みなさんこんにちはこんばんはゆきるりです。
今回は陸上について。
ジャマイカ勢の強さの秘密に迫ります。
ジャマイカとヤムイモ
ジャマイカ勢の強さ
100m競走、200m競走の世界記録保持者であるウサインボルト氏をはじめ、
アサファパウエル氏やヨハンブレーク氏、ネスタカーター氏など、
近年の陸上短距離を牽引する存在となっているジャマイカ勢。
特に北京五輪でウサインボルト氏が世界記録を打ち立てた場面は鮮烈に記憶に残っている方が多いのでは。
ボルト氏が引退したことでその勢いも落ち着いてきましたが、
それでも高いポテンシャルを有していることには違いありません。
今回はそんなジャマイカ勢の強さの秘密を記していきます。
短距離走に必要な瞬発力やパワーを支えるタンパク質を遺伝的に多く持っている
まずはこの点。ジャマイカ人は
αアクチニン3と呼ばれるタンパク質を多く有しています。
「αアクチニン3ってなんだよ」と思われる方も多いでしょう。
このαアクチニンとは速筋繊維に発現するタンパク質であり、
これが多いほどスプリントやパワー系の競技で有利に働くことがわかっています。
黒人は他人種と比べて元々速筋が強いことがわかっていますが、
ジャマイカ人はその中でも更にαアクチニン3を多く有していることが、
スプリント競技で勢力を伸ばしている一因でもあるのでしょう。
※ちなみに我々日本人を含むアジア系人種は持久系競技向きの遺伝子を持っていることがわかっています。
腸腰筋(大腰筋+腸骨筋)が発達している
さて、ジャマイカのスプリント選手のさらなる特徴として腸腰筋が発達していることが挙げられます。
この腸腰筋とはなんぞや、
というと腰椎と大腿骨を結ぶ筋肉であり股関節の屈曲に関わる部分です。
そして実はこの腸腰筋をジャマイカのスプリントチームは重視しており、トレーニングにより鍛え上げます。
ジャマイカの短距離選手の大腰筋の大きさは日本人選手の実に2倍。たしかによく鍛えられていますね。
腸腰筋の伸張反射による素早い膝の送り出しが可能になった、
これこそがジャマイカがスプリント王国となった理由の一つでもあるわけです。
ヤムイモを食べている
はい、そしてここも非常に大きなポイント、ジャマイカ人が幼少の頃から食べるヤムイモ。
聞き慣れない名前の食べ物ですが要するに長芋です。
「長芋と陸上はさほど関係がないのでは」と思った方もおられるかもしれませんがヤムイモを侮るなかれ。
ヤムイモにはジオスゲニンと呼ばれる成分が含まれており(これも聞き慣れない名前ですね)、
このジオスゲニンは若返りホルモンとも呼ばれるデヒドロエピアンドロステロン(長い上に聞き慣れませんね)と同じ働きをするのです。
デヒドロエピアンドロステロンはその効果(筋肉増強作用)ゆえにドーピング成分として指定されていますが、
同じ働きをするヤムイモを食べる分には問題が無いとされています。
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幼い頃からヤムイモを食べることでより強い身体を作ってきたジャマイカ人はやはり他国とは一線を画すポテンシャルを秘めていると言えます。
育成環境
そしてやはり忘れてはならないのが国全体での選手の育成。
義務教育の段階から英才教育を施し、助成金を出すなど、
短距離スプリント選手にとってジャマイカは非常に恵まれた環境でもあります。
更に最新のトレーニング手法や理論を吸収することで自分達の能力をフルに発揮できるようになってきたというわけです。
遺伝子も食習慣もトレーニング環境も、短距離に臨む上で多くに恵まれたジャマイカ人。
今後も陸上短距離を牽引していく存在となりそうです。
というわけで今回はこの辺りで記事を締めます。
また次回お会いしましょう、さようなら。
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