概要
症例報告は、個々の患者に生じた病気や治療後の経過などを記述する研究・報告形式である。まれな疾患、新しい病態、珍しい転帰、重篤でまれな有害事象などを報告する際に用いられる。[1][2]
役割
多数の患者を集める研究では捉えにくい珍しい現象を詳しく記録できるため、新たな問題を認識したり、今後の研究仮説を生み出したりするきっかけとなる。[1][2]
限界
症例報告には比較対象となる対照群がないため、その治療が結果を引き起こしたと断定することはできない。また、発生率やリスクを測定することもできず、報告されやすい珍しい事例だけが集まる報告バイアスの影響を受けやすい。[2]
研究デザインとしての位置
症例報告は、1人または少数例の特徴的な経過や所見を詳しく記述する観察的な報告である。新しい現象やまれな有害事象の手掛かりを与える一方、対照群がなく、頻度や因果関係、治療効果を単独で確定することはできない。[1][2]