働き
パントテン酸は、補酵素Aの合成と維持に必要である。補酵素Aは酵素反応でアシル基を運び、クエン酸回路や、脂肪酸、膜リン脂質、アミノ酸、ステロイドホルモンなどの合成に関わる。[1]
吸収と排泄
食品中の補酵素Aなどは腸管内で複数段階に分解される。動物研究では、そこで生じるパントテン酸含有化合物のうち、パントテン酸が吸収された。低濃度では能動輸送、高濃度では受動輸送されることも動物モデルで示されているが、ヒトで吸収効率が下がる摂取量は分かっていない。吸収後のパントテン酸は尿中へそのまま排泄され、排泄量は摂取量に応じて変化する。[1]
食事からの摂取
パントテン酸はほぼすべての植物・動物細胞に存在する。鶏肉、牛肉、じゃがいも、オート麦、トマト製品、内臓、酵母、卵黄、ブロッコリー、全粒穀物などが主な供給源として挙げられる一方、食品中含有量のデータは限られている。冷凍・缶詰加工や穀物の精製で含有量が減少した報告もある。[1]
摂取基準
1998年のNational Academies資料では、成人の目安量(AI)は1日5 mgとされた。尿中排泄を補える摂取量が主な基準であり、平均必要量や推奨量を設定できるほどの情報はなく、成人男女で別の値を定める根拠もない。[1]
欠乏
欠乏は、パントテン酸をほぼ含まない実験食や代謝拮抗薬を与えた条件で報告されている。報告された症状には、易刺激性、疲労、睡眠障害、吐き気や腹痛、しびれ、感覚異常、筋けいれんなどが含まれる。[1]