みなさんこんにちはこんばんは。
今回は「精子取引」についての記事。
聞いたことが無い言葉、と感じた方も多いかと思います。
「精子取引」の概要と問題点について、触れていきます。
精子取引とは
不妊に悩む夫婦や同性カップルが、人工授精を目的として行う「精子の取引」です。
精子取引の大まかな流れは以下。
SNS等を通じてドナーを探し、事前の情報提供や面会を通じて、精子の提供者を決定します。
その後提供された精子を注射筒を使い注入するか、提供者との性交渉を行う、
というのが「精子取引」となります。
非配偶者間人工授精(AID)と精子取引
さて現状、人工授精そのものを規制する法律は存在しません。
凍結精子を管を使い子宮奥に注入する「非配偶者間人工授精(AID)」という、無精子症の絶対的男性不妊の場合に行う不妊治療は存在しますが、
個人間でのやりとり(精子取引)は想定がされていなかったようです。
「非配偶者間人工授精(AID)」の場合は
利用できるまでに1年程かかるため待ち時間が長く、かつ凍結精子を用いるため妊娠率は低いものの、
感染症等が検査され、かつドナーが非公表&医療機関に記録が残るために一定の安全性が保障されています。
「精子取引」の場合は
AID治療を受けることが出来ない同性カップルが利用できたり、AIDを実施している施設をたずねたりそこでの待ち時間を大幅にカットできるものの、
精子の安全性を確認することが難しく、また提供者の情報の信憑性も担保されておらず、
個人間の取引故にトラブルが発生するリスクも抱えています。
精子取引による問題点
さて精子取引に関する概要を述べていきました。
精子取引により生じうる問題点として挙げられるのは大きく2つ。
①安全性が担保されない
②個人間でのトラブルが起こる可能性
安全性
ここについては多くの方が危惧する通り、個人間のやりとりにおいて、誰も安全性を保証出来ません。
取引前に提示される情報を鵜呑みにした結果、後から「実は○○だった」が発覚しても本当にどうしようもないわけですね。
「わざわざ情報を偽造するか?」という方もおられるかもしれませんが、
ドナーとして選ばれることで得られる報酬(お金)や、その際に行われる可能性のある性交渉を
「身分や情報を偽ってでも得たい」と考え、行う人間もいないとは限りません(というか実際にいるようです)。
母体や実際に生まれてくる子どもに与える影響を考えると、
やはり安全性という問題は大きくのしかかってきます。
個人間でのトラブル
先程触れた通り、「精子取引」には“性”のトラブルも関わってきます。
「夫に隠れて精子取引をしている」
「取引時、性交渉を執拗に求められる」
「精子取引を通じて取引相手への愛や執着が生まれ、妊娠後も精子提供者との性的な関係が続いている」
というようなトラブルも挙がっています。
個人間でのやりとりである以上、人対人、金や性に関するリスクは常に抱えた状態で進行するわけで、
AIDと比べると、夫婦やカップルの関係に亀裂を生じさせる可能性が出てきてしまう、というわけです。
最後に
今回は「精子取引」について見ていきました。
ドナー選びができるため、優生思想につながっていくという傾向も生まれる可能性がある精子取引。
無法状態が続いているため、法整備の声があがっています。
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