【核合意/経済制裁】戦争?イランとアメリカ、日本の関係と現状について1からわかりやすく解説【報復攻撃/ウクライナ機・旅客機の墜落は人的ミス】

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みなさんこんにちはこんばんは。

今回はアメリカとイランの関係について、最新のニュースに至るまでに時系列順に振り返っていきましょう。

なぜアメリカとイランは対立しているのか

かつてイランは「中東の中で最もアメリカに近い」と言われるほどの親米の王朝でした。

アメリカはそんなイランの親米政権を利用し原油の利権を確保しようとしていましたが、

次第にイラン国民のアメリカに対する不満が溜まり、1979年に親米政権が倒されることとなりました(イラン・イスラム革命)。

また同じく1979年、イラン・イスラム革命が起きて反米国家となったイランの最高指導者を慕う勢力が、イランに存在するアメリカ大使館に突入。

大使館内の人間を人質にとり444日間にわたり占拠されました。

アメリカではこの様子が連日報道され、イランが反米となる一方で、アメリカにもまたイランに対する不信感が募っていったのです。

この事件からアメリカとイランは国交断絶の状況が続いてきました。

核開発問題

その後2002年にはイランが核兵器を開発しているのではないかという疑惑が浮上、

イランは「あくまで原発の核燃料を作るため、平和的利用」と主張していました。

しかし仮にイランが核兵器を持つと、イランと対立している国々もそれに対抗する形で核兵器を保有しかねない、

故に核開発を行わせないようにアメリカは経済制裁(例えば日本がイランから原油を買った場合、日本に不利益を課す)を実行。

これを受けてイランの経済は一気に落ち込みます。



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イラン核合意

2009年にはアメリカでオバマ政権が発足、世界のエネルギー源である中東に安定をもたらすことが重要であると考えたオバマ大統領はイランと交渉を開始、

2015年には欧米諸国と「イラン核合意」(核開発を大幅に制限する代わりに、経済制裁を解除する)に至っています。

しかしこれについてはイランと対立するイスラエルやサウジアラビアから「この合意はイランを利するのでは」と反発の声があがっており、

アメリカの保守派からも不評でした。

そんな中でアメリカではトランプ政権が発足。

トランプ大統領はイラン核合意を「欠陥だらけ」と一方的に離脱、更にこの合意から離脱したという理由で経済制裁を再開したのです。

イランに不信感を抱き、経済的にも、そして軍事的(空母や爆撃機をイラン周辺に展開するなど)にも圧力をかけ始めたアメリカ・トランプ政権に対し、

「合意を守っていたのに一方的に離脱された」とイラン側も強く反発、

互いに強硬派の声が大きくなっていきます。

イランは「核合意」のメンバーであるヨーロッパに助けを求めるものの、

一方のヨーロッパもEU離脱等の問題を抱えていたり、トランプ政権に移行したことでアメリカとの関係性に揺らぎが生じていることもあり、

ヨーロッパ側としても仲裁として十分な機能を果たすことが出来ないでいました。



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さらなる緊張状態に

こうした経緯で2019年5月、ついにイラン側も「核合意」の一部を履行しないと表明することに。

これを受けてアメリカともイランとも良好な関係性を築いている日本に仲裁役として白羽の矢が立つことになります。

安倍首相がトランプ大統領との橋渡し役を請け負いイランに赴くも、

イランの最高指導者であるハメネイ師は

「あなたの善意には感謝します。けれども、私はあの男(トランプ大統領)と全く話し合うつもりもないし、話し合う価値もない」

と対話をする気はないとの意思表明が。

大統領よりも更に上、イランの全権を握る最高指導者の発言は非常に重く、

「トランプ大統領に裏切られ続けている」という意識から対話の実現が難しいと見られています。

2020年1月にはイラクの首都バグダッドで、イランの精鋭部隊、革命防衛隊の司令官がアメリカ国防総省による攻撃を受けて死亡。

アメリカ側は「今回の攻撃は、この先のイランによる攻撃を防ぐために行われた。アメリカは、国民と国益を守るために世界のどこにおいても必要なあらゆる措置を取る」と主張する一方で、

イラン側は「偉大で勇敢な司令官の死は、イラン国民全体に深い悲しみをもたらし、アメリカに立ち向かうイラン国民の決意を倍増させた。アメリカによる身の毛もよだつ犯罪行為に対しイランは間違いなく仕返しをする」と報復する意思を表明。

その後、ウクライナの旅客機が墜落し180人近くが死亡した事故について、イラン軍は誤って撃墜したことを認め、

「哀悼の意を表するとともに、人為的ミスが起きたことを謝罪する」

と発表しています。



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その5日後の1月8日にはイランが、イラクに駐留するアメリカ軍の拠点をねらって十数発の弾道ミサイルを発射。

イラン側は、アメリカ軍が精鋭部隊の司令官を殺害したことへの報復だとしており、
また米国の同盟国に対し「各国の領土が米国による攻撃に使われた場合、イランの反撃の標的になる」警告しています。

一方よトランプ大統領は「すべて順調だ。被害の状況を確認している。いまのところ非常によい。アメリカは世界最強の軍事力を持っている。あすのあさ、声明を発表する」と発言しています。

旅客機が墜落

ウクライナの旅客機は18日、イランの首都・テヘランの空港を離陸した直後に墜落し、カナダ人63人を含む乗客乗員176人全員が死亡しました。

イランの統合参謀本部などは11日早朝、イランメディアを通じて、墜落は「人的ミス」による撃墜だったと認めました。

ウクライナのゼレンスキー大統領は11日、イランに対し、

「完全に罪を認めるよう求める。イランが加害者の責任を問い、被害者の遺体を返還し、補償金を支払い、公式に謝罪すると期待する」

とコメント、航空機撃墜に関する過失を全面的に認めて補償と公式な謝罪をするよう求める声明を発表しています。

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