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SIADH

2026年8月15日 03:54 / 雨崎ハーリィ に保存された版

SIADH(抗利尿ホルモン不適合分泌症候群)は、体内の浸透圧が低い状況でも抗利尿ホルモン(ADH)の作用が持続し、水の排泄が抑えられることで低ナトリウム血症を起こす状態である。[1]

概要

SIADHでは、下垂体または異所性の部位からADHが不適切に分泌されるか、腎臓のバソプレシン受容体でADH作用が持続する。これにより水が体内に保持され、血清ナトリウムと血漿浸透圧が低下する。多くの患者は臨床的に正常体液量にみえる。[1]

主な原因

中枢神経系疾患、肺疾患、小細胞肺がんなどの悪性腫瘍、手術、薬剤などが原因となる。薬剤ではカルバマゼピン、オクスカルバゼピン、シクロホスファミド、SSRIなどが関連する。まれに腎V2受容体の活性化変異による遺伝性SIADHもある。[1]

診断

診断では低ナトリウム血症、低血漿浸透圧、100 mOsm/kgを超える尿浸透圧、40 mEq/Lを超える尿中ナトリウム、明らかな脱水所見がないことなどを確認し、甲状腺機能低下症、副腎不全、心・肝・腎疾患など他の原因を除外する。[1]

治療

原因疾患の治療とナトリウム補正が基本となる。軽症から中等症では水分制限が中心となり、必要に応じて食塩やループ利尿薬が用いられる。重い神経症状を伴う場合には3%高張食塩水による慎重な補正が行われる。[1]

エビデンス・科学的評価

SIADHの診断は単一検査ではなく、血清・尿の浸透圧とナトリウム、体液量、内分泌機能などを組み合わせて行う。治療は症状の重症度と原因に応じて水分制限、高張食塩水、バソプレシン受容体拮抗薬などを使い分ける。[1]

安全性・注意点

低ナトリウム血症が急速または高度になると、頭痛、意識障害、けいれん、昏睡、呼吸停止につながり得る。一方でナトリウムを速く補正し過ぎると浸透圧性脱髄症候群を起こす危険があり、補正速度の管理が重要である。[1]