みなさんこんにちはこんばんはゆきるりです。
今回は確定申告についてを詳しく解説していきたいと思います。
確定申告とは
今回は確定申告の対象者や必要書類、記録方法など「確定申告に関するややこしいこと」を全て解説していきます。
しかしここで一つの素朴な疑問。
そもそも「確定申告」とは何なのでしょうか。意外とその目的がはっきりとわからない、という方もおられるのでは。
私が小学生の頃はその意味が全くわかっておらず、ただ言葉の響きが格好いいという理由で友達に「あー、今度の土日に確定申告しに行かなきゃいけないわ」とか言っていました。何者なんだよ
さて確定申告とは所得税額の確定を目的とした申告手続きのこと。
対象年度の1月1日~12月31日の間に得たすべての所得の金額を計算し、それに対する所得税を導き出す、というわけですね。
確定申告が必要な人
とはいえこの確定申告、「自分はやったことないぞ」という方もおられますよね。
皆さんの周りにも確定申告を経験したことのある人と経験したことのない人、分かれるのではないでしょうか。
私も今年の2月までは確定申告をしたことがありませんでした。小学生時代の土日にやってたんじゃないのかよ
ではどのような人が行う必要があり、そのような人は行う必要がないのかをみていきましょう。
①年間の所得金額から所得控除額を差し引いてもプラスとなる場合
はい、まずはこちらのケース。
雑損控除や医療費控除といった所得控除額を、所得額が上回っている場合にこのケースが該当します。
(※「控除」については後ほど詳細に説明します)
ただし給与等を特定の一カ所から受けている場合はこの確定申告を行う必要がない、とされています。
例えば多くの会社員の方や、病院に勤務していた頃の私などが該当します。
これは会社が「年末調整」というかたちで会社員の代わりに確定申告を行ってくれているため、個人が行う必要はないわけですね。
多くの会社員の方が確定申告を経験したことがないのはこのためです。
- 年末調整とは?
会社員や公務員の場合は毎月の給与から所得税が引かれるのですが、その天引きの際
① 配偶者特別控除を除く人的控除は概算(大まかに計算している)
② その他の控除については加味されていない
ため12月に控除の書類を提出、
改めて所得税を算出し過不足を精算します。
これが「年末調整」。
この「年末調整」では、社会保険料控除、生命保険料控除、地震保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、住宅を購入した際のローン控除および人的控除を受けることができます。
②年間の給与収入が2000万円を超える場合
はい、次にこちらのケース。
仮に会社勤めの場合でも給与年収が2000万円を超える場合は確定申告を行う必要があります。
これは先ほど説明した年末調整の対象が「給与収入が2000万円以下の者」に限られているためですね。
個人の代わりに会社が年末調整を行なってくれるのですが、
年収が2000万円を超えた場合には年末調整の対象から外れるため個人で確定申告を行う必要がある、というわけです。
③給与所得・退職所得以外の所得が20万円を超える場合
さて続いてはこちら。
給与所得・退職所得以外の所得、
つまり副業や投資による所得が20万円を超える場合に該当します。
「年収は2000万円を超えていないから確定申告は必要ないはず」と思っていても、
副業や投資による所得額を一度計算してみることをお勧めします。
期限や時期
さて続いては確定申告を行う期限や時期について。
基本的に毎年2月16日~3月15日の1ヶ月間が確定申告を行う期間として定められています。
例えば2019年の1月1日~12月31日までの所得を2020年の上記に期間中(2月16日〜3月15日の間)に申告する、ということになります。
仮に上記の期限を越えてしまった場合には「期限後申告」として扱われ、無申告加算や延滞税などが課せられてしまいます。
- 無申告加算税とは
確定申告を行わないままの状態で税務署から指摘があった場合、「期限後申告」を行う必要があります。
この際に「無申告加算税」として納税額のうち50万円までは15%、50万円を超える場合には20%をとられてしまいます。
ただし税務署から指摘を受ける前に「期限後申告」を行った場合、「無申告加算税」は5%となります。
仮に「あっ、そういえば確定申告し忘れてた…」という場合でも、
そのままにせずに期限後申告を行うことで「無申告加算税」が軽減される、というわけですね。
- 延滞税とは
申告により確定した税額を法定納期限までに完納しない場合、
あるいは期限後申告書又は修正申告書を提出した場合に、
法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて、利息に相当する延滞税が自動的に課されます。
さて期限後申告にはこの「延滞税」と「無申告加算税」が課せられることになりますが、
悪質な課税逃れが明らかになった場合は「重加算税」が課せられるケースがあります。
- 重加算税とは
また無申告かつ課税逃れが悪質であると判断された場合、納税額の40%をもっていかれる「重加算税」が課せられるケースもあります。
「面倒だから」といって放っておくと思わぬ課税が飛んでくる可能性がある、
ということですね。十分にご注意を。
青色申告と白色申告
さて、確定申告には青色申告と白色申告の2種類の方法が存在します。
