【伏線回収】if説?ミカサの頭痛?「進撃の巨人」の伏線・考察まとめ【139話の鳥/ループ説?/単行本の表紙?】

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「進撃の巨人」伏線・考察

前置き

みなさんこんにちはこんばんは雨崎です。
今回は「進撃の巨人」についての伏線等をまとめていきます。

とにかく伏線、設定、色々込み込みな作品ですので、

のめり込んだ方も多いのでは。私もそのうちの1人です。

また10年を超える長期連載ということもあり、「進撃の巨人と共に育った」という方もおられるのでは。

いま一度、進撃の巨人に張り巡らされた伏線を振り返り、

その世界観を堪能したいと思います。

ちなみにこの記事では「if説・ループ説」について触れます。これらの要素が苦手な方はご注意ください。

なお、当サイト・当記事では権利者様の著作権・翻案権の侵害を目的とした記事の作成は一切行わず、
画像の利用についても引用の範囲を逸脱することのないよう細心の注意を払っております(当然ですね)。
そのため基本的に物語の重要なネタバレやストーリーの流れ等の説明は省いたりぼかしたりしますが、
記事の性質上、取り上げたシーンに関するある程度のネタバレ要素を含みます。
ご了承ください。

「進撃の巨人」を既に読んでいる方に大きくその価値が伝わる記事を心がけます。
とにかくみんな、買って読もう。

ちなみに私はフロックとベルトルト好きです。もっと出番が欲しいぜ。
はい、では参ります。

「進撃の巨人」には選ばれなかった記憶が存在している?

まず現状私が考え有力視している説が

「進撃の世界は過去・現在・未来が独立して存在する一本道」であり、

「後述する要素により、選択されなかった選択肢の結果が存在する」説。

わかりやすく言うと、

私がこの記事を書いてそれを皆さんが読んでいるのが「現実」世界、

私がこの記事を書いておらず皆さんが他のことに時間を使っているのが「選ばれなかった選択肢の結果」世界。

少し飲み込めたでしょうか。

さらに進撃の巨人の場合、この設定に加えて、

「過去・現在・未来が独立・統合して存在する」という設定もあわさります。

ややこしいですが、路線図を思い浮かべていただくと、飲み込みやすいかもしれません。

「過去」駅、「現在」駅、「未来」駅が存在しており、それらはすべて青色(これに関しては何色でもいいですが)。

しかし青色の「過去」駅、「現在」駅、「未来」駅はあくまで作中キャラが選択した結果選ばれた世界の駅であり、

選ばれなかった世界には、赤色に塗られる予定の「過去」駅や「現在」駅が存在している。

基本的に我々が読んでいる「進撃の巨人」世界では青色に塗られた駅の中での話(選ばれた世界での話)ばかりが登場するものの、

物語の一部には赤色の駅の中での話(選ばれなかった選択肢の結果)が登場する、という感じ。

またこの路線図では、例えば「道」や特定の能力を行使することで、

赤色の「過去」駅から青色の「未来」駅の様子を眺めたり、金色の「未来」駅から金色の「現在」駅の様子を眺めることもできる、という状態です。

つまり過去や現在、未来にも色々な姿があって、そしてそれらは相互に眺めることができる、ということですね。

過去も現在も未来も統合して把握することができる、といってもいいでしょう。

同じ時間軸で異なる結果を見ることができる、という意味ではループ説にも近い構造かもしれません。

「作者が否定した?」という噂

一部では「作者がインタビューでループは無い、と話している」という説もあがっていましたが、

実際に調べて出てきたソースは、アニメの意味深な演出についてアニメの制作監督の方が「そういうこと(ループ)ではないよ」と話していたというものでした。

まあ一応ループ説の可能性もあるよ、ということでここから本題…に向かう前に、注意事項。

注意事項

この記事では「過去・現在・未来が統合された一本道の世界であり、そこには選ばれなかった結果の世界(または記憶)も存在する」説を中心に考察を進めますが、

ループ説の可能性を切ったわけではありません。

仮にループ説であったとしても、考察内容の大まかな流れは当てはまるのかなと考えております。

つまりこの記事の内容は

「進撃の巨人は選ばれなかった世界存在説が有力ではないか」というより

「進撃の巨人は選ばれなかった世界存在説またはループ説が有力ではないか」という内容となっております。欲張りなようですが、選ばれなかった世界存在説だけが可能性濃厚とは思いません。

