概要
甲状腺腫は甲状腺の腫大を表す総称で、びまん性、単結節性、多結節性に分けられる。甲状腺機能は正常、低下、亢進のいずれの場合もある。[1]
原因
ヨウ素欠乏、自己免疫性甲状腺疾患、甲状腺炎、結節性疾患、妊娠や思春期などさまざまな原因で甲状腺が大きくなる。腫大が胸郭内へ進展することもある。[1]
評価
TSHを中心に甲状腺機能を調べ、超音波で甲状腺の大きさ、結節、周囲構造との関係を確認する。圧迫症状がある場合はCTやMRIなどを追加し、疑わしい結節にはFNAを行う。[1]
治療
症状のない非中毒性甲状腺腫では定期的なTSH、超音波、診察による経過観察が選択される。嚥下障害、嗄声、気道圧迫などがある場合や悪性が疑われる場合は手術を検討する。甲状腺機能異常があればその治療も行う。[1]
圧迫による症状
甲状腺腫が大きくなると、前頸部の圧迫感、咳、労作時の息切れ、気管圧迫による喘鳴、反回神経圧迫による嗄声、食道圧迫による嚥下困難などが生じることがある。急速な腫大では結節内出血、炎症性疾患、悪性疾患なども鑑別される。[1]
胸骨下甲状腺腫
甲状腺が下方へ拡大して胸郭入口部を越えたものは胸骨下甲状腺腫または後胸骨甲状腺腫と呼ばれる。周囲構造への圧迫が疑われる場合にはCTやMRIなどで進展範囲を評価する。[1]