「青色申告の方が複雑そう…」
「白色申告は簡単そうだな」
こういうイメージを抱かれている方も少なくないのでは。
「そもそも〜色申告って何のことやら…」という方もおられるかと思います。
では比較しながら見ていきましょう。
白色申告とは
「青色申告」の申請書を提出していない事業者が行う確定申告制度です。
家計簿をつけるのと同じように収入(売上)と支出(仕入・経費)を日付とともに記入していく「単式簿記」で記録します。※詳細については後述
収入や支出が少ない場合には1日をまとめた合計額での記帳が認められているのは大きなポイント。
青色申告と比べて手間がかからず進めることができるのは白色申告の強みと言えます。
青色申告とは
不動産所得、事業所得、山林所得を有する事業者が日々の取引を帳簿へ記録、確定申告書に記載して申告する制度のことです。
ただし、青色申告を行う場合には税務署に事前に申請書を提出し承認を受ける必要があります。
※新たに事業を始めた場合…
開業日から2カ月以内に「所得税の青色申告承認申請書」を提出する必要があります。
※すでに事業等を営んでいる場合…
青色申告を行う年の3月15日までに「所得税の青色申告承認申請書」を提出する必要があります。
事前に税務署に届出をすませる必要がありますが、その代わりに青色申告の最大のメリットである最大65万円もの控除を受けることができます。
この65万円もの控除を受ける場合には「複式簿記」による記録が必要となります。
「単式簿記」と比べるとやや手間がかかるのがネック。
では単式簿記と複式簿記の違いについて説明しましょう。
単式簿記と複式簿記の違い
単式簿記とは
1回の取引につき1つの項目を使用して記録する方法です。
例えば10月10日に30万円が現金で入り、10月11日に家賃50,000円が預金から引き出された場合には以下のように記録をします。
10月10日 給与(摘要欄) 300,000円(収入欄)
10月11日 家賃(摘要欄) 50,000円(支出欄)
残高 250,000円(残高欄)
はい、なんだか簡単にできそうですよね。
簡易的にお金の動きを記録することができるため簿記に関する知識がなくても始められるのが単式簿記のメリット。
ただしお金の増減理由がわかりづらく、利益等が一括りになっているため内訳もわからず、
売掛金や減価償却などのお金が動かない取引は記録できず、と全体的な資産や損益が非常に不透明になってしまうため、
単式簿記では損益計算書などの作成ができず、今回説明した「青色申告」による控除も10万円までしか受けられません。
複式簿記とは
お金の増減や残高だけでなく、収支がどのように発生したかの動きも帳簿に記録するため、1回の取引で2つ以上の項目を使用します。
単式簿記の説明の際に挙げた例と同じく、
例えば10月10日に30万円が現金で入り、10月11日に家賃50,000円が預金から引き出された場合には「仕訳帳」と「総勘定元帳」に以下のように記録をします。
- 仕訳帳
10月10日 【借方】現金:300,000/ 【賃方】売上:300,000
10月11日 【借方】地代家賃:50,000/ 【賃方】普通預金:50,000
- 総勘定元帳
【現金】
10月10日 【摘要欄】 【借方】 /【摘要欄】売上【貸方】300,000
【売上】
10月10日 【摘要欄】現金【借方】300,000/【摘要欄】 【貸方】
【普通預金】
10月11日 【摘要欄】地代家賃【借方】50,000/【摘要欄】 【貸方】
【地代家賃】
10月11日 【摘要欄】 【借方】 /【摘要欄】普通預金【貸方】50,000
はい、単式簿記と比べて一気に記録する項目が増えました。
複式簿記では「仕訳帳」と「総勘定」の2つの帳簿を使って記録していきます。
単式簿記と比べると複雑な部分が目立ちますが、お金の動きがより性格に把握できたり、決算に必要な財務諸表の作成が可能となります。
さらに「青色申告」で複式簿記による記録を選択した場合は65万円もの控除を受けることができます。
手続きや手間こそかかるものの、得られるメリットは小さくないため個人的には「青色申告」の複式簿記をお勧めしております。
控除
さて、この記事に出てくる「控除」についても見てみましょう。
「控除」とはある金額から一定の金額を差し引く、という意味で
所得控除を受ければそれだけ所得を減らすことができ、支払う税金が減るというメリットになります。
それでは所得控除の各種類を見ていきましょう。
基礎控除
まずはあなたも私も、誰でも受けることができる「基礎控除」。
一律38万円を基礎控除として所得から差し引くことができます。
(※2020年分からは基礎控除額は48万円に増額されます)
ただし所得金額が2,400万円を超えると基礎控除は減額します。
- 所得金額:基礎控除額
~2,400万円:48万円
2,400万円超~2,450万円以下:32万円
2,450万円超~2,500万円以下:16万円
2,500万円超:適用されない
雑損控除
本人や配偶者、生計を一つにしている親族が、盗難や災害により損失が生じた場合に一定金額の控除を受けることができます。
この際に火災であれば消防署へ、盗難であれば警察署へ届け出る必要があります。
医療費控除
病院での診察代等や病院までの交通費、薬局で購入した薬が対象となる医療費控除。
※ただし「医療費控除」は後述する「セルフメディケーション税制」と併せて適用することはできません。
具体的な控除額は以下の式で計算されます。
