統合腫瘍学

最終更新:2026年8月16日

統合腫瘍学は、標準的ながん治療を基盤としながら、生活習慣への介入、心身アプローチ、自然由来製品などを、安全性と科学的根拠を考慮して組み合わせる、患者中心のがん医療分野である。[1]

概要

統合腫瘍学は、がんの予防、治療中、治療後の生活までを視野に入れ、患者と家族をケアの主体として位置づける。がんや治療に伴う症状への対応、生活の質の維持、健康行動の支援などを目的に、補完的な方法を標準治療と併用する。[1]

代替医療との違い

統合腫瘍学は、標準治療の代わりに非標準的な方法を用いる代替医療とは異なる。NCIは、標準治療と科学的に安全性・有効性が示された補完的方法を組み合わせるものを統合医療と説明している。[1][2]

主なアプローチ

統合腫瘍学では、食事、運動、睡眠ストレス管理などの生活習慣、鍼、マッサージ瞑想ヨガ太極拳などの心身・身体的アプローチ、ハーブやサプリメントなどの自然由来製品が検討される。個々の方法は一括して有効とみなすのではなく、症状、目的、根拠、安全性に応じて評価される。[1][2]

患者中心の意思決定

統合腫瘍学では、研究で得られた根拠、医療者の臨床経験、患者の価値観や希望を組み合わせて意思決定することが重視される。補完療法を利用している場合も医療者と共有し、標準的ながん治療との整合性や相互作用を確認することが重要である。[1][2]

エビデンス・科学的評価

統合腫瘍学に関するレビューは、患者中心かつ科学的根拠を重視し、補完療法を標準的ながん治療と併用することをこの分野の中心原則としている。[1]
がん疼痛に関するSIO-ASCOガイドラインを扱ったレビューでは、特定のがん疼痛に対する鍼、手技・処置に伴う疼痛に対する催眠、緩和・ホスピスケアでの疼痛に対するマッサージなどに中等度の推奨が示されている一方、多くの介入では根拠の質が低いか不十分とされている。[3]

安全性・注意点

補完療法を標準的ながん治療の代わりに用いることは統合腫瘍学の考え方ではない。標準治療を拒否して代替医療のみを用いることは、がん患者の生存に不利な転帰と関連することが報告されている。[1]
ハーブやサプリメントなどの自然由来製品は、抗がん治療との相互作用、出血リスク、肝臓・腎臓への毒性、品質管理上の問題などを生じ得るため、使用内容を医療者と共有する必要がある。[1][2]
NCIは、特定の食事、食品、ビタミン、ミネラル、サプリメント、ハーブなどだけでがんを治療・制御できることを示す根拠はないとしている。[2]

参考文献・参考情報

  1. PubMed Central: Putting Integrative Oncology Into Practice: Concepts and Approaches ↩本文
  2. NCI: Complementary and Alternative Medicine (CAM) ↩本文
  3. PubMed Central: The Benefits of Integrative Medicine for Pain Management in Oncology ↩本文

カテゴリ:がん / がん支持療法 / 基礎概念

タグ:がん / 統合医療 / 統合腫瘍学

知識マップ

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