概要
ホメオパシーは、約200年前にドイツで発展した医学体系である。基本となる考え方は、健康な人に似た症状を起こす物質が病気を治すという「類似の法則」と、薬の量が少ないほど効果が大きいとする「最小投与量の法則」である。[1][2]
製品には植物、鉱物、動物由来の物質などが使われ、元の物質の分子が残らないほど希釈されているものも多い。砂糖の粒、錠剤、液剤、軟膏、クリームなどさまざまな形があり、同じ症状でも人によって異なる製品を選ぶ「個別化」が行われる。[1][2]
研究・エビデンス
ホメオパシーが特定の健康状態に有効な治療法であることを支持する証拠は乏しい。オーストラリア政府の国立保健医療研究評議会が2015年に行った評価では、57件のシステマティックレビューに含まれる176件の研究を検討し、いずれの健康状態についても有効性を示す信頼できる証拠はないと結論づけた。[1][2]
ホメオパシーの中心的な理論の一部は、現在の基本的な科学概念と一致しない。特に、活性成分とされる物質が測定できないほど希釈された製品では、作用の検証自体が難しくなる。[1][2]
予防接種との関係
「ノソード」などと呼ばれるホメオパシー製品が予防接種の代わりとして宣伝されることがあるが、従来のワクチンの代替として有効であることを示す信頼できる科学的根拠はない。[1][2]
安全性・注意点
高度に希釈された製品が多い一方、ホメオパシーと表示された製品の中には相当量の活性成分を含むものがあり、副作用や薬物相互作用を起こす可能性がある。重金属などを含む製品や、十分に希釈されていない製品による有害事象も報告されている。[1][2]
有効性が確立した標準的な治療をホメオパシーに置き換えたり、受診を遅らせたりすること自体が健康上の危険につながる場合がある。ホメオパシー製品を従来の予防接種の代わりに使用することも支持されていない。[1][2]
日本での位置づけ
厚生労働省eJIMは、日本学術会議が2010年に「ホメオパシーの治療効果は科学的に明確に否定されている」とする会長談話を公表したことを紹介している。[2]