インスリン抵抗性との関係
前糖尿病では、筋肉・脂肪・肝臓の細胞がインスリンへ十分に反応しにくくなるインスリン抵抗性が背景にあることが多い。膵臓は血糖を下げるためにより多くのインスリンを分泌するが、補いきれなくなると血糖値が上昇する。[1][2]
診断基準
NIDDKは、A1Cが5.7〜6.4%、空腹時血糖が100〜125mg/dL、75g経口ブドウ糖負荷試験2時間値が140〜199mg/dLの場合を前糖尿病の範囲として示している。A1Cは過去およそ3か月の平均的な血糖状態を反映する。[1]
症状
前糖尿病やインスリン抵抗性は通常、明らかな症状を示さない。そのため、危険因子がある人では自覚症状の有無だけで判断せず、血液検査で確認することが重要となる。[1][2]
主な危険因子
過体重・肥満、腹囲の増加、加齢、糖尿病の家族歴、身体活動不足、妊娠糖尿病の既往、多嚢胞性卵巣症候群、睡眠時無呼吸などがリスクと関連する。喫煙や一部の薬剤もリスク要因となり得る。[1][2]
関連する健康問題
前糖尿病やインスリン抵抗性では、高血圧、脂質異常、メタボリックシンドローム、肥満、脂肪性肝疾患などを併存することがある。また前糖尿病は2型糖尿病、心疾患、脳卒中のリスク増加と関連する。[1][2]
生活習慣による予防
体重管理、健康的な食事、身体活動、十分な睡眠などの生活習慣改善は、前糖尿病から2型糖尿病へ進行するリスクを下げる。CDCは、過体重がある人で体重の約5〜7%を減らし、週150分程度の中等度身体活動を行うことを代表的な目標として示している。[1][2]
薬物療法
生活習慣改善に加えて、医療者がメトホルミンなどを用いることがある。NIDDKは、メトホルミンが2型糖尿病の発症を遅らせる効果を示したと説明しており、特に妊娠糖尿病歴のある女性、若年成人、肥満のある人で有効性が高かったとしている。[1]
経過観察
前糖尿病と診断された場合は、2型糖尿病への進行を確認するため定期的な血糖検査が必要となる。NIDDKは前糖尿病がある人では毎年の2型糖尿病検査を勧めている。[1]