観客の反応があたたかい
はい、M-1ではしばしば舞台上の漫才師のネタの出来と、観客席の反応が乖離することがあります。
例えば2017年のM-1はネタの出来以上に盛り上がっていましたし、
2018年の場合はネタの出来以上に盛り下がっていました。
これは別にお客さんが悪い、ということを言いたいわけではありません。私もスタジオに行けば、緊張感や熱気にあてられ、普段通り笑える自信はありませんし。
とはいえ芸人からすれば、ある程度ネタの出来に応じた反応が欲しいのも確かで、
特に2018年は爆発した霜降り明星のネタ時以外は、客席の反応がかなり渋かったのは否めません。
(もう少し笑ってあげてもよいのでは、と考えてしまうほどでした)
そういう意味では2019年M-1は、ネタの出来にほぼ適正と見られる反応が上がっており、
その結果客席も順調に盛り上がっていった、というのが2019年大会を歴代最高のものとした大きな要因として挙げられるかと思います。
今後も出来れば、前説やスタッフの方には2019年を一つのラインとして、客席を盛り上げていただければ芸人や視聴者からすれば楽しみやすい、やりやすい環境が仕上がるのかなぁと思います。
霜降り明星の活躍
さて大会が盛り上がったいくつかの点をあげていきましたが、最後にここにも触れておきます。
はい、前年度優勝コンビの霜降り明星がとにかくTVで活躍したことで、大会の価値がさらに見直されたのではないか、とする意見です。
漫才の大会ですので、優勝コンビが必ずしもTVで活躍する必要はありません。
が、やはり2000年台のM-1を見ている身からすれば「優勝コンビはスターになる」という、ひとつの夢が詰まっていることも確かです。
2015年以降も優勝コンビは大ブレイク、とは言えないまでも世間にその名を残し続けていますし、
やはり「M-1優勝コンビは凄い」し、「そんなコンビを見出したM-1も凄い」と、
大会自体の評価が上がってくれると、それに比例する形で大会も盛り上がっていくのだろう、と。
例えば2000年台はアンタッチャブル、ブラックマヨネーズ、チュートリアル辺りが優勝翌年に爆発的な売れ方をしたことで大会への注目度がどんどんと上がり、
2008年大会は関西での視聴率が35%に到達するほどの一大イベントとしての座を確立しました。
そんなM-1を見てきたからこそ、M-1チャンピオンである霜降り明星が「これぞM-1優勝」という売れ方をして、
優勝の価値を更に高めたことは正直かなり嬉しいところです。
また昨年度は和牛やジャルジャル、トム・ブラウンなど、
優勝できなくても注目された、または再評価されたコンビの存在も大きく、
2019年の大会が盛り上がる気運に繋がったのではと思います。
視聴率自体は前年度から1~2%ほど下がったものの、知名度の低い芸人で占められたにしては大健闘、来年の更なる飛躍に繋がるのではないでしょうか。
ちなみに2019年の平均視聴率は関東:17.2%、関西:26.7%、瞬間最高視聴率は関東:21.9%、関西:33.2%でした。
毎回この関東と関西の視聴率差を見て「ああ、地方によってお笑いに対する注目度がこれほど違うのか」と興味深い気持ちになります。
ちなみに私は関西人です。
最後に
さて長々と語ってきましたが、本当に素晴らしい大会でした。
M-1に関してはもはや食事も忘れて語れるほどに好きな私ですが、
2019年は本当に楽しく面白い大会になったかと思います。
しかし、2020年は更に面白い大会になるよう、そしてできれば1組も滑らないよう、芸人さん達を応援していきます。
最後までご覧頂きありがとうございました。
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