ネットワークメタアナリシス

最終更新:2026年8月13日

ネットワークメタアナリシス(Network Meta-Analysis:NMA)は、3つ以上の介入を一つの解析で比較するため、研究内の直接比較と、共通の比較対象を介した間接比較を統合する方法である。[1][2]

概要

通常のペアワイズ・メタアナリシスが主に2つの介入を比較するのに対し、NMAは複数の介入からなるネットワーク全体を利用する。直接比較されていない2つの介入についても、共通比較対照を介して相対効果を推定できる場合がある。[1][2]

利点

直接エビデンスと間接エビデンスを同時に利用することで、単独の直接比較または間接比較より精密な推定値が得られる場合がある。また、同じアウトカムについて複数介入の相対的な順位を推定できる。[1]

推移性

妥当な間接比較には、異なる比較を行った研究群が、治療効果を変える重要な因子について平均的に十分似ていることが必要となる。この前提は推移性(transitivity)と呼ばれる。対象者、介入方法、重症度などの効果修飾因子が比較ごとに大きく異なると、間接比較の妥当性が損なわれる。[1][2]

整合性

同じ介入比較について直接エビデンスと間接エビデンスの推定が食い違う状態は、非整合(incoherence、inconsistency)と呼ばれる。NMAでは、研究間の異質性だけでなく、直接・間接エビデンスの整合性も評価する必要がある。[1][2]

関連項目

メタアナリシス標準化平均差(SMD)平均差(MD)を参照。

エビデンス・科学的評価

NMAは、直接比較されていない介入間の相対効果を推定し、複数の選択肢を同時に比較できる点に特徴がある。Cochrane HandbookとAHRQの方法論資料はいずれも、推移性と直接・間接エビデンスの整合性を妥当性の中心的な前提としている。[1][2]

安全性・注意点

介入の順位だけを見て「最良」と断定するのは適切ではない。順位には不確実性があり、研究のバイアス、異質性、推移性、非整合、エビデンスの確実性を相対効果とともに評価する必要がある。[1][2]

参考文献・参考情報

  1. Cochrane Handbook: Undertaking Network Meta-Analyses ↩本文
  2. NCBI Bookshelf: Quantitative Synthesis—An Update ↩本文

カテゴリ:科学的評価

タグ:エビデンス統合 / メタアナリシス / 統計