概要
鍼は、細い針を皮膚に刺して刺激する方法である。針を手で操作する方法のほか、微弱な電流を加える鍼通電もある。鍼は中国伝統医学に由来し、現在は世界各地で用いられている。[2]
厚生労働省eJIMの鍼灸エビデンス資料では、鍼、鍼通電、円皮鍼、温灸などを用いた国内の臨床試験が整理されている。対象は腰痛、肩や頸部の痛み、変形性膝関節症、呼吸器症状、消化器症状など多岐にわたる。[1]
作用に関する研究
鍼がどのように作用するかは完全には解明されていない。神経系への作用、刺入部の組織への直接作用に加え、期待や施術者との関係など、鍼そのもの以外の非特異的効果も関与すると考えられている。[2]
痛みに対する研究
背部痛や頸部痛では、鍼が無治療や偽鍼より痛みを軽減したとする大規模な解析がある。ただし、無治療との差の方が偽鍼との差より大きく、非特異的効果も治療結果に関与すると考えられる。[2]
変形性関節症などでも鍼の研究が行われているが、疾患や研究方法によって結果は異なる。eJIMにも、日本で行われた多数のランダム化比較試験や比較試験が整理されている。[1][2]
安全性・注意点
鍼による重い合併症は多くないが、非滅菌針の使用や不適切な施術では、感染、臓器の穿刺、中枢神経系の損傷などの重篤な有害事象が起こり得る。米国FDAは鍼を医療機器として扱い、滅菌済みで単回使用と表示することを求めている。[2]