【ネタバレ配慮/劇場版】映画 スラムダンクを鑑賞した感想【THE FIRST SLAM DUNK】

感想
※記事内容につきましては、作品に触れた個人の主観に基づく感想・考察になります。

スラムダンクを鑑賞した感想

めちゃくちゃ面白かった
今回は宮城リョータがメインという趣向。
原作の山王戦では湘北メンバーの中で一番掘り下げが薄かった分、リョータをメインに据えることでカバーしようという判断も理解できる。

リョータの家族描写”も賛否はある様子。
原作のスラムダンクがスポーツモノとして非常に完成されているため、余計に“家族愛”がノイズに感じる人もいるのだろう。

今回の記事では、作品のネタバレにならないよう、かつ著作権を侵害することのないよう、

ストーリー自体に触れることはなく、声優や作品のテーマ、原作との関連、特定の演出面を中心に感想を述べていきたい。

“家族愛”というテーマ

「スラムダンクに求めていたのはもっと青春ストーリーだ」

「スラムダンクでやらなくていい」という声もあるようで、その声も理解できる。
ただ、私は家族愛パートもノイズには感じなかったし、
“家族”に関する掘り下げ方も自然だと感じた。
原作の大部分が生徒や先生で占めているので、そこに家族という要素を加えたのは決して無駄なチャレンジではなかったと思うし、
生徒が主役の作品であればむしろ妥当だと思った。
これはこれで一つのスラムダンク。

声優について

声優に関しても、事前に予想していたほど気になる点はなかった。
花道が大声を出す際に2〜3回ほど、ジャイアンに聞こえるくらい。あとはジャイアンと離れた演技で凄いなと感じた。かなり頑張ったのだと思う。
机に乗りメガホンを作る例の場面が一番ジャイアンに聞こえて気になった点。
あそこは静寂の中叫ぶ場面なので。

また、個人的には「返せ…」の部分の言い方がちょっと気になった。
もっと「か゛え゛せ゛…」くらいの、言い方を想像していたので。沢北という超人のプレイに、当たり前のように花道がぬるっと割って入ってきた異質感。
仲間である湘北メンバーですら「すごいな」というよりも、呆気に取られてしまうようなあの空気感。

この何とも言えない感じはもっと追求しても良かったのではないかと思う。
映画版では意外とサラッと言うな、という印象。

あと花道が沢北の視界にぬーっと居座って、沢北の集中が一瞬削がれる場面ももっとナチュラルに、緩急をつけて見せてもいいのかなとは思った。個人的にはちょっと早く感じた。

他にも「個人的にここの描写はあっても良かったかな」という部分もあるが、原作再現にそれほど執着はない性格なので気にはならず。
「返せ…」のくだりくらい。

あと途中、ゴリが倒れた時に頭の中に幻覚が生まれて話しかけられるシーン。
あそこの演出はちょっと浮いてる気がしないでもない。
花道ならわかるが、ゴリの脳内にああいうビジュアルの幻覚が生まれるのかな、というのは感じた。

そして、花道以外の声優さんに関しては、全く気にならなかった。
私はアニメも10年以上前に全話視聴済み、その後も見返すことはあるくらいのスラムダンク好きでアニメの声優さんにも馴染みがある。
その上で、今回の声優さんも物凄く頑張ったのだと思う。

キャラの掘り下げ

沢北の掘り下げがあったのは個人的には驚いた。
湘北メンバー周りだけで進んでいくと思ったので。

沢北、深津あたりは意外と原作でももっと掘り下げてもいいかな、と思っているキャラだったので、
今回リョータとマッチアップする深津も相乗効果で出番が増えたように感じた。

ちなみに沢北が試合終了後ああいうリアクションを取ること自体の賛否は出そうだな、と思った。私は「なるほど」と思いながら見ていた。賛も否もない感じ。

また、試合終了後、またとある試合が始まるのだが、
あれに関しては「おおっ」と感じた一方で、「え、このキャラ(身長が低い方の彼)、そんなところにチャレンジするほどの実力だったのか」と思った場面でもあった。
色々な意味でサプライズだった。
この作品の超メインキャラで、バスケを通じた成長ということを表す、というのはわかる。
ただ、現実的に実力が足りているかどうかはやっぱり気になった。
でもあの展開のインパクトは確かにあったし、単に奇をてらってるだけ、にも感じない絶妙なラインの展開。
人によると思う。これに関しても、賛も否もないけど、「おおっ」とは思った。

