“時間停止系は9割が偽”に反論する
時間停止能力の一部始終を収めた映像が発売されることがあるのだが、
その映像に関して巷でまことしやかに囁かれているある噂。
「時間停止系は9割が偽」───────
やれ「女性がまばたきをした」だの、やれ「動物が動いた」だの、やれ「サイレンの音が聞こえた」だの、様々な声があがっている。
しかし、果たして本当にそうだろうか?
出演者のまばたき
例えば「出演者のまばたき」。
しかし時間停止中に女性がまばたきをしただけで、そう簡単に時間停止を嘘だと言い切ってしまって良いものだろうか?
もしかするとその女性も時間操作系能力者であり、時間停止下でも行動を試みようとしているところなのかもしれない。
だが時間停止を仕掛けた男性の方が一枚上手であり、まばたきくらいしか行動ができない…
という真相ならば全ての辻褄が合う。
やはり時間停止能力は存在するのだ。
動物が動いた
続いて「動物が動いた」。
時間停止中に動物が動くとあっては由々しき事態だと騒ぐのも無理はない。
だが賢明な読者の諸君、よく考えて欲しい。
“動”物が動いて何か問題があるだろうか?
そう、動物は動く物と書いて動物と呼ぶのである。
つまり時間停止中で動物が動くのも無理はない。なぜなら彼らは動物なのだから。
動物とは動く物なのである。
サイレンの音が聞こえた
「時間が止まった世界のはずなのに、救急車やパトカーなどの音が聴こえてるじゃあないか!」ということである。
確かに、時間停止中であれば救急車やパトカーは停止し、サイレンも、その音さえも止まっているべきである。
しかしよく考えて欲しい。
本当にそのサイレンは、画面から鳴っている音だろうか?
私の家の近くではよく救急車やパトカーのサイレンの音が響いたりする。
そのたび「あれ、これ今見てる動画から鳴ってるのか、近所で鳴ってるのかどっちだ?」と一人で混乱することがある。
そして、どっちから鳴っているのか特定しようと動画を閉じるのだが、閉じたと同時に音が鳴り止み、
「動画を閉じたことで鳴り止んだのか、
それとも近所のサイレンがタイミング良く鳴り終わったのか、どっちだ…?」
と更に混乱することがある。
結局のところ、自宅の近所でサイレンが鳴っているという可能性は捨てきれない。
動画を開く度に、近所をパトカーや救急車が走っているのかもしれない。
そして動画を閉じた途端にサイレンを鳴らすのをやめたのかもしれない。
「動画の音量を小さくして、サイレンの音も小さくなったら、“動画からサイレンが鳴ってる”と断定しても良いのでは」という声もありそうだが、
音量を小さくするたびに近所の救急車やパトカーが私の家から遠ざかって、
音量を大きくするたび私の家に近づいてきているのかもしれない。
音量を上げ下げするたび、私の家に向かってバックと前進を繰り返しているのかもしれない。
サイレンの出どころを特定するのは困難を極める。
「時間停止中にサイレンが聞こえた」からと言って、それが動画由来の音とは限らない。
最後に
時間停止能力を証明するため、他にも様々な説を考えた。
「時間停止中に動く動物、魔獣説」
「まばたきという現象は時間・空間の概念に縛られない説」
「時間停止能力者の男性がサイレンみたいな口笛鳴らしている説」
など本当に様々な説を考えたが、
ともかく時間停止能力の存在は一概に否定できないものと言えるだろう。
それではまた次回の記事でお会いしよう。さらばである。
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