進撃の巨人の世界観を考えると、ループ説の可能性も大いに存在します。

あと選ばれなかった世界存在説は流石に長いので、if説と表記します。

if、つまり「もしも」の世界があったのかも…という説ですね。

ifの記憶がたびたび進撃の巨人には登場しています。

また、今回解説するif説は、あくまで本作の内容や他の方の意見を踏まえた上で、私が考察したものとなっています。この点もご了承ください。

要するに

今から「if説」について見ていきます

さて、ではでは本題に入り……

一体なぜif世界が発生しているのか、そんな要素がどこにあるのか、

急に聞くと突拍子もない感じがしますよね。

しかし現在作中では、if説の証拠となる描写が何点も確認されています。

その一つが「進撃の巨人」単行本の表紙。




単行本の表紙は「ifの出来事」

諌山創,講談社,「進撃の巨人」より引用

進撃の巨人を単行本で集めている方であればもしかすると疑問を抱いたことがあるかもしれません、
本編での展開と表紙のイラストに微妙に違いがある、というもの。

例えば7巻では、エレンが巨人化しリヴァイ班と共に女型の巨人と交戦しています。
本編ではリヴァイ班を信じる、というエレンの選択により成し得なかった構図であり、

本来であればエレンは人間のまま表紙に映るべきですが、この表紙では実現しています。

……漫画を単行本化する場合、その巻に散りばめられた見所を表紙に集約するというやり方はしばしば見受けられるため、
実際にあり得ないシーンであっても、描かれることはなくはないのですが……
しかし例えばこの巻であれば、エレンの「選択」がテーマであるにも関わらず、

選択しなかった方が表紙でわざわざ描写されていることから、
やはりなんらかの意味を持っていると考えられます。

となると、エレンが巨人化しながらリヴァイ班と共闘した歴史が過去にあった、ということになります。

if説の根拠はこれだけではありません。

諌山創,講談社,「進撃の巨人」より引用

諌山創,講談社,「進撃の巨人」より引用

例えばエレンが人を攻撃した衝撃的な光景でも、

現在の世界線での背景の窓枠と、ミカサが頭痛を起こして回想した際の背景の窓枠とでは、全く異なるものになっています。

単なる作画ミスなど深い意味はない可能性ももちろんあります。

……が、おそらく作者も「if描写」についてはある程度読者が意識していることを頭に入れたうえで描写していることや、

かつ回想シーンで窓枠以外はきっちり再現しているのに窓枠だけ変えてあることから、

おそらく発生したイベントは同じものの、細かい点は異なるif世界の記憶であると判断できます。

ここまでを簡単にまとめると

選ばれなかった選択肢の結果が反映された記憶(=if)が存在している可能性がある

もちろんあくまで可能性の段階です。

ただ、これだけ「実際の描写と異なる回想やシーン」が描かれると、

if要素を前提に話を進めるのが自然、というだけで。

また、他にもif説の根拠となる要素はまだまだあるのですが、

if説の根拠となる部分を一気に挙げてしまうと初見の方に物凄く不親切な記事になってしまうので、

順序良く見ていきたいと思います。

さて、「選択しなかった結果が描写されてる可能性があるのね」ということを頭に入れた上で、

このif説を語る上で欠かせない重要人物に触れたいと思います。

それがミカサの存在。




ミカサと「if」の関係

まず先に触れておくと、ミカサはif記憶を把握しているような言動がたびたび見られます。

例えば先ほど窓枠の違いを例として挙げた「エレンの襲撃場面」。

実際の記憶と回想の背景の窓枠が異なる以上、

ミカサがif記憶を思い返している可能性が非常に高いです。少なくとも選ばれた現在の記憶ではありません。

諌山創,講談社,「進撃の巨人」より引用

また、上述の「エレンは私がいないと早死にする」というセリフ。

エレンには私がいないと、という好意の表れが過激なセリフとなってあらわれたようにも見えますが、

ミカサがif記憶を持っているという事実を踏まえた上で見ると「自分がエレンから離れるという選択をした結果、エレンを何度も失ったif記憶がある」という意味にも捉えられます。

諌山創,講談社,「進撃の巨人」より引用

このようにミカサには明らかに同じ時間を経験していることを自覚しているかのようなセリフが多く、

if記憶を漠然としたイメージ映像として見ている可能性は高いと思われます。

例えば138話で「エレンが口の中にいる」ことを把握していたり、後述のエレンとの逃避行描写も、

if記憶の流入によるものと考えられます。

選択の結果エレンを失ったif記憶を多く感じ取ったミカサ(各巻のif表紙)、

その中でも私たちが読んでいる「進撃の巨人」内で描かれている世界は、

「ミカサが選択を誤らずに、(おそらく無意識とはいえ)ゴールまでたどり着くことができた世界の話」であり、

我々読者はその物語をスタート地点から読んでいる、ということになります。

ゴールとは何なのか、という点については後述。

ここまでをまとめると

選ばれなかった選択肢の結果を反映したif記憶が存在している可能性があり、
ミカサはif記憶を把握しているかのような描写がある

さて、ここで気になる疑問。

なぜミカサだけがif記憶を見ることが出来るのか?

