心臓移植の優先基準：「待機期間」と「緊急性」

ねえねえ、雨崎さん

どうした？
犬と猫、どちらが多く飼われているか気になったのか？
長い間、ペットは犬が一番多く飼われていたんが、
実は近年、猫の方が多くなってきたようで……

いや、違うよ！

あのさ、心臓移植ってあるじゃない？

ああ。
心不全の患者さんに、死亡した直後の人から摘出された健康な心臓を移植する治療法だな。
薬や移植以外の治療では救命が困難な場合に選択肢となる

心臓移植ってさ、多くの患者さんが移植手術を待ってるわけだよね

ああ。
心臓の提供も、去年は百件を超えたみたいだな

そこで疑問なんだけど、心不全の患者さんが心臓移植の手術を受ける順番って、
①待機してる期間が長い順？
②緊急性が高い順？

これまでは「①待機してる期間が長い順」だった

へー！
……え？
これまでは？

ああ。これまでは、患者の病状が急に悪化しても移植を受ける順番は変わらなかったんだ。
日本心臓移植学会によると、2021年までにおよそ540人が待機中に死亡している。

だが日本心臓移植学会と日本循環器学会は、

「緊急性が高い患者を最優先で見るよう、優先順位の基準の見直し」

を厚生労働省に要望することが、このほど発表された

あ、そうなんだ！
ということは、これからは緊急性の高さで順番が決まる可能性があるってこと？

いや、完全にそうなるわけでもないんだ。
緊急性の高い患者を優先的に見るのは、年間の移植件数の20％程度。
それ以外はこれまで通り、待機期間の長さに応じた順番となる見込みだ

なるほど……！

厚生労働省への要望を経て、どのような形にまとまるか。

要注目だ