概要
EBMでは、研究結果だけで治療方針を決めるのではなく、研究エビデンス、臨床家の専門的判断、患者の価値観や希望という複数の要素を組み合わせて意思決定を行う。[1]
基本的な進め方
EBMは、臨床上の疑問を答えられる形に整理し、適切な情報を検索し、その妥当性を批判的に吟味し、患者へ適用し、その結果を再評価するという循環的な手順で説明される。[1]
研究エビデンスの評価
研究デザインによって得られる情報の性質や信頼性は異なる。治療効果の評価では無作為化比較試験が重要な一次研究となり、複数研究を系統的にまとめるシステマティックレビューやメタアナリシスも高い位置づけで扱われる。一方、症例報告や観察研究にも、研究目的に応じた役割がある。[1]
患者への適用
質の高い研究であっても、研究参加者と実際の患者で年齢、併存症、基礎リスク、診療環境などが異なれば、その結果をそのまま適用できるとは限らない。EBMでは、エビデンスの妥当性だけでなく、目の前の患者に適用できるかを判断することも重要である。[1]
診断と確率
診断では、検査結果そのものだけでなく、検査前に想定される病気の可能性と、検査結果によってその可能性がどの程度変化するかを考える。EBMでは、このような確率的な考え方も臨床判断の一部として扱われる。[1]
現代のEBM
医学文献や診療情報が増える中、検索や要約を支援するデジタル技術や人工知能が利用される場面もある。ただし、生成された情報や引用には誤りが含まれる可能性があり、重要な情報は原資料で確認する必要がある。AIはEBMを置き換えるものではなく、情報整理を補助する手段として扱われる。[1]