これだけ多くの登場人物が存在する中で、なぜミカサだけがif記憶を把握できるのか?

それはミカサが他の人間と異なる点を絞っていくと、わかりやすいです。

例えばif記憶を見ることが出来る条件が「104期の兵士であること」だったらどうでしょう。

該当者はミカサに限りませんし、そもそも104期だから過去の世界が覗けるというのも理屈としては通りませんよね。

このようにミカサが持つ要素を、マイナーなものに絞っていくと……




はい、

「①アッカーマンの血と東洋の血を併せ持つ」

「②始祖ユミルに選ばれた」

という、作中唯一の要素が2つ出てきました。

まず進撃の巨人という作品において、「血」の持つ効力は非常に大きいです。

「始祖の巨人」と「王家の血を流している者」が触れれば特殊な能力を発揮できる、という具合に、

特定の血が条件を満たすと何かが起きる、というのは散々示されてきた通り。

メタ的な解釈をすると、

「進撃の巨人という作品では、特別な血が流れている人間は特別なことを引き起こすことができる世界観なんだ」

と捉えると飲み込みやすいもしれません。

さて作中でも触れられた通り、アッカーマンの血族は爆発的な力と、始祖の記憶改竄に対する耐性を持っています。

諌山創,講談社,「進撃の巨人」より引用

一方で東洋の血に関しては詳細な効力は明言されていません。

……が、ここについてはおそらく作者により意図的に解説がなされていないと思われます。

理由としては、

意味深な印の継承描写が行われている点、

たびたび東洋の血がクローズアップされている点、

そして上述した通り「王家の血」など血が持つ特殊性が担保された世界観、

意味深なだけの無意味な描写はほぼ描いてこなかった作者の作風、

これらを統合して考えると

「東洋の血」(及び印の継承)にもやはり条件を満たすことで秘めたる力が発揮される可能性がある、と判断できます。

さてここでいま一度整理をしてみます。

ここまでの事実を整理

①選ばれなかった選択肢の結果を反映したif記憶が存在している可能性がある
②ミカサだけがif記憶を把握しているかのような描写がある

作中ではミカサだけがif記憶を把握しており、
「じゃあミカサだけが持ってて他の人にはないものはなんだろう(=それがミカサにif記憶を見る能力を与えている可能性が高い)」と考えると、
唯一ミカサだけが備えている要素は「アッカーマンの血+東洋の血(印の継承)」という血の組み合わせである、ということがわかります。

となると、ミカサの持つ「アッカーマン×東洋」という特殊な血の組み合わせが、

if記憶に干渉している可能性がある、
という結論を導き出すことができます。

「どちらか一方の血だけでも効果はないのか」という考えも生まれますが、

アッカーマンに関しては他にリヴァイやケニーが、

東洋の血に関しては他にヒィズル国の面々が該当しており、

しかし彼らはif記憶については気づいている素振りもありません。

ということはやはり唯一ミカサだけが備えている「アッカーマンの血+東洋の血(印の継承)」という組み合わせが、

記憶の改竄を防ぎ、if記憶を覗き見る条件になっているものと見て良いでしょう。

そしてミカサも機序について把握しているかどうかはともかく、

ある程度「異なる結果」について自覚があることもわかります。

さて、ミカサが唯一無二として持っているのは血の特殊性だけではありません。

それは「始祖ユミルに選ばれた」という点です。

これはエレンのセリフから直接語られていることもあり、明らかでしょう。

理由については作中で詳しく明かされていませんが、かなり確信を持って推測ができるので、そちらも後述。

ここまでをまとめると

①選ばれなかった選択肢の結果を反映したif記憶が存在している可能性がある
②ミカサはif記憶を把握しているかのような描写がある
③唯一ミカサだけが備えている要素である「アッカーマン×東洋」という特殊な血が、あるいは「始祖ユミルに選ばれた」という要素が、if記憶を見ることと関係している可能性が高い

