概要
SIADHでは、下垂体または異所性の部位からADHが不適切に分泌されるか、腎臓のバソプレシン受容体でADH作用が持続する。これにより水が体内に保持され、血清ナトリウムと血漿浸透圧が低下する。多くの患者は臨床的に正常体液量にみえる。[1]
主な原因
中枢神経系疾患、肺疾患、小細胞肺がんなどの悪性腫瘍、手術、薬剤などが原因となる。薬剤ではカルバマゼピン、オクスカルバゼピン、シクロホスファミド、SSRIなどが関連する。まれに腎V2受容体の活性化変異による遺伝性SIADHもある。[1]
診断
診断では低ナトリウム血症、低血漿浸透圧、100 mOsm/kgを超える尿浸透圧、40 mEq/Lを超える尿中ナトリウム、明らかな脱水所見がないことなどを確認し、甲状腺機能低下症、副腎不全、心・肝・腎疾患など他の原因を除外する。[1]
治療
原因疾患の治療とナトリウム補正が基本となる。軽症から中等症では水分制限が中心となり、必要に応じて食塩やループ利尿薬が用いられる。重い神経症状を伴う場合には3%高張食塩水による慎重な補正が行われる。[1]