発症の仕組み
女性では骨盤底筋や結合組織による尿道支持の低下と尿道過可動性が主要な原因で、尿道括約筋そのものの機能低下である内因性括約筋不全も原因となる。膀胱内圧が尿道閉鎖圧を上回ると尿漏れが起こる。[2]
主な危険因子
女性では妊娠、経腟分娩、閉経、肥満、骨盤手術、慢性便秘、慢性咳嗽、喫煙などが関係する。男性では前立腺手術後に括約筋機能が低下して腹圧性尿失禁が生じることがある。[2]
ほかの尿失禁との違い
急な強い尿意とともに漏れる切迫性尿失禁、膀胱に尿が残り過ぎて漏れる溢流性尿失禁などとは機序が異なる。腹圧性と切迫性が同時にある場合は混合性尿失禁と呼ばれる。[1][2]
評価
診断では、どの動作で漏れるか、頻度や量、生活への影響、出産・手術歴、薬剤などを確認する。身体診察、咳ストレステスト、残尿測定、尿検査などが初期評価に含まれ、合併症のない典型例では尿流動態検査は必須ではない。[2]
保存的治療
体重管理、禁煙、便秘や慢性咳嗽への対応などの生活調整に加え、骨盤底筋訓練が代表的な保存療法である。必要に応じて理学療法、バイオフィードバック、ペッサリーなどが検討される。[2]
外科的治療
保存療法で十分な改善が得られず症状が強い場合には、尿道スリング、膀胱頸部支持術、尿道充填剤、人工尿道括約筋など複数の手術・処置が選択肢となる。適した方法は性別、原因、重症度、既往手術などによって異なる。[2]