さて、そんなミカサに大きく関わる要素が「頭痛」。




ミカサの頭痛

ミカサと言えばたびたび起こる頭痛。

結論から言うと、

「ミカサが精神的に強い苦痛を感じ、別の世界に逃避したいと感じた時に血の効果が発動、頭痛発生」

あるいは

「始祖ユミルの意思によりif記憶を流入され、そのために頭痛発生」、

この2つのどちらかが発生しif記憶がイメージとして流れ込む、というのがこの説です。

ミカサ自身はif記憶を見たい、と意図して見ているというよりは、

逃避したい、やり直したい一心の状態に血が反応しif記憶が流れ込んだり、

あるいは始祖ユミルの意思によりif記憶が挟み込まれており、

つまりミカサは流れてくる映像がif記憶である、とは自覚していません。

ミカサは映像を自分にとって「夢」や「理想のイメージ」と解釈し、if記憶を把握している、という流れだと思われます。

ミカサ自身が追い詰められ、選択に不安がよぎった時に見ることも多く、

「if記憶」はある意味ではミカサにとってより理想の内容にも見えるかもしれません。

ただif記憶がミカサにとってどれだけ理想であっても、

大極的に見れば不本意な形でエレンを失ったり、始祖ユミルの納得を得るものではなかった、というだけで。

頭痛に関しては

①始祖ユミルによる記憶の流入

②血の効力による強い圧力によるもの

そして

③記憶改竄に耐性をもつアッカーマンの血が、if記憶を得ることに対する反発

これらが個々に、あるいは組み合わさることで痛みが生まれていると考えられます。

諌山創,講談社,「進撃の巨人」より引用

ちなみにミカサがこれまでに頭痛を起こしたのは以下の通り。
・ダイナによる捕食でカルラ死亡時(2話)
・超大型巨人襲撃、ルイーゼ救出時(5話)
・エレンが巨人に捕食された時(7話)
・エレンが女型の巨人に捕食された時(29話)
・エレンがライナー達に攫われた時(45話)
・超大型巨人によりアルミンが全身大火傷を負ったのを見た時(83話)
・ルイーゼの敬礼を見た時(109話)

・アルミンと共にエレンからアッカーマンの話を聞いている時(112話)

基本的に大切な人物が大きなダメージを受けている時、あるいはルイーゼに関する場面で頻発していることがわかります。

ルイーゼに関しては「誰も傷ついてないし、強い苦痛を感じることも無いのでは?」という声もあがりそうですが、
ミカサに対するルイーゼの精神性が、エレンに対する自身(ミカサ)と重なった結果、

強い苦痛が生まれif記憶が流入した可能性が描写から見て高いです。

(あるいは、フリッツに対する始祖ユミルと重なった結果、始祖ユミルがif記憶を流した可能性もあります)。

これは考察では無く描写から読み取ることができる事実であり、基本的には「ミカサが苦痛に感じた場面」で頭痛が発生していると判断して良いでしょう。

改めて、ここまでをまとめます。

ここまでをまとめると

①選ばれなかった選択肢の結果を反映したif記憶が存在している可能性がある
②ミカサはif記憶を把握しているかのような描写がある
③唯一ミカサだけが備えている要素である「アッカーマン×東洋」という特殊な血、または「始祖ユミルに選ばれた」という要素が、if記憶を見ることと関係している可能性が高い
④ミカサが精神的苦痛を受けた場面などで「アッカーマン×東洋」の血の作用 or 始祖ユミルによる記憶流入が発動、if記憶が流れ込む(=作用による負荷や混乱、血の反発により頭痛発生)

 

