血液を心臓へ戻す
静脈の基本的な役割は血液を心臓へ戻すことである。全身から戻る酸素の少ない血液は上大静脈と下大静脈を通って右心房へ入り、肺で酸素を受け取った血液は肺静脈を通って左心房へ戻る。[1]
静脈壁の構造
静脈壁は、外膜、中膜、内膜という3層から構成される。動脈に比べて圧が低く、壁は薄く弾性も少ないため、大量の血液を比較的低い圧で保持できる。[2]
容量血管としての役割
静脈系は高い容量を持つ血管系であり、循環血液量の大きな割合を保持する。資料では、循環血液のおよそ4分の3が静脈系に存在すると説明されている。[2]
静脈弁
静脈には一方向弁を持つものがあり、血液が心臓へ向かって流れるのを助け、逆流を抑える。とくに下肢では、重力に逆らって血液を戻すために弁の働きが重要となる。[2]
筋ポンプと呼吸ポンプ
下肢の静脈血は、周囲の骨格筋が収縮して静脈を圧迫することで心臓方向へ押し出される。また呼吸による胸腔内と腹腔内の圧変化も静脈還流を助け、とくに深い吸気で圧較差が大きくなる。[2]
肺静脈と冠静脈
静脈は必ずしも酸素の少ない血液だけを運ぶわけではない。肺静脈は肺で酸素化された血液を左心房へ運び、冠静脈は心筋を流れた後の酸素の少ない血液を右心房側へ戻す。[1]