先天性代謝異常症

最終更新:2026年8月20日

先天性代謝異常症は、代謝に必要な酵素・輸送体・補因子などの遺伝的異常により、毒性物質の蓄積、必要物質の不足、エネルギー産生障害などを生じる疾患群である。[1]

病態の分類

先天性代謝異常症は、アミノ酸や有機酸などの代謝物が蓄積する「中毒型」、ミトコンドリア病や脂肪酸酸化異常などの「エネルギー代謝型」、ライソゾーム病などの「複雑分子型」に大別できる。病型によって症状の現れ方は大きく異なる。[1]

症状

新生児期には一度元気に見えた後、哺乳開始や絶食、感染などを契機に嘔吐、傾眠、意識障害、けいれんなどを起こし、敗血症に似た経過を示すことがある。小児期以降に発達遅滞、筋症状、心筋症、反復する意識障害などで発見される例もある。[1]

検査と治療

急性期には血糖血液ガス乳酸、アンモニアなどの血液検査と尿検査を行い、その後に血漿アミノ酸、アシルカルニチン、尿有機酸、遺伝学的検査などで病型を絞り込む。急性代謝危機では異化を抑え、原因物質の摂取を止め、必要に応じて毒性代謝物を除去する治療を行う。長期管理は疾患に応じた食事療法、薬物療法などを組み合わせる。[1]

新生児スクリーニング

先天性代謝異常症の一部は新生児マススクリーニングで症状が出る前に発見でき、早期治療によって重い神経障害などを防げる場合がある。一方、すべての先天性代謝異常症がスクリーニング対象ではないため、検査が正常でも臨床症状が強く疑わしい場合は追加評価が必要となる。[1]

エビデンス・科学的評価

新生児マススクリーニングと早期診断により治療可能な疾患を早期に発見できる一方、スクリーニング対象外の疾患もあるため、臨床症状から疑うことも重要である。[1]

安全性・注意点

代謝危機では高アンモニア血症、低血糖、代謝性アシドーシス、意識障害などが急速に進行し得る。重要な検体は急性期に採取することが望ましいが、検体採取のために治療を遅らせてはならない。[1]

参考文献・参考情報

  1. NCBI Bookshelf: Inborn Errors of Metabolism ↩本文

カテゴリ:代謝 / 小児 / 症状・疾患

タグ:代謝異常 / 先天性 / 遺伝

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関連項目