if記憶が存在し、それをミカサがイメージとして把握していることがわかりました。

さてここで、

「いやいや、そもそも始祖ユミルって誰?」「なんで始祖ユミルがミカサを選ぶの?そもそも選ぶって何?」という疑問も生まれるかもしれません。

始祖ユミルと過去

はい、ここで始祖ユミルについてわかりやすく解説。

諌山創,講談社,「進撃の巨人」より引用

始祖ユミルと言えば、元奴隷であり、ある時「有機生物の起源」に触れたことで始祖の能力を獲得。

王にその能力を利用される形でエルディアを発展させ、マーレを滅ぼした人物です。

とある事件により命を落としたものの、始祖ユミル自身の死にはさほど興味は示されず、

その後王の命によりその亡骸はユミルの娘たちに食べられ能力は継承、

最終的に巨人の能力は九種類にまで分裂することになりました(九つの巨人)。

死後も精神は「座標」の空間に存在し、その空間に存在する砂をこねて巨人を作り続けました。

(エレン達が巨人化した際に生み出される肉体もユミルがこねて転送したもの。ちなみにこの空間で流れる時間は現実世界では一瞬です)。

諌山創,講談社,「進撃の巨人」より引用

ユミルの子孫は巨人になれる民族(ユミルの民と呼ばれています)であり、

その中の1人であるエレンの提示する「自由」に、始祖ユミルが同調し終盤の展開があるわけです。

始祖ユミルのことを上記のジーク風にまとめると、

「絶大な力を持つものの王に服従し続けた人生を送ってきた」のが始祖ユミルです。




始祖ユミルの「未練」とは

諌山創,講談社,「進撃の巨人」より引用

さて、そんなエレンと共に自由を求めた始祖ユミルですが、

生前、人生または世界に何らかの未練を残していました。

しかしそれが何かわからない……

その未練が払拭されるまで、始祖ユミルは王家の命に従い巨人を増やし続けてきた、とするのがこの説です。

では始祖ユミルの未練とは何なのでしょうか?

これは始祖ユミルや、クルーガーの発言にヒントがあります。

諌山創,講談社,「進撃の巨人」より引用

「人を愛せ、それができなければ繰り返すだけだ、同じ歴史を、同じ過ちを」

もちろんクルーガーが始祖ユミルの想いまで察して出たセリフでは無いかもしれません。

しかし始祖ユミルの未練を意識した上で上記のセリフを読むと、

それが何かも見えてくる気がしますね。

つまり「人を愛すること」。

諌山創,講談社,「進撃の巨人」より引用

作中では男女が愛し合っている様子を意味深に見る始祖ユミルのコマが描写されています。

始祖ユミルは奴隷として生まれ、始祖の能力を得た後も、

王家の血を引く人間に服従し続け巨人の能力を行使してきました。

彼女にとっての未練とはつまり、自分には感じられなかった「人への愛」だったのかもしれません。

しかし「単なる愛」だけが未練だったのでしょうか?

愛を見たいだけなら、上記のキスシーンで十分知ることが出来たはず。

最終話では、エレンの口から「始祖ユミルが王を愛していた」ことが判明します。

つまり愛を知った上で、それでも未練が残っていた……

ということは「単なる愛」を知るだけではないということになります。

それは果たして…?

ここまでをまとめると

①選ばれなかった選択肢の結果を反映したif記憶が存在している可能性がある
②ミカサはif記憶を把握しているかのような描写がある
③唯一ミカサだけが備えている要素である「アッカーマン×東洋」という特殊な血、または「始祖ユミルに選ばれた」という要素が、if記憶を見ることと関係している可能性が高い
④ミカサが精神的苦痛を受けた場面などで「アッカーマン×東洋」の血の作用 or 始祖ユミルによる記憶流入が発動、if記憶が流れ込む(=作用による負荷や混乱、血の反発により頭痛発生)

そして138話、ミカサとエレンのあのシーン。

諌山創,講談社,「進撃の巨人」より引用

諌山創,講談社,「進撃の巨人」より引用

ここでミカサに流れ込んできたのは、

エレンと逃避行を続けることを選択し、エレンが進撃の寿命を全うするif記憶となっています。

ラストが「いってらっしゃい」で締めくくられ、それが本作の1話のエレンの夢に繋がっている、

そして1話のエレンはこのif記憶を道を通じて見たことで泣いたものの、ミカサとは違い記憶改竄への耐性が無いため何の夢を見ていたかは忘れた…というのが大きな流れ(細部は異なるかもしれませんが、流れはおそらくこれ)。

