DPP-4阻害薬

最終更新:2026年8月20日

DPP-4阻害薬は、2型糖尿病の血糖管理に用いられる経口薬である。DPP-4という酵素を阻害してインクレチン作用を保ち、インスリン分泌を促進し、グルカゴン分泌を抑える。[1]

概要

DPP-4阻害薬は「グリプチン」とも呼ばれる2型糖尿病の経口血糖降下薬で、シタグリプチン、サキサグリプチン、リナグリプチン、アログリプチンなどがある。単独または他の糖尿病薬と併用される。[1]

作用の仕組み

DPP-4は、食後に分泌されるGLP-1やGIPなどのインクレチンを分解する酵素である。DPP-4を阻害するとGLP-1とGIPの作用が長く保たれ、膵β細胞からのインスリン分泌が増え、グルカゴン分泌が抑えられることで、食後および空腹時の血糖上昇を抑える。[1]

特徴

一般に体重への影響が小さく、単独使用では低血糖の頻度も低いとされる。ただし、スルホニル尿素薬など低血糖を起こし得る薬と併用すると低血糖リスクが上がる。[1]

使用時の評価

シタグリプチンやサキサグリプチンでは腎機能に応じた用量調整が必要になることがあり、治療開始後は血糖と腎機能の確認が行われる。サキサグリプチンはCYP3A4/5を介する薬物相互作用にも注意が必要である。[1]

安全性・注意点

DPP-4阻害薬では鼻咽頭症状など比較的軽い副作用のほか、重い関節痛や皮膚反応が報告されている。市販後には急性膵炎との関連も報告されているが、因果関係が明確でない点もある。サキサグリプチンでは心不全による入院増加との関連が示されたため、心不全リスクがある患者では薬剤選択に注意が必要となる。[1]

エビデンス・科学的評価

DPP-4阻害薬の大規模試験では、シタグリプチン、アログリプチン、サキサグリプチン、リナグリプチンについて、プラセボと比べ心血管死・非致死性心筋梗塞・非致死性脳卒中の増加は示されなかった。一方、サキサグリプチンでは心不全入院増加との関連が報告されている。[1]

参考文献・参考情報

  1. NCBI Bookshelf: Dipeptidyl Peptidase IV (DPP IV) Inhibitors ↩本文

カテゴリ:基礎概念 / 糖代謝 / 薬理

タグ:DPP-4阻害薬 / インクレチン / 糖尿病

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