど、対処法はごく一部に限定されると思われる。
“決まれば最後”を地で行くスタンドであり、通常の能力や行動で対処することが出来ず、その上次々に他の生物に憑依を繰り返すため、大量殺戮に終着点がない。
憑依を繰り返す中で“チープ・トリックを隔離したり無効化できるスタンド使い”に遭遇するか、
もしくは
“チープ・トリックに取り憑かれた人間”が、チープ・トリック以外の原因で命を落とした場合は、殺戮の連鎖が止まるかもしれない。
例えば、チープ・トリックに憑依した者の背中を見る前に、スタンドなりなんなりで仕留めることで、事態は収束に向かう。
しかし、それでも一人は犠牲になってしまうため、やはり悪質極まりない能力と言えるだろう。
都心部など人が密集しているような場所で能力が発動した場合は最悪である。
憑依対象が溢れかえっている上、
チープ・トリックの能力発動により人が背中を剥ぎ取られ倒れた場合、その異様な光景やそれを見た人間の悲鳴に反応し、皆がその方向を向いてしまうからである。
全員が同じ方向を向くということはつまり、全員が前の人の背中を目撃できてしまう状況が整うということに他ならない。
もし危険を察してその場から離れようとしても、離れながら「事態はどうなっているのか」確認するために振り返る人間もいるだろう。
こうなっては止まらない、もはや災害級のスタンドである。
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