つまり時系列としては

①138話:ミカサが始祖ユミルの意思(または血の作用)により「if記憶」を確認

②138話:if記憶の【いってらっしゃい】から1話の夢につながる

③1話:【いってらっしゃい】でエレン起床、涙を流すも記憶は無い

に繋がる、というわけですね。

さて物語は大詰め、

記憶操作を受けないアッカーマンの性質を持つミカサが、

始祖の能力を得たエレンによる記憶改竄攻撃(巨人化の痣が発現しているため試みたと思われる)と「俺のことは忘れてくれ」を拒否、

エレンの命令に背き自分の意思を貫く「愛しているからこそ殺す」選択をして、本編でのあの結末に至ります。

決して従属するだけではない「愛」、

そしてあの場面を見る始祖ユミルの表情は、これまでの未練を断ち切ったような生き生きとした表情に見えます。

始祖ユミルは愛と自由を求めていました。

始祖ユミルは「奴隷」「超常的な能力者」として見られ続けてきました。

「人間」として扱われることがなく、

異形となった自分に愛情を注がれることもありませんでした。

自分に近い圧倒的な立場となったエレンに対し、ミカサの深い愛を確認できたことは、

始祖ユミルの未練を払拭できたポイントとなったのでしょう。

そしてそんなミカサの取る行動に向けて、真っ直ぐに進撃し続けたエレンからも愛情を感じ取っていたはず。

そしてここからが肝心なのですが、始祖ユミルの最大の未練は「愛する人間との決別」だと思われます。

始祖ユミルは生涯に渡り王を愛し続け、守り、死後もその命令に逆らうことはありませんでした。

始祖ユミルは王を愛していましたが、同時に上記の理由から苦しんでもいました。

しかし「深い愛」を示し続けたミカサが「愛しているからこそ、決別する」姿勢を138話で見せたことで、

始祖ユミルの未練は払拭。

始祖ユミルは、

エレンにより「自由」を得て、

エレンとミカサから「深い愛」を学び、

そしてミカサから「愛しているからこその決別」を知ることができたために、

始祖ユミルは満ち足りた表情を浮かべ未練を払拭、王の狙いであった「ユミルの力の増殖」からも解放され巨人化能力が根絶された、というわけです。

はい、では今回私が考察したif説の結論。

if説とは

①選ばれなかった選択肢の結果を反映したif記憶が存在している可能性がある
②ミカサはif記憶を把握しているかのような描写がある
③唯一ミカサだけが備えている要素である「アッカーマン×東洋」という特殊な血、または「始祖ユミルに選ばれた」という要素が、if記憶を見ることと関係している可能性が高い
④ミカサが精神的苦痛を受けた場面などで「アッカーマン×東洋」の血の作用 or 始祖ユミルによる記憶流入が発動、if記憶が流れ込む(=作用による負荷や混乱、血の反発により頭痛発生)
⑤エレンとミカサの選択により138話のラストシーンに至った結果、「愛」と「自由」、そして「決別」を知った始祖ユミルの未練は払拭、王の命令からも解放され巨人化能力根絶

if説に限らず、ループ説だとしても大まかな流れは上記の通り起きているのでは、というのが今回主張する「if説」となります。




鳥籠

諌山創,講談社,「進撃の巨人」より引用

そして139話……エレンはユミルの力を使い、または生まれ変わりの描写として……鳥になりました。

元々「自由を奪う象徴」として描写されてきた鳥籠。

諌山創,講談社,「進撃の巨人」より引用

エレン巨人の最終形態はエレン自身が鳥籠に囚われているかのような姿だったことからも、それはわかります。

諌山創,講談社,「進撃の巨人」より引用

「鳥籠」という表現は作品を通してのキーワードにもなっていますね。

諌山創,講談社,「進撃の巨人」より引用

さて、エレン自身の見た記憶の中に、手をかざすファルコの描写がありました。
これは戦争に駆り出されたファルコが空を飛ぶ鳥に対して手をかざす姿です。
つまりファルコの頭上を飛ぶ鳥は、実はエレンだったということになります。