- 医療費控除=(実際に支払った金額-保険金などで補填される金額)-10万円(※対象年度の総所得金額が200万円未満の場合は「10万円」ではなく総所得金額の5%となります。)
セルフメディケーション税制
特定一般用医薬品等の購入費用が1万2千円を超える場合、超えた金額の控除を受けることができます。(上限は8万8千円)
※ただし「セルフメディケーション税制」は「医療費控除」と併せて適用することはできません。
配偶者控除・配偶者特別控除
所得金額が38万円以下の控除対象配偶者がいる場合、38万円の「配偶者控除」を受けることができます。
また配偶者の年齢が70歳以上の場合、「老人控除配偶者」として48万円もの「配偶者控除」を受けることができます。
ただし2018年分からは納税者の所得金額に応じて控除が減額されます。
生命保険料控除
保険契約日が平成23年12月31日以前の場合は最高10万円まで、
平成24年1月1日以降の場合は最高 12万円までの控除が受けられます。
※ただしその際生命保険会社から届く葉書などが必要になってきます。
地震保険料控除
地震保険料が最大で5万円まで控除できます。
扶養控除
所得金額が38万円以下の控除対象扶養親族がいる場合、
38万円~63万円の扶養控除が適用できます。
※2020年分以後は「基礎控除」額が10万円増加することに伴い、扶養親族の所得金額基準も38万円から48万円に増加することとなります。
寡婦・寡夫控除
シングルマザー・シングルファザーが27万円又は35万円の控除が受けられる、というもの。
ただし配偶者と離婚や死別等した場合に限る上、
仮に子供がいても未婚の場合にな控除対象外になります。
社会保険料控除
本人・配偶者・扶養家族のために支払った国民健康保険料、国民年金、国民年金基金の掛金が全額控除されます。
※ただし払ったことを証明するものは保管しておくように注意してください。
小規模企業共済等掛金控除
個人事業主のための退職金制度の掛け金は「小規模企業共済等掛金控除」により全額控除されます。
寄附金控除
地方公共団体や特定の公共法人、国などに年間を通じ寄附した合計金額から2,000円引いた額を「寄附金控除」として所得から控除することができます。
※寄附金の合計額は所得金額の40%相当額が控除の上限となっています。
勤労学生控除
①学生
②給与所得などの所得金額が65万円以下
③その所得金額のうち、給与所得以外の所得が10万円以下
以上3つの条件を満たした場合に27万円を所得から控除することができます。
障害者控除
納税者自身やその配偶者、また扶養家族に障害者がいる場合、
1人につき27万円を障害者控除として差し引くことができます。
また特別障害者(精神または身体に重度の障害がある場合)に該当する人は、1人あたり40万円を差し引くことができます。
必要書類
さあ確定申告に必要となる書類について改めて見ていきましょう。(白色申告・青色申告の説明時に1度明記しましたが)
「確定申告って何か色々と書類関係ややこしそう」と思われている方も少なくないのでは。
ここでどういった書類が必要となるのかを挙げていきます。
①確定申告書
これには「A」と「B」の2種類が存在します。
- 確定申告書A:会社員やアルバイトをされている方などはこちら。
- 確定申告書B:フリーランスや個人事業主が用いるのはこちら。
②収支内訳書(白色申告の場合)
白色で確定申告を行う場合に必要となります。
税務署窓口で手に入れることができ、また国税庁のホームページからもダウンロード可能です。
②青色申告決算書(青色申告の場合)
青色で確定申告を行う場合に必要となります。
税務署窓口で手に入れることができ、また国税庁のホームページからもダウンロード可能です。
③源泉徴収票
給与所得者や年金受給者の場合は必要となります。
④公的年金等の源泉徴収票
年金を受け取っている方の場合は必要となります。
⑤控除証明書
前述した「控除」を受けたい場合に必要となります。
領収書
必要経費を証明する際に不可欠なのがこの領収書。
添付書類ではありませんが、確定申告に臨む上で領収書の整理は重要。
領収書ごとにどのような目的で使用したのかを明記して仕分けしておくとよいでしょう。
提出手段
さて確定申告の提出方法についても明記しておきます。
せっかく頑張って仕上げた確定申告ですから、間違いのないように提出しておきたいところ。
申請書の提出方法は以下の3つです。
①住所地等の所轄税務署の受付に持参する
②郵便または信書便により住所地等の所轄税務署に送付する
③オンライン(e-Tax)で申告する
確定申告はオンライン上でも可能です。
「国税電子申告・納税システム」を利用することで「電子証明書」を取得し、納税地を管轄する税務署に「電子申告・納税等開始届出書」を提出すれば、
国税庁ホームページの「e-Taxの開始(変更等)届出書作成・提出コーナー」からオンラインでの提出が可能となります。
私もこれまでの確定申告は全て「e-Tax」で済ませています。お勧めです。
最後に
いかがだったでしょうか。
はじめは戸惑うことも多い確定申告。
わからないことは一つ一つ丁寧に確認しながら作業を進めていくことが重要といえます。
というわけで今回はこのあたりで記事を締めます。
また次回お会いしましょうさようなら。
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