← 編集履歴へ戻る

房室ブロック

2026年8月20日 16:36 / 雨崎ハーリィ に保存された版

房室ブロックは、心房から心室へ電気刺激が伝わる房室伝導が遅延または途絶する伝導障害であり、程度によって1度、2度、3度に分類される。[1]

概要

正常では心房の興奮を示すP波の後に一定のPR間隔をおいてQRS波が続く。房室ブロックでは房室結節またはその下流の伝導系に障害があり、刺激伝導が遅れたり一部または全部が心室へ届かなくなったりする。[1]

分類

1度房室ブロックではすべてのP波が心室へ伝わるがPR間隔が200ミリ秒を超えて延長する。2度では一部のP波が伝導されず、Mobitz I型とMobitz II型などに分かれる。3度では心房と心室の電気活動が互いに独立する完全房室ブロックとなる。[1]

評価

心電図でP波とQRS波の関係を確認して分類し、薬剤、虚血、電解質異常、感染症など可逆的原因を調べる。症状や血圧など血行動態の安定性も治療判断に重要となる。[1]

治療

無症状の1度やMobitz I型では原因薬剤の調整と経過観察でよい場合がある。Mobitz II型、高度房室ブロック、3度房室ブロックでは失神や心停止へ進む危険が高く、入院監視を行い、症状や血行動態に応じて一時的または恒久的ペースメーカーを検討する。[1]

原因

後天性の房室ブロックでは、加齢に伴う伝導系の変性や線維化が代表的である。ほかに心筋虚血・心筋梗塞、心筋炎、電解質異常、内分泌異常、毒性物質、心臓手術などが原因となることがあり、β遮断薬、非ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬、ジゴキシン、アデノシン、一部の抗不整脈薬なども房室伝導を低下させ得る。[1]

合併症と経過

房室ブロックの合併症には失神、心不全、心房細動、心停止などがあり、高度な伝導障害では徐脈に伴う心室頻拍や突然死が起こることもある。予後はブロックの程度だけでなく、基礎心疾患や年齢、併存疾患にも左右される。[1]

エビデンス・科学的評価

房室ブロックでは心電図による伝導障害の型の判定と可逆的原因の評価が重要で、Mobitz II型や高度・完全房室ブロックではペースメーカー治療が必要となることが多い。[1]

安全性・注意点

高度房室ブロックは心停止、心室頻拍、突然死につながる可能性がある。失神、低血圧などを伴う場合は緊急の監視と治療が必要となる。[1]