諌山創,講談社,「進撃の巨人」より引用

過去と現在と未来が同時に存在している以上、時間による縛りを受けないエレンが、
地ならし決着後に鳥の姿として、皆を見守り続けたのかもしれません。

諌山創,講談社,「進撃の巨人」より引用

この上空からの手を広げているという描写も、もしかすると鳥として翼を広げているエレンを表現しているのかもしれません。

エレンは人間として皆と一緒にいることはできなかったものの、
彼はずっと欲していた鳥籠からの脱出を果たしました。

鳥の姿でミカサやアルミンたちと共に、同じ世界を生きていくことになるのでしょう。

頭痛は記憶改竄が原因の可能性も

さて考察からミカサの頭痛の正体は、

【ミカサが精神的苦痛を受けると「アッカーマン+東洋」の血の効果発動、if記憶が流れ込む(=負担や血の反発により頭痛発生)】

としました。

可能性のもう一つとして挙げたのが、始祖の巨人による記憶改竄を受けた際に発生している、というもの。ここをもう少し丁寧に掘り下げます。

これはつまり、始祖ユミルが道を通じてミカサにif記憶の流入を試み、

異常な能力の影響を受けたために頭痛が起こった、ということですね。

ただしミカサの頭痛はたびたび起こっているものの、

始祖ユミルが「始祖の巨人」を利用してミカサに記憶を送り込んでいる描写はありません。

しかし始祖ユミルがミカサを選んだ以上、ミカサにだけif記憶を流していた可能性もあります。

伏線を振り返る

さて、if説を含めて進撃の世界についてがっつり見ていきましたが、ここからが本番。




諫山先生が仕込みに仕込んだ伏線・演出をじっくり見ていきます。

まずはこちら。

1話「13ページ目に 845」→138話「45ページ目に同じシーン」

諌山創,講談社,「進撃の巨人」より引用

諌山創,講談社,「進撃の巨人」より引用

進撃の巨人の第一話、全てはここから始まったというシーン。
1話の13ページ目、if記憶のミカサが「いってらっしゃい」とエレンを見送るような発言をするとともに「845」というその時点では年号のような数字が映し出されました。
これらが一体どのような意味なのか、という点について多くの意見があがりましたが、
物語終盤の138話45ページ目に、同様のif記憶シーンが描かれました。

諌山創,講談社,「進撃の巨人」より引用

1話と138話で共通したセリフが登場、

さらにそのタイミングが「13ページ目の845」と「138話の45ページ目」という、
13845という数字と場面が共通しているこの状態。

138話のこの場面ではおそらく、

「お前にとってオレはなんだ?」と問われた場面で、

別の選択をしたミカサ達が違う人生を過ごした結果のif記憶だと思われます。

エレンの寿命が尽きる際に「いってらっしゃい」と告げていますね。

そしてそこから1話の「いってらっしゃい」に場面も数字(13845)もつながっているわけです。

ページ数を一致させながら、エレンとミカサのセリフを逆転させ、

最後はやはりミカサの「いってらっしゃい」でシメるという、

非常に綺麗な流れとなっています。

もしかすると1話のあの場面が描かれた時点で、

「13ページ目の845は年号として使うだけでなく、138話の45ページ目にも同じシーンを描こう」という諫山先生の狙いもあったかもしれません。

だからこそ1巻の13ページ目のみ、ページ数表記を残しておいた可能性は十分にあります。

ミカサの名前

ちなみにミカサはスペイン語で「mi casa(私の家)」という意味。

ミカサが「私たちの家に帰りたい」という発言をしていることなどからも、

もしかするとこういった意味が本当に込められているのかもしれません。

また一部では、

進撃(エレン)は縦軸(未来や過去)を見通すことができるのに対し、

アッカーマンまたはヒィズル国(ミカサ)は横軸(if記憶)を見通すことができる、

それゆえに「座標」、との考察も上がっています。




 「2000年後の君へ」

これまでたっぷり触れてきた始祖ユミルに関係のある伏線もここで解説。

1話のサブタイトル「2000年後の君へ」。

「2000年後って何?君って誰?」という感じになりますよね。
これについてもさまざまな説が見られますが、最も支持されているのが

【2000年=始祖ユミルの寿命(13年)+巨人継承者の寿命の合計(13年×145代)+初代フリッツ王(102年)】

というもの。
エレンの代でちょうど2000年を満了するということになるため、
メタ的に考えると13年という寿命もこの2000年という数字を満たすため意図的に設定されたものなのであろうと推測されます。

この説に基づくと作中登場した「2000年後のキミへ〜」などがより意味深に見えてきます。

あるいは始祖ユミルはミカサを選んでいました。

以上から、
2000年前のキミ(始祖ユミル)から2000年後のキミ(エレン、またはミカサ)へ、という意味であると受け取ることができます。




 

記憶の旅におけるエレンとグリシャ

さて、続いては物語も終盤、ジークとエレンが「記憶」を辿る旅を始めた場面。
父親であるグリシャやエレン達のこれまでを、エレンとジークの二人で時系列に沿って確認していくのです。

実は1巻のこの場面も……

諌山創,講談社,「進撃の巨人」より引用

諌山創,講談社,「進撃の巨人」より引用

未来から来たエレンとばっちり目を合わせながら話していたグリシャ。
あの時点で姿こそ見えないものの、大人エレンが登場していたことになりますね。

さて、そうなると気になるのが他のシーンにもエレンやジークが登場していたのでは?という説。
省略されたものの、他の「過去」にも訪れている可能性はあります。
可能性が考えられる場面を探っていきましょう。




