症状としての呼吸困難
呼吸困難は一つの病名ではなく、呼吸に伴う不快感を本人が感じる症状である。空気が足りない感覚、胸部の締めつけ、呼吸努力の増加、速い呼吸など、表現のされ方はさまざまである。[2]
主な原因
原因は呼吸器疾患だけに限られない。喘息、肺炎、COPD、肺塞栓症、気胸などの呼吸器疾患、心不全や不整脈などの循環器疾患、神経筋疾患、貧血や代謝性アシドーシスなどの全身性疾患、不安やパニックなどが原因となり得る。[1][2]
急性と慢性
急性の呼吸困難では、喘息増悪、肺炎、肺塞栓症、気胸、心不全、急性心筋虚血など緊急性の高い原因を含む。一方、慢性的な呼吸困難ではCOPD、間質性肺疾患、心機能障害、肥満、神経筋疾患などが背景にあることがある。[2]
評価
評価では、いつ始まったか、どのような場面で悪化するか、胸痛・咳・発熱・喘鳴・浮腫などを伴うかを確認し、呼吸数、酸素飽和度、呼吸音、循環所見などを調べる。必要に応じて胸部X線、心電図、血液検査、血液ガス、肺機能検査、心エコー、CTなどが選択される。[2]
緊急性を示す所見
強い呼吸促迫、酸素飽和度低下、会話が困難なほどの息苦しさ、意識状態の変化、チアノーゼ、気道狭窄を示す喘鳴・吸気性雑音、左右差の大きい呼吸音などは緊急評価を要する所見とされる。[2]
治療の考え方
呼吸困難そのものだけを一律に治療するのではなく、原因疾患を特定して治療することが基本となる。急性例ではまず気道、呼吸、循環を安定させ、その後に原因に応じた酸素療法、気管支拡張薬、利尿薬、抗凝固療法などが選択される。[2]