あと、再び触れるが“家族愛”展開で良かったのはご都合で終わらせなかったところだと思う。
“自分の能力の限界”や“怪我や挫折”など、
どうしようもない現実が降りかかる中で、
時に諦め、時に諦めずに、それでも必死に動き続けるキャラたちに感情を揺さぶられる、それこそがスラムダンクの良さの一つだと思う。

今回の家族愛に関する場面は重く、親と子のやり取りも丁寧に描いてある。物理的に何かが、決定的に変わったわけではない。でも確かにリョータの家族はその後も日常を歩んでいくのだろうなと感じる展開だった。
そしてそのきっかけになったのは他でもないバスケである。
これがもし、家族が爽やかに応援するだけの描写だったらむしろ私は、それこそがノイズに感じていたかもしれない。

映画に没入

そして肝心のバスケ描写、これも素晴らしかった。
「花道達がこんな風に試合をしていたんだ」というのをより視覚的に感じられて、試合に没入できた。

何よりやっぱり山王戦は熱い。
7〜8回は泣きかけた。私の涙腺が緩すぎる可能性もあるが。
私は自信を持っておすすめするし、
鑑賞後に「思ったのと違った、私はやっぱりアニメ版が良かったな」とスラムダンク好きと色々語り合うのも、楽しみ方として良いと思う。

声優やストーリーが中々発表されなかったことで、公開前に制作側が批判を受ける部分もあった作品。
私もPVを見た時に「ジャイアンの声優さんに慣れるかな」「そもそもどういうストーリーにするんだろう」という一抹の不安もあった。
とんでもない。
PVのセリフが一番ジャイアンに近い声で、作中のほとんどがジャイアンではなく花道だった。

原作と映画

個人的に1番の懸念点は、「スラムダンクを全く知らない人がどの程度楽しめるか」という点。
試合が進むごとに選手達の背景が明かされていくが、それで十分なのかはちょっとわからない。

本当は山王戦前夜から、前半の“意外と健闘できてる、これはいけるかも”という流れも含めて全て映像化して欲しいくらいである。

…が!
そんなことを言い出したらキリがない。
全てを映画に反映させることなど到底出来るわけもなく、
そしてどこかの場面が漏れた時点で、作品自体は原作の劣化であると判断されてしまう可能性が高い。

それならば、とキャラの新規掘り下げを行い、映画は映画としての価値を見出そうとしたのは英断だと思った。
初見も原作ファンも楽しめるよう、丁寧に作られてある。
「とりあえず映画化しておきました」という出来では決してない。

「完全原作再現」を求めていた人からすると当然気になるところだろうが、
スラムダンクを知らない人にその魅力を感じてもらうための今回の取り組みは決して無駄なチャレンジとは思わない

何より、ファンもアンチも「ちょっとどんな感じか気になるな」「見た後色々語りたい」と思わせるパワーがこの作品にはある。

スラムダンクファンも、スラムダンク未見の方も、
ぜひ見に行くことをおすすめする。

ちなみに私の好きなキャラは神さんである。
いつか海南戦が何かのメディアで描かれることになれば、活躍を期待する。

おまけ

私は現在二十代だが、10年ほど前、学生時代の物凄くしんどかった時期にこの作品に出会った。
原作とアニメ、どちらを先に手をつけたかは記憶にないが、
ほぼ同時期に両方を見終えた。
当初は「(最初の方の巻は)昔の絵柄だなぁ」と無意識に見くびってしまっている部分もあったかもしれない。
しかしそんなことを弾き飛ばすほど、読み進めるごとに
面白い、熱い」と感じた作品。
スラムダンクに出会ってからは、私が一番好きな作品は“スラムダンク”固定となった。それは今も変わらない。

何度も何度も読み返した。
山王戦だけでも好きなシーンは数えきれない。
上述した「返せ…」の場面も好きだし、
「栄光時代」のくだりも好きだし、
三井が3Pの決まる音で蘇るくだりも、

映画化はされなかったが試合展開に合わせて天候が変わったり、
丸男に“素人”特有の弱点を共感し、成長した花道が「サヨナラ、丸男」と置き去りにする一連のくだり、
「ワルモノ見参!」のくだり、
いや、もはや試合が始まる前の山王戦前夜の空気感から楽しむポイントが多すぎる。
あげ出したらキリがない。

また追加するかもしれないが、ひとまずここで記事を締めることにする。
おすすめです。

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