記憶の旅におけるエレンとジーク

諌山創,講談社,「進撃の巨人」より引用

3巻12話、巨人化したエレンが屋根の上のミカサに殴りかかる場面。かなり初期に登場した場面ですね。
画像中央部をご覧ください、2つの人影が存在するのが確認できます。

「わかりづらい」という方に向けて画像を拡大して見てみましょう。

諌山創,講談社,「進撃の巨人」より引用

はい、がっつり2人分描かれていますね。
この場面は巨人の襲撃という非常事態故に一般人が普通に立っていることは考え辛く、
また兵士であれば立体起動等を駆使して建物の屋根の上に位置取るのが基本です。
となるとこの人影の正体は一体…?
はい、ここで考えられるのが「記憶の旅をしていたエレンとジーク」。
エレンに関係する場面ですから二人が「記憶」を巡る中でここに辿り着く可能性は十分にあります。
「逃げ遅れた一般人」ということも考えられますが、
人影からは慌てているような素ぶりは見られず、むしろじっくりとエレンを確認しているように見えます。

諌山創,講談社,「進撃の巨人」より引用

続いてはアニメ進撃の巨人2話から。
幼いエレン、アルミン、ミカサの3人が話をしている場面ですが
この画像の右奥に注目。
誰かが柱に寄りかかっていることがわかりますね。
拡大してみましょう。

諌山創,講談社,「進撃の巨人」より引用

…エレンなのでは?
ジークはどこに行った、ということになりますが画面から見切れているだけかもしれません。
(あるいは何らかのアクシデントによりエレンのみがこの場面にたどり着いたのか)

グリシャの妻がグリシャの妻を

エレンの母親、カルラが巨人に食べられる衝撃的なシーン。
超大型巨人と共に、第一話にで視聴者に大きな衝撃を与えた巨人でしたが、
その正体はグリシャの元妻であるダイナ。
無垢の巨人化する直前にダイナは「どんな姿になってもあなたを探し出すから」と言い残しており、
その言葉通りグリシャの住処に訪れたことになります。
結果、その家に住んでいたグリシャの妻を食べることになったわけですが……。

ダイナは壁内に入る前に人間状態のベルトルトと遭遇しているのですが、

ベルトルトは襲わずにカルラのみを付け狙う執念、
グリシャの妻がグリシャの妻を食う、というなんともいえない顛末となりました。

しかし最終話にてさらなる真相が。

ダイナがベルトルトをスルーしたのは、

あの時ベルトルトを死なせるわけにはいかなかったエレンがそう仕向けた、というものでした。

ベルトルトが死ぬと、のちにアルミンがその力を継承することができず(この世界の救世主として崇められる存在にできない)、

また母親のカルラが生き延びてしまうと、幼少期のエレンが巨人に対する強烈な復讐心を抱くこともなくなってしまうため、

決められたゴールまでの道筋を整えるために、ベルトルトを生かし、母親のカルラを死なせる決断をエレン自らが行なったのでした。

その行動の結果、世界から巨人化能力は取り除かれ、仲間たちをひとまずは救うことができたエレン。

もしあの時ベルトルトが襲われていれば、

超大型巨人の能力がアルミンに継承され救世主になることもなく、エレンが自由こそ求めるも巨人の駆逐をあそこまで強く追求することもなかったでしょう。




「13」という数字

諌山創,講談社,「進撃の巨人」より引用

先ほども触れた通り、1巻の13ページ目には845という年号が記載されています。
しかしこれも先程触れた通り、そもそもこの13ページ目のみ「13」という数字が振られているんです。
なぜこのページにのみ数字が……?と思われるかもしれません。
進撃の巨人において13という数字はさまざまなところに顔を出しており、
始祖ユミルおよび巨人継承者の寿命は13年、
122話にてユミルが指を指される場面も13人に指をさされており、
さらにユミルは13ページ目に巨人化、その13ページ後に命を落としています。
エレン達主要メンバーが属する「104期」も、散々触れてきた「845」も13の倍数。

そして138話の45ページ目…という変則的な形でも13という数字は絡んでおり、
進撃とは切っても切り離せない関係にあると言えるでしょう。

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少し長くなってきたのでここでページを跨ぎます。

次のページではそもそもなぜ巨人が人間を捕食するのか、なぜ奇行種が生まれるのか、

フロックに関する考察、ライナー・ベルトルト・アニ達、

イルゼとユミルの関連についての伏線についても触れていきます。

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