概要
ペパーミントはウォーターミントとスペアミントの自然交雑によって生じた植物である。ペパーミントオイルは、その葉や花の部分から得られる高濃度の精油で、古くから消化器症状に用いられてきた。現在は過敏性腸症候群(IBS)、消化不良、頭痛、吐き気などを目的に利用されることがある。[1]
過敏性腸症候群(IBS)
成人のIBSでは、腸で溶けるよう加工した腸溶性カプセルのペパーミントオイルが、症状を軽くする可能性がある。2022年の10研究・1,030人を対象としたレビューでは、全体的なIBS症状と腹痛の改善でプラセボを上回った一方、副作用はプラセボより多かった。副作用の多くは胃酸の逆流や消化不良など軽いものであった。[1]
2021年の米国消化器病学会の診療ガイドラインでは、IBSの全体的な症状を和らげる選択肢としてペパーミントオイルが推奨されている。腸溶性製剤は、胸やけや消化不良を減らす可能性がある。[1]
その他の研究
がん化学療法に伴う吐き気や嘔吐については、ペパーミントオイルの吸入が役立つ可能性を示す研究がある。2024年のアロマテラピーに関するレビューでは、ペパーミントオイルを扱った4研究・290人で、吐き気や嘔吐の軽減が報告された。[1]
皮膚に塗るペパーミントオイルについては、緊張型頭痛の軽減を示す限定的な研究がある。内視鏡検査などの処置中のけいれんを減らす目的でも研究されているが、その他の用途について確かな結論を出せる情報は十分ではない。[1]
安全性・注意点
一般的に用いられる量での経口摂取や皮膚への使用は、臨床試験では概ね安全に行われている。経口摂取では胸やけ、吐き気、腹痛、口の乾きなどが起こることがある。皮膚への使用では発疹や刺激が生じる場合がある。[1]
ペパーミントオイルに含まれるメントールは、乳児や幼児の呼吸に悪影響を与える可能性があるため、顔の周囲に使用すべきではない。妊娠・授乳中に食品として通常摂取する量を超えて使用する場合の安全性については、十分な情報がない。[1]