全身への影響
アルコールは肝臓だけでなく、脳・神経系、消化管、膵臓、心血管系、免疫系、内分泌系、筋骨格系など全身に影響する。過度の飲酒は急性・慢性の健康障害につながり得る。[1]
神経系と循環器
アルコールは脳内の情報伝達経路を妨げ、気分、行動、思考、協調運動に影響する。長期の大量飲酒は心筋症、高血圧、不整脈、虚血性心疾患、心筋梗塞などのリスクと関連する。[1]
肝臓・膵臓・消化管
大量飲酒は脂肪肝、脂肪肝炎、アルコール関連肝炎、線維化、肝硬変、肝細胞癌などの肝障害につながり得る。また、長期のアルコール乱用は膵炎を起こし、消化酵素や血糖調節に関わる機能へ影響することがある。[1]
がんとの関連
アルコール飲料の摂取は既知のヒト発がん要因とされ、口腔・咽頭・喉頭、食道、肝臓、乳房、大腸・直腸など複数のがんリスク増加と関連する。飲酒量が多いほどリスクは高くなる傾向があり、低量でも一部のがんリスク増加が示されている。[1][2]
飲酒パターン
NIAAAは、典型的な成人について約2時間で男性5杯以上、女性4杯以上に相当する飲酒を、血中アルコール濃度0.08%以上に達する「binge drinking」の目安としている。米国の標準的な1ドリンクは純アルコール14 gである。[2]
アルコール乱用にはbinge drinkingやheavy drinkingが含まれ、長期的にはアルコール使用障害(AUD)のリスクを高める。妊娠中、運転・機械操作前、アルコールと相互作用する薬剤の使用中、AUDからの回復中など、飲酒を完全に避けるべき状況がある。[2]