パーキンソン病

最終更新:2026年8月13日

パーキンソン病は、黒質のドパミン作動性神経細胞が減少し、αシヌクレインを含むレビー小体などがみられる進行性の神経変性疾患である。運動症状だけでなく、自律神経、睡眠、気分、認知などにも影響する。[1]

概要

代表的な運動症状は、動作が遅くなる寡動・動作緩慢、安静時振戦、筋強剛であり、発症初期には左右差がみられることが多い。姿勢保持障害は比較的後期に目立つ。[1]

運動以外の症状

便秘、嗅覚低下、レム睡眠行動障害などは運動症状より前から現れることがある。進行に伴い、起立性低血圧嚥下障害、排尿障害、抑うつ、認知機能低下、幻覚などが問題となる場合がある。[1]

病態

運動症状の中心には、黒質のドパミン作動性神経細胞の減少と、それに伴う基底核でのドパミン不足がある。病理学的にはαシヌクレインの異常蓄積が重要で、変化は中枢神経系だけでなく消化管や自律神経系にも及ぶとされる。[1]

診断

診断は主に病歴と神経学的診察に基づく。パーキンソン病を確定する単一の血液検査や画像検査はなく、MRIなどは類似した症状を起こす別の病気を除外するために用いられる。診断が不確かな場合にはドパミントランスポーター画像が補助的に使われることがある。[1]

治療

治療は症状を軽減して機能を保つことを目的とする。運動症状にはレボドパが最も有効な薬物療法とされ、通常はカルビドパと組み合わせて使用する。進行例で薬の効き方が大きく変動する場合などには、適応を選んで脳深部刺激療法(DBS)が検討される。運動療法、作業療法、言語・嚥下へのリハビリテーションも管理の一部となる。[1]

関連項目

本態性振戦アルツハイマー病筋萎縮性側索硬化症(ALS)を参照。

エビデンス・科学的評価

レボドパはパーキンソン病の運動症状に対する最も有効な薬物治療とされる。一方、病気の進行そのものを止めることが証明された治療はない。DBSは適切に選択された進行例で運動変動を軽減し、生活の質を改善する選択肢となる。[1]

安全性・注意点

レボドパでは消化器症状、ジスキネジア、幻覚を伴う精神症状などが起こることがある。進行例では複数の薬を併用することが多く、薬物相互作用や副作用への注意が必要となる。DBSは専門施設で適応を検討し管理する治療である。[1]

参考文献・参考情報

  1. NCBI Bookshelf: Parkinson Disease ↩本文

カテゴリ:症状・疾患 / 神経

タグ:ドパミン / 神経